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【スイス・日本人がフランス語の現地校へ】 4. 学校のスケジュール その2
前回の記事では子供たちがスイスで通う現地校での経験をもとにスイスの学校の制度や特徴を大まかに記載しました。今回は日々の学校生活をより具体的に記載をしたいと思います。
担任の先生は2名体制
スイスの学校では担任の先生が2名います。
娘(1P&2P合同)のクラスの担任は月〜水、木〜金で異なり、息子(3P)のクラスは月、火〜金で異なります。1クラス18~20名程度、同学年で各2クラスあるようです。ちなみに娘(1P)は2Pの子供達と合同のクラス編成(1P:9名&2P:10名=計19名)で水曜日の午前、2Pの子供達は学校が休みのため授業は1P(9名のみ)で行われ、一方1Pは午後のクラスはないため午後のクラスは2Pの10名のみで授業を受けているようです。
本題に戻りますが、担任の2名体制については1人の先生に対する負担を軽減するためなのかなと勝手に推測しています。小学校の先生に女性が多いことも日々感じていたので、働きやすさの考慮もされているのかもしれません。
生徒(保護者)と先生は1冊の連絡ノートを使って連絡を取り合い、保護者は毎週、ノートに署名をし必要に応じて子供の状況や要望を手書きで記載します。その際、個別面談の希望も依頼が可能です。
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あるようでない時間割
娘の時間割は体育(gymnastique)とリトミックのみ。その他の時間はフランス語の特別授業の他、遊びがメインでお絵描きやブロック、本を読んだりしているとのことです。年に数回、地下鉄やバスに乗って近隣へ遠足もあります。
息子の時間割は、フランス語(国語)、算数、音楽、美術、CE(理科や地理、歴史)の他、ECR(道徳や文化)、ACM(図工)等、科目は日本の小学校に類似している印象です。ただ実際のところ「今日は〜のクラスやったの?」と聞いてもやっていないこともあったり、「今日は誕生日の子がいたからポップコーン食べながら映画をみたよ!」なんて日もありました。年間を通じてやるべきことは大枠決まってはいるものの、スイスの時間割はあくまでも計画であり、日々の進め方や運営は担任に任せてられているようです。
余談ですが、帰宅時のお別れの方法も先生によって様々。娘のクラスは教室内で担任の先生とさよならの挨拶をしベルが鳴ると自分のペースで自由に教室から退出してきます。もう1つのクラスは、必ず2人ずつ整列し退出してきます。1人ずつ先生とさよならの挨拶をして初めて列から抜け親元に行くことができます。(こちらの先生の方が見た目も実際の対応も厳しい先生なので納得。我が家は前者の緩い先生方で良かったと思っています)
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宿題は少なめ
息子は毎週宿題がありますが日本と比較すると少ないのでしょうか。色のついたプリントが金曜日に4種類配布され、現在はフランス語の音読、単語、書き、算数のプリント1枚ずつ合計4枚を翌週の各授業までにやっておくというイメージです。
算数:海外の学校あるあるですが日本人にはかなり容易かと思います。(このペースで行くと仮に日本に帰国して小学校に転入した際についていけなくなる懸念はあり)
書きや単語:いつも先生が息子が回答しやすいように追加で記載してくれていたりサポートは必ずあるので息子は真似して単語を一生懸命書いています。アルファベットは0からスタートした息子も、大文字や小文字は少しずつ描けるようになってきましたが、同時に筆記体も学ぶためこちらは苦戦しています。
音読(発音):一度、「発音はわからないからやらなくていいよね」と軽く考え何もやらずにそのまま行ったことがあったのですが、その授業があった帰り、「全員、順番に読まされて俺は0点だった、、」と息子が発言していたので、授業がある前日に、読み方を日本語で書き込み、練習をして翌日に挑む!という習慣に変更しました。正直、日本人の親がフランス語の発音を教える限界は必ず来ると思いますが今はまだ低学年なのでGoogle 翻訳頼みで何とかなっています。
これから2週間ほどの秋休みが始まりますが宿題はでませんでした。
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フランス語が話せない子供達のためのフランス語授業
国民の約40%は移民と言われているスイス。学校で会う保護者と話す機会があり国籍を聞くと、スペインやフランス、イタリア他国籍は様々です。またスイスは難民も受け入れています。
地域差はあるかもしれませんが、多国籍国家のスイスだけあって公立校でも非フランス語圏の子供達の対応にとても慣れており体制も整っています。そして現地の学校ではフランス語が話せない子供達のためのフランス語のクラスが用意されています。
息子と娘は、現地の子ども達が国語の授業を受けている時間、別の部屋で週3回ほどフランス語の特別授業を受けています。専門の先生と娘、息子、娘と同じクラスメイトのスペイン人、デンマーク人の4名です。クラスではUNOでカードゲームをしながら数字や色を覚えていたようです。娘と同じクラスのデンマーク人の子のお姉ちゃん(4P)は違うフランス語のクラスのようなのでレベル分けされたフランス語クラスが複数あるようですが、このフランス語の特別授業を受けている人数は我が家の学区は数人とかなり少ないです。レベル分けについてですが、息子は学校が始まる前の夏休み中に一度面接をしているのでその際に確認をしていると思います。娘の面談はありませんでした。
筆者が感じた想定とのギャップ
渡航前から、スイスはスイス非国籍が多い=つまりは学校にもフランス語が話せない子供達は多くいる=息子もその1人だろうと考えていたものの、実際に行ってみると非フランス語圏・非スイス国籍の子供は多くいるものの、全くフランス語を話せない子供は少ないことが想定外でした。
この想定外の出来事をスイスに長く住むイギリス人のママに聞いてみたところ、スイスに住む非スイス国民の子供達は小さな頃から家庭内外でも多言語環境で育つことが多く、スイス非国籍でも複数言語を話せることが割と当たり前なのだそう。確かに息子の親友は、お父さんがイタリア人、お母さんがギリシャ人、子供と両親は各々の言語で話し、家族で皆での会話は英語、そして学校ではフランス語という日常生活における多言語環境で育つ子どもが多いということを実感しました。
また欧州=エココンシャスと勝手なイメージが強くあったものの、とにかく学校関連は紙が多いです。連絡ノートも手書き、表紙も手作りで1つ1つ糊で貼ってあり、古き良き手作り感が満載ですが先生も大変そうです。学校に提出する子供の情報や健康履歴など基本、全て手書きで書いて提出とデジタル化とは程遠いのがスイスの現状です。