レインズ・デイズ・アフター①始まり
※ この作品はあくまでもフィクションであり、実在する個人、団体等とは一切関係ないことを、ここに明記させていただきます
※※ 途中途中にいささか過激な暴力・暴行シーンがあります
未成年者様には極力読み進まないでいただきたく、衷心よりお願い申し上げます
鹿田裕太。
多田悠斗。
似た名前。
愛想なし。
特徴。
裕太が狂気じみた美形…
母親は元アイドル。
ちょっとだけ売れてた。
人気俳優に入れ込んで捨てられ、チャンスすべて、棒に振った。
裕太はそいつの子ではないらしい(時期が合わない)。
でもベビーフェイスリストの段階で、裕太はティアーに誘致された。
母親は金で裕太を売って再デビュー。
すぐこけた。
裕太が売れてきたいま、“の母”力を利用しようとしてるけど、さすがにティアーズが眉ひそめるようなことはしない…はず…
40才記念ヘアヌード写真集出した。
ティアーズは、年頃の男の子の集まりだ。
写真集の件は、少年たちには格好の話題~エサ~になった。