鍛練100〔ヒスイ's world〕3月5日(土)0時27分

脱線せず、一気に書き進めた感あり

いいと思う↓


ひさびさにガツンときた


1月17日(月)22時9分


りんこちゃんの胸借りて

私以外の表現を見ておいで

ちゃんと描写のある風景

プールサイド

友達

耳の中の水

そしてりんこちゃんの作品へのコメントのみなさん

何を言って何を言わないか

人のコメ欄って少しずつ違うよね



↓大晦日

コメロックなった。こんな日まで(^^;)

ランクルの件

16輪だっけ、トラックの助手席も登りにくいよ
めっちゃ高くて怖くなったよ
二つのネタの絡め
面白そうだ


龍涎香の話について

これは私だけの感想かもしれないので、決めるのはあなたで

私はタイトルがダメだった

笑い出したくなるそれの開放感

それはいい

でもそのものをひらがな三文字で表現され、その作品についてかたるたびにひらがな三文字が通知欄に躍る

あなただけでなく、ももまろさんやkojuroさんがスキつけてくださっても私の通知欄に躍る

私は正直耐え難かった

そもそもうんこ、しっこ、ちんこ、まんこ、そうした言葉を私は好かない

例えば食事時、あるいは料理中に、そんな言葉ばかりが目に入ってあなたは平気な人?

本文中なら、とか、

言葉を発する人物(例えばくれしんとか)によってはありうるだろうけど

必要もないのにうんこ、しっこ言うのは幼児だけです

今の時代は幼児性高くなってるから、もしかすると誰もが平気なのかもしれないが

私はくじら作で一回糞と書くことすら清水舞台だった

男の子の汚い言葉でくそ!って書くのもつらいです


これは知人が言っていたけど、人には二種類いるそうで、排泄系がだめな人と、性的なことがダメな人に分かれると

最近はうんこドリルとかも出てきて

言葉自体に抵抗感がなくなってるのもあるかもしれないね

どっちかというと私はまだ、うんちの方が耐えられるかもしれない

自分では耐えられないほどうんこと書いて伝えた内容です

どうかご理解賜りたく

さりとてあのタイトルがうんちだったらいいわけでもなく

あのままならうんこの方が絶対かわいいので

以上


おもしろい視点で語ってくださってます

許可を得ていただいてきました

こういうこと、あなたの業種もあるでしょ

クリエイティブはとおとしw

されどその道は難し

ああー。


↑こちらも参考になりそうです


おもろかった

アイディアの勝利!

後は将棋わかる人に、駒の動きが生きてるか見てもらってね

(私はいいと思った)



詐欺は

いい話だった

大事なことを言ってる

なのにリテークを出してほしいのか?

自分で書いたことに

納得はいってないってこと?

いってないんだよね・・・

ママは何になりたかった人なんだろう

ママのママはどういう人なの?

主婦の苛立ちは単なるモチーフなのか実があるのかよくわからなかった

でもそこにこだわると、テーマや澄の微妙な感情が隠れてしまう、死んでしまう

お題に対するポイントに対し、多少アンバランスではある

でも、角を矯めて牛を殺してはならない

出来はいいよ


『女子高生・橋上に立つ』~漆器編~

「女子高生って、漆器に興味ある?」
 男は、カフェのテーブルに、漆塗りのお椀を一つ置いた。
 しっとりとした肌合い。
 私の手には少し余るが大人の女性にはめっちゃいい感じ。
 私は自分の小さな手のひらをちょっと恥じた。
 私を持って行きなさい。
 器は明らかに言っている。
 叔母ちゃんならなんていう?
 知らない男に会ってお茶して、漆器も買った?
 だめだ言えない!

