老女、弟子作をパロる

以下は私流『女子高生、橋上に立つ』の澄バージョン。

たたっと書いたのでめっちゃ短いです(^^;)



『女子高生・橋上に立つ』~漆器編~


「女子高生って、漆器に興味ある?」
 男は、カフェのテーブルに、漆塗りのお椀を一つ置いた。
 しっとりとした肌合い。
 私の手には少し余るが大人の女性にはめっちゃいい感じ。
 私は自分の小さな手のひらをちょっと恥じた。
 私を持って行きなさい。
 器は明らかに言っている。
 叔母ちゃんならなんていう?
 知らない男に会ってお茶して、漆器も買った?
 だめだ言えない!

 顔を上げる。
 そこにいるのは今日はじめて会った男だ。
 野暮ったくて人が良さそう。
 でもそれも、演技かもしれないのだ。
 SNSのプロフィールは三十六。つまり私より二十も上!
 そんな年齢まで、私生きたくない!
 私は低い声で答えた。
「興味ないです」

「そうですか・・・それは残念」
 男は笑んで、漆器を鞄にしまいかける。
「あ」
 思わず声が出てしまった。
 男は笑い、小さな紙を寄越した。
「半額でいいですよ。あなた器好きそうだから」


「優しい笑顔だったのよー」
「だからって買う?にまんよんせんえん!」
「にまん。さらによんせんえんまけてくれた」
「ばかー!!」
 化粧上手と漫画家に、口を揃えてののしられてるあたし、澄、16才。
 本物のわかる年頃っていつなんだろう。
 自分の審美眼が恨めしい歳末である。


橋まで行ってねえww

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それでも地球は回っている