※ 一カ所だけ残酷描写あります。
十五夜カードと書いてあったけど、枠は16あった。
雑なつくりだなーってこねくり回してたら、十三の枠から月が出た。
まさに十三夜の月!
そんなに暇なら来なさい!
手を掴まれる感じで引きこまれ
気づくとそこにいた。
鬱蒼とした森の中。
しろうさぎが懐中時計見い見い走ってゆく。
忙しい忙しい!
あ。待ってここは!
アリスっぽい。
しょうがないので歩き出す。
あっちこっちそっち丁稚
という方向性の全くわからない標識の前を通り過ぎたあたりで
穴に落ちた。
長い長い深い穴。
ただひたすらに落ちていく。
マッドハッターお茶会あたりに出るのかと思ったら
そこはもう女王の城で。
遅れたしろうさぎの首がむごたらしく床に転がっていた。
間に合わなかったのか。
女王はハートとスペードで、愛と権力を言い争っていた。
この世で一番大切なものは愛だとハートは言い、でもドレスの裾にはしろうさぎの血がこびりついていた。
この世で一番大切なものは権力だとスペードは言い返すが、権力を表すのはクラブのはずだ。
とみると、スペードは腕章を二枚巻いている。
クラブ兼務。
ああそれで。
もう一枚には、
ダイヤも兼務。
あとはハートを落とせばいいだけか。
好きにさせとくことにした。
海岸。
ぽつねんと座ってみる。
ああ、飛鳥に陽が昇る。
あ、これは暗黒神話。
諸星大二郎。
1976年。
気分はこの辺にして。
帰るには。
うちがいちばんいい
うちがいちばんいい
うちがいちばんいい
靴は緑ではなかったが、
かかとも打ち合わせなかったが、
気づくと自宅の自室だった。
スタンプカードはなくなっていた。
想像はつく。
十四の月、十五の月、十六の月は十六夜(いざよい)だ。
あと最低でも三人巻き込まれるのだろう。
※※ ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』と、
諸星大二郎『暗黒神話』と、
ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』がちょっとまざってしまいました。
月に代わってお仕置きされる可能性大です。(←それはアニメ、セーラームーン。どこまでいく気だ!)