 顔を上げる。
 そこにいるのは今日はじめて会った男だ。
 野暮ったくて人が良さそう。
 でもそれも、演技かもしれないのだ。
 SNSのプロフィールは三十六。つまり私より二十も上!
 そんな年齢まで、私生きたくない!
 私は低い声で答えた。
「興味ないです」

「そうですか・・・それは残念」
 男は笑んで、漆器を鞄にしまいかける。
「あ」
 思わず声が出てしまった。
 男は笑い、小さな紙を寄越した。
「半額でいいですよ。あなた器好きそうだから」


「優しい笑顔だったのよー」
「だからって買う?にまんよんせんえん!」
「にまん。さらによんせんえんまけてくれた」
「ばかー!!」
 化粧上手と漫画家に、口を揃えてののしられてるあたし、澄、16才。
 本物のわかる年頃っていつなんだろう。
 自分の審美眼が恨めしい歳末である。


橋まで行ってねえww


リンドウ よかった

小説だね 

りんとして、気持ちいい、小説 

こういうのが常時書けるなら 

私の口出しは不要だ 

 漆のは 

あれはエッセイだ 

あれをエッセイとして仕上げればいい



私の直しは陳腐だけど

あなたの問題点はあぶり出せたとおもう


『女子高生・橋上に立つ』

「女子高生って、ダイヤに興味ある?」
 男は、カフェのテーブルで小さな箱を開いた。キラキラ光るダイヤの指輪が見える。
 私は顔を上げた。そこにいるのは今日はじめて会った男だ。SNSのプロフィールは三十六歳。つまり私より二十歳年上。
 私は低い声で答えた。
「興味ないです」

 男は『唇の端を持ちあげた』。笑うと口の端にしわが寄る。←笑ったでも笑んだでもないところがいい
 かっこいい、という子もいるだろう。たとえば、友達の高野澄なら、きっとそう言う。
 あの子は素直だから。
 私はだまされない。これまでずっと大人からだまされてきた。
 ママのパパの、先生たちの、SNSで知り合ったたくさんの人たちのウソをみてきた。
 だからもう、だまされない。
 ここで本名も知らない男と会っているのは、だまされない眼力を養うためだ。←と本人は言ってるけど、言い訳ではあるんだよね。誰かに理解されたい高校生的な思い

 男はコーヒーを飲んで言った。
「ふうん。良いダイヤだよ。ほしくない?」
「知らない人から宝石なんてもらわないです」
「きみは、知らない人と会っているよ」
「会うこととダイヤは別です」
「人と会うことは何かのスタートだ。きみも、何かをはじめたいと思ったから来たんでしょう」

 私は言葉に詰まる。この人の言うことは、体の真ん中を射抜くようだ。
 中心に、穴があく。見たくないものが流れ出す。
 不信・孤独・あせり・あがき・嫉妬・不安。あふれたものは、私のまわりをぐるりと一周して、行き場を見つけられずに戻ってくる。
 私は早口で言った。

「あたしがきれいだから会ったんでしょう? ヤリ目?」←必死でやり返そうとする若さがいい
 男はジャケットの肩をすくめた。
「きみはメイクがうまいよ。でも僕が来たのはきみのメッセージが面白かったからだ。文章は人の本質をさらすからね」
 私はちょっと考えた。そのとき、ポケットスマホが振動した。ラインだ。わざとゆっくりスマホを取り出してみた。
 澄からだ。最初の数文字だけが表示されている。
『しんぱいだよ』←たったこれだけだからこそ響く
 柔らかい文字にあぶられるように、私は立ち上がった。
 ひとりでカフェを出る。

 歩きながら、涙がでるのを感じる。
 大通りを歩き、目に付いたコンビニに入ってトイレに飛び込む。鏡を見るとメイクはぐしゃぐしゃ。アイラインはにじみ、チークと混ざってしまっている。つけまつげが剥がれかけていた。
 私は冷たい水で顔を洗った。洗うたびにメイクが落ちていく。
 コンビニのトイレの鏡には、白い鱗みたいな汚れがある。鱗の隙間から、顔が見えた。
 十六歳。優等生。メイクがうまくてSNSで知り合った男と会ってばかりいる「長良ちづる」。
 私は私が、嫌いだ。

 タオルハンカチで顔をきれいに拭く。それからガムを買い、コンビニを出た。思わず立ち止まる。
 あの男が立っていた。
「――やあ。その顔が見たかったんだ」
 男の表情は、さっきと違う。『動きをぬぐい取った顔』。男はジャケットのポケットから名刺を取り出した。真っ白な名刺。私は思わず言う。←正直この表現(『』)がわからなかった。どんな顔?
「モデル事務所? 信じない」
「信じるかどうかは、きみしだい。だがこれ以上の話はきみのご両親とする。未成年だからね」
「大人はうそばかり。さっきのダイヤだってニセモノでしょ」
 男は答えない。
 だがややあって口を開いた。
「ニセモノを出されて悔しいと思うなら、本物を見抜ける人間になれ」
 思わずいいかえしていた。
「なるわ。なってみせる!」
「その意気だ。帰って親御さんに相談しなさい。手助けくらいならできる」
 そう言って去ってゆく背中は、私が追いすがることを明らかに拒絶していた。

