「一つ、よろしいですか?」~二次創作相棒。サマンサ・フォーク目線〔例によって二次創作作品ですので、持ち出しは絶対禁止で願います(_ _)〕

たまきさんに捧げる相棒~相棒二次創作集 
というシリーズを他サイトに置いてまして、まあその中の一作であります。


「一つ、よろしいですか?」~二次創作相棒。サマンサ・フォーク目線

2011年6月23日。
アメリカ合衆国カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で、俳優ピーター・フォーク死去。
享年八十三才。
死因はアルツハイマー合併症だったそうだ。
家族の後見申し立てによって、かれがアルツハイマー症であることが公表されたのが2008年。
この頃既にピーター・フォークは自分が、コロンボ警部であったこともわからなくなっていたという。


2008年

サマンサ。
今日は撮影受けてくださってありがとう。
「Memoirs of a Medicated Child」、納得のいくお仕事できました?

かなりね。
もともとブリトニー・△ピアーズには荷の勝つ仕事だったと思ってるわ。

出演料300万ドル(約3.2億円)で交渉も全て終わって、契約寸前までいってたみたいですよね。

トラブルに巻き込まれる主人公に同情するガールフレンドの役

なのよ?
当時のブリトニーには無理だったと思うわ。
それに彼女はやっぱり歌手よ。
アルバム『サーカス』で復活してくれてよかった。
これからもいいパフォーマーでいて欲しいわ。

このとき私を撮ってくれたフォトグラファーがハナ・スギシタだった。
漢字で書くと杉下花。
Tokyo Omokage
という写真集も出していて、ほんわり心が温かくなるようなスチールを起こす人だな、と思った記憶がある。
個人写真集の企画が出たら、彼女を指名しようかしら、なんて言ったら、叔母に気難しい顔をされた。

日本には

日本には二人、ちょっと不愉快なLieutenant~ルテナント。警部、あるいは警部補~がいてね。
一人はニンザブロウ・フルハタ、いま一人はウキョウ・スギシタっていうの。
二人とも、やたら持って回った言いかたして、関係ない話や行動で犯人を油断させ、思い出したように質問を一つ追加する。
ピーターが演じてた、刑事コロンボの捜査手法、まんま使ってるのよね…
しかもコロンボはうだつの上がらない雰囲気で、被疑者の心理に入って行くんだけど、二人とも、しゅっとした感じなの。
ニンザブロウ・フルハタはそれでも、格好悪さやだらしなさを武器にしたりもするんだけど、ウキョウ・スギシタはあくまでも取り澄ましてるのよね。

だから? 何なの叔母様?

そのフォトグラファー、ハナ・スギシタって、多分その縁者よ。

あ。 そうなんだ…


検索

検索してみた。
ちょっとディープな検索しただけで、ウキョウ・スギシタ出てきた。
東京大学法学部を卒業後、国家公務員I種試験の合格を経てキャリアとして警察庁に入庁。
ある時は無慈悲な法の執行者。
またある時は弱者に優しい眼差しをも向ける。
でも基本は杓子定規で、自分の違和感がおさまればそれでいいタイプ…
スチールもあった。
神経質な感じの4、50代の日本人男性。
細縁のメガネをかけている。

ハナのポートレートと見比べる。
理知の勝った表情がどこか似ている。 叔母にとってピーターは、かけがえのない夫だし、刑事コロンボは二人が出会った大切な作品だ。
そして俳優ピーター・フォークにとってのコロンボは、彼自身が、生涯かけて形作った見事なキャラクターなのだ。
それをもじって捜査してるってこと? ちょっとなあ…

せっかくいいフォトグラファー見出したと思ったのに、ほんとに残念だ…

それでも地球は回っている