ハロウィン2024
俺は友だちだと思ってたけど、彼女は恋人だと思ってたらしい。
梓と付き合うことになった俺を憎んで、悪い仲間に俺を売った。
そういうとこが厭で近づかなかったのに!
自分を知らないにもほどがある。
そんな南美(なみ)に同情~半ば同情、実は下心~して、穂月、島原、田代が決起、こうして今、俺が殴り続けられてるってわけだ。
でもちょっとしつこい。
このままだと俺・・・
死ぬ・・・・・・・・
畜生
ハロウィンの夜だってのに・・・
そうなんだよ
ハロウィンなんだよ
え?
今日彼をころすのは
あまりにもいただけないよ
えええっ!!
その声も、姿も、知ってるものではなかったけど、俺にはわかった。
だって目に見えない。
立ち姿はあるのに、顔も首も手も、足首もなかった。
素通しの空間に、グラサンと服と靴だけがあって、それが三人のいかつい男どもを震え上がらせている。
ば、化け物!
にっ、逃げろ!
バタバタと逃げ去る男どもに、
ままま!
待ってよ!!
半ば腰を抜かして、よたよたと南美も去り、残されたのは人外と俺だけ。
おまえ・・・
俺が言う前に
はぴハロウィン。
一言言って彼は去った。
せっかく再会できたのに、と思ったが、俺の意識もここで途絶えた・・・
全治4週間かかったが、俺は治って無事梓と結婚した。
南美たちは警察にこそ捕まらなかったけど、何となく、彼らだとわかるてきな動画がウーチューブに上がりまくり、彼らの肩身はうんと狭くなった。
生まれた子に、いつか聞かれたら、俺は絶対こう答えるつもりだ。
うん。
おばけはいるよ。
しかも、すげーいいやつなんだ。
違うのもいるかもしれないが、少なくとも、俺の友だちはいいやつだ。
請けあう。
前段三作↓
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