 親に・・・話せ・・・

 男の背中は人にまぎれて見えなくなっていき、入れ替わりのように高野が現れた。
「こんなとこにいた・・・心配したんだからね!あれ?スッピン??」
「いろいろあったのよ」
 答えつつ、私は名刺を川面に投げ入れようとしたが、できなかった。
 名刺をじっと見る。
 このちいさな紙切れが、私の未来を開くかもしれない。
 名刺を財布にしまった。
「カラオケ行こうカラオケ」
「えー!?せめてなんで今スッピンなのか教えてー!」
 すっとんきょーな声を上げてる高野を促しつつ、すっぴんの私がいま、北風にさからって歩きはじめた。


未来はいま、白いカードになって私の手の中にある。

↑これすごくよくて、残したかった。最後まで悩んだ



12月15日(水)午後9時10分

初稿の直し

例えば私なら


『女子高生・橋上に立つ』

「女子高生って、ダイヤに興味ある?」
 男は、カフェのテーブルで小さな箱を開いた。キラキラ光るダイヤの指輪が見える。
 私は顔を上げた。そこにいるのは今日はじめて会った男だ。SNSのプロフィールは三十六歳。つまり私より二十歳年上。
 私は低い声で答えた。
「興味ないです」

 男は唇の端を持ちあげた。笑うと口の端にしわが寄る。
 かっこいい、という子もいるだろう。たとえば、友達の高野澄なら、きっとそう言う。
 あの子は素直だから。
 私はだまされない。これまでずっと大人からだまされてきた。
 ママのパパの、先生たちの、SNSで知り合ったたくさんの人たちのウソをみてきた。
 だからもう、だまされない。
 ここで本名も知らない男と会っているのは、だまされない眼力を養うためだ。

 男はコーヒーを飲んで言った。
「ふうん。良いダイヤだよ。ほしくない?」
「知らない人から宝石なんてもらわないです」
「きみは、知らない人と会っているよ」
「会うこととダイヤは別です」
「人と会うことは何かのスタートだ。きみも、何かをはじめたいと思ったから来たんでしょう」

 私は言葉に詰まる。この人の言うことは、体の真ん中を射抜くようだ。
 中心に、穴があく。見たくないものが流れ出す。
 不信・孤独・あせり・あがき・嫉妬・不安。あふれたものは、私のまわりをぐるりと一周して、行き場を見つけられずに戻ってくる。
 私は早口で言った。

「あたしがきれいだから会ったんでしょう? ヤリ目?」
 男はジャケットの肩をすくめた。
「きみはメイクがうまいよ。でも僕が来たのはきみのメッセージが面白かったからだ。文章は人の本質をさらすからね」
 私はちょっと考えた。そのとき、ポケットスマホが振動した。ラインだ。わざとゆっくりスマホを取り出してみた。
 澄からだ。最初の数文字だけが表示されている。
『しんぱいだよ』
 柔らかい文字にあぶられるように、私は立ち上がった。
 ひとりでカフェを出る。

 歩きながら、涙がでるのを感じる。
 大通りを歩き、目に付いたコンビニに入ってトイレに飛び込む。鏡を見るとメイクはぐしゃぐしゃ。アイラインはにじみ、チークと混ざってしまっている。つけまつげが剥がれかけていた。
 私は冷たい水で顔を洗った。洗うたびにメイクが落ちていく。
 コンビニのトイレの鏡には、白い鱗みたいな汚れがある。鱗の隙間から、顔が見えた。
 十六歳。優等生。メイクがうまくてSNSで知り合った男と会ってばかりいる「長良ちづる」。
 私は私が、嫌いだ。

 タオルハンカチで顔をきれいに拭く。それからガムを買い、コンビニを出た。思わず立ち止まる。
 あの男が立っていた。
「――やあ。その顔が見たかったんだ」
 男の表情は、さっきと違う。動きをぬぐい取った顔。男はジャケットのポケットから名刺を取り出した。真っ白な名刺。私は思わず言う。
「モデル事務所? 信じない」
「信じるかどうかは、きみしだい。だがこれ以上の話は、きみのご両親とする。未成年だからね」
「大人はうそばかり。さっきのダイヤだってニセモノでしょ」
 男は答えない。
 だがややあって口を開いた。
「ニセモノを出されて悔しいと思うなら、本物を見抜ける人間になれ」
 思わずいいかえしていた。
「なるわ。なってみせる!」
「その意気だ。帰って親御さんに相談しなさい。手助けくらいならできる」
 そう言って去ってゆく背中は、私が追いすがることを明らかに拒絶していた。

 親に・・・話せと・・・

 男の背中は人にまぎれて見えなくなっていき、入れ替わりのように高野が現れた。
「こんなとこにいた・・・心配したんだからね!あれ?スッピン??」
「いろいろあったのよ」
 答えつつ、私は名刺を川面に投げ入れようとしたが、できなかった。
 名刺をじっと見る。
 このちいさな紙切れが、私の未来を開くかもしれない。
 名刺を財布にしまった。
「カラオケ行こうカラオケ」
「えー!?せめてなんで今スッピンなのか教えてー!」
 すっとんきょーな声を上げてる高野を促しつつ、私はすっぴんのまま、北風にさからって歩きはじめた。


12月10日(金)13:57

△△△なのでここへ

日常生活を大切にしてると、書くこと も成熟していくのです
安心して忘れていなさい

ハサミ
かなり良かったよ



⑦第二稿について↓

ヒスイは私が若い頃、直しを出された時にいちいち陥っていた陥穽に落ちていると思う

言われたところだけ直せばいいのだが、全体の構成に手を入れてしまうのだ

自分が言う側になって初めてわかったのだが、言う側は、いいところを認め、残そうとして直しを出す

だからそこだけ直せばいいのだが

初心書き手は全体のバランスに影響が出ると思ってしまい、そこもここも直そうとしてしまう

キャラは変わるは構成は変わるは下手すると昔の私のように作品を空中分解させてしまうことになる

無事二稿に出来ただけでも超喝采ものなのだ

比較してみよう

こちらが初稿だ


『女子高生・橋上に立つ』

「女子高生って、ダイヤに興味ある?」
 男は、カフェのテーブルで小さな箱を開いた。キラキラ光るダイヤの指輪が見える。
 私は顔を上げた。そこにいるのは今日はじめて会った男だ。SNSのプロフィールは三十六歳。つまり私より二十歳年上。
 私は低い声で答えた。
「興味ないです」

 男は唇の端を持ちあげた。笑うと口の端にしわが寄る。
 かっこいい、という子もいるだろう。たとえば、友達の高野澄なら、きっとそう言う。
 あの子は素直だから。
 私はだまされない。これまでずっと大人からだまされてきた。
 ママのパパの、先生たちの、SNSで知り合ったたくさんの人たちのウソをみてきた。
 だからもう、だまされない。
 ここで本名も知らない男と会っているのは、だまされない眼力を養うためだ。

 男はコーヒーを飲んで言った。
「ふうん。良いダイヤだよ。ほしくない?」
「知らない人から宝石なんてもらわないです」
「きみは、知らない人と会っているよ」
「会うこととダイヤは別です」
「人と会うことは何かのスタートだ。きみも、何かをはじめたいと思ったから来たんでしょう」

 私は言葉に詰まる。この人の言うことは、体の真ん中を射抜くようだ。
 中心に、穴があく。見たくないものが流れ出す。
 不信・孤独・あせり・あがき・嫉妬・不安。あふれたものは、私のまわりをぐるりと一周して、行き場を見つけられずに戻ってくる。
 私は早口で言った。

「あたしがきれいだから会ったんでしょう? ヤリ目?」
 男はジャケットの肩をすくめた。
「きみはメイクがうまいよ。でも僕が来たのはきみのメッセージが面白かったからだ。文章は人の本質をさらすからね」
 私はちょっと考えた。そのとき、ポケットスマホが振動した。ラインだ。わざとゆっくりスマホを取り出してみた。
 澄からだ。最初の数文字だけが表示されている。
『しんぱいだよ』
 柔らかい文字にあぶられるように、私は立ち上がった。
 ひとりでカフェを出る。

 歩きながら、涙がでるのを感じる。
 大通りを歩き、目に付いたコンビニに入ってトイレに飛び込む。鏡を見るとメイクはぐしゃぐしゃ。アイラインはにじみ、チークと混ざってしまっている。つけまつげが剥がれかけていた。
 私は冷たい水で顔を洗った。洗うたびにメイクが落ちていく。
 コンビニのトイレの鏡には、白い鱗みたいな汚れがある。鱗の隙間から、顔が見えた。
 十六歳。優等生。メイクがうまくてSNSで知り合った男と会ってばかりいる「長良ちづる」。
 私は私が、嫌いだ。

 タオルハンカチで顔をきれいに拭く。それからガムを買い、コンビニを出た。思わず立ち止まる。
 あの男が立っていた。
「――やあ。その顔が見たかったんだ」
 男の表情は、さっきと違う。動きをぬぐい取った顔。男はジャケットのポケットから名刺を取り出した。真っ白な名刺。私は思わず言う。
「モデル事務所? 信じない」
「信じるかどうかは、きみしだい。だがこれ以上の話は、きみのご両親とする。未成年だからね」
「大人はうそばかり。さっきのダイヤだってニセモノでしょ」
 ぽん、と男は小箱を投げてよこした。
「ニセモノを出されて悔しいと思うなら、本物を買える人間になれ」
 私は箱を、そのまま投げ返した。
「自分で買うわ。いつか」
「その手助けをしよう。連絡しなさい」

 男の背中は人にまぎれて見えなくなった。
 私は名刺を川に投げ入れようとして、手を止めた。このちいさな名刺が私の未来を開くかもしれない。名刺をじっと見る。
 ウソかどうか、自分で考えることだ。未来はいま、白いカードになって私の手の中にある。
 名刺を財布にしまう。
 私はすっぴんのまま、北風にさからって歩きはじめた。

ダイヤ、見知らぬ男、化粧、スカウト

偽物の要素が目白押しだ

ダイヤ外して、澄はコンビニ来て、男は本物

と指示した

結果がこれだ↓

 

『女子高生・橋上に立つ』

「人と会うことは何かのスタートだ。きみも、何かを変えたいと思ったから、ここへ来たんでしょう」A
  男の声は雑音だらけのカフェでも、くっきり聞こえた。私は制服のスカートを撫でつけて答えた。

「ただの、好奇心です」
「ほんとうに?」
 男は私の目の前で、笑った。笑うと口の端にしわが寄る。
 SNSのプロフィールには三十六歳と書いてあった。つまり私より二十歳年上の男。グレーのスーツ、えんじのネクタイ、薄いブルーのシャツ。

 こういう男をかっこいい、という子もいるだろう。たとえば友だちの高野澄なら、きっとそう言う。
 あの子は高校生にしては素直だから。だまされやすいから。
 私はこれまでにたくさんのウソを見てきた。ママ、パパ、先生たち、SNSで知り合った大人たちのウソ。もうだまされたくない。
 ここで本名も知らない男と会っているのは、だまされない眼力を養うためだ。

 男は骨の長い指でコーヒーカップを持った。
「好奇心ねえ……」
「それ以外に、何があるんですか」
「いろいろあるよ。金、とかさ、きみはメイクがうまい、きれいな女の子だ」B

 この男の声は鼓膜に刺さる。私がにらみつけても平気な顔で
「でも、僕が来たのはきみのメッセージが面白かったからだ。文章は人の本質をさらすんだよ」

 私はちょっと考えた。この男に興味がわいてきたからだ。
 そのときポケットでスマホが振動した。男の前で、わざとゆっくりスマホを取り出す。
 澄からだ。
『しんぱいだよ、そっちへいこうか?』C

 友人の柔らかい文字にあぶられるように、私は立ち上がった。
「お金なんかいりません。好奇心は、満たされました」
 そう言ってカフェを出た。


 歩きながら、涙がでる。
 私はコンビニに入ってトイレに飛び込む。鏡を見るとメイクはぐしゃぐしゃ。アイラインはにじんでチークと混ざっていた。ポケットではスマホが鳴り続けている。
 澄からだ。

「ちづる、どこにいるの。ホントにあのSNSのおじさんと会っているの?」
 澄の声はいつでもスタッカートだ。せわしないけれど、私に力をくれる。
私は深呼吸して、いつもよりゆっくりした声を作った。
「橋の手前のコンビニにいるよ。会ったけど、逃げてきた」
「よかった――心配だから今から行く。コンビニで会おうね」
 電話は切れた。私はゆっくりとスマホをしまい、コンビニのトイレで顔を洗った。冷たい水で洗うたびにメイクが落ちていく。

 トイレの鏡には、白いうろこみたいな汚れがついていた。うろこの隙間から顔がのぞく。
 十六歳。優等生。メイクがうまくてSNSで知り合った男と会ってばかりいる長良ちづる。それが私だ。

 私は私が、大嫌いだ。

 タオルハンカチで顔を拭く。トイレを出てガムを買っていると澄が来た。走ってきたのか、頬が赤くなっている。
「よかった。へんなやつに、ついていったのかと思った」
 私は笑った。澄はいつだって素直だ。私のように不信や不安に巻き取られていない。だから私は澄といるとき、なるべくメイクをしない。すっぴんでいたい。
 ふたりでコンビニを出たところで、私は立ち止まった。
 橋の上に、あの男が立っていた。

「――やあ。その顔が見たかったんだ」
 男の表情は、さっきと違う。動きをぬぐい取った顔。男はジャケットのポケットから名刺を取り出した。私と一緒に名刺を見た澄が、大声を出す。

「モデル事務所? うそ!」
 男は澄に笑いかけてから、私を見た。

「信じるかどうかは、きみしだいだ。これ以上の話は、きみのご両親とする。未成年だからね」
 私は男の顔をまっすぐ見返した。
「大人はウソばかり。信じないわ」
「信じられる大人を探せ。きみの人生だ、変わりたければ連絡しなさい」

 男の背中は人にまぎれて見えなくなった。
「ホントかな」
 と、澄がつぶやく。私は
 「ウソに決まってるじゃん」
 名刺を捨てようとして、手を止めた。
 小さな名刺をじっと見る。
 ウソかどうか、自分で考えることだ。未来はいま、白いカードになって私の手の中にある。

 名刺を財布にしまう。それを見ていた澄が
 「事務所、行ってみようよ。本物ならこの住所に事務所があるでしょ」
 澄の声は、いつだって私の背中を押す。
「そうね。澄、一緒に行ってくれる?」
 「いいよ。ついでにマネージャーになってあげる」
 澄が笑う。私も笑う。
 私たちはすっぴんのまま、北風にさからって橋を渡りはじめた。


ーーーーー了ーーーーー


A←なんだこのせりふ。むしろ「何で来た」の一言でいい。それでも十分意味は通じる

B←とか、は複数で使う。金、とか、自己顕示欲、とか、性欲、とかさ。君くらいの年でもいるんだ、体が疼いて眠れない、とか。

これは一見露悪に見えるが彼が本当にスカウト目的なら、すべての要素をチェックしておこうとするはず。

自分も一発、ではなく、性欲に負けて誰とでも寝られたら風聞も立つ、事務所の顔もつぶれる、そういうこと

C←しんぱいだよ。のひらがな6文字がいってきた案じる気持ちが全然見えなくなった

電話もスカウトとわかってはしゃぐところも不要

てかこの澄はこんなにばかなのか?


ひーちゃんは

一人一人の人格に寄り添ってない

初稿の良さを全部、これでもかと殺してる

スカウトも人間

澄も人間

ちづるも・・・

今の二稿なら、初稿のままでいいです





いよいよ4人目の犠牲者が、もとい、勇者がw100に挑みます

(365かもしれぬともしれず)

出題⑮ハリネズミからスタートし、

⑰邪悪寄り花畑からレギュラー化してくれるようです

ヒスイさんよろしゅーね

①~⑭はそのうち

⑮ハリネズミ〔出題・私〕

 



面白かった↓


それでも地球は回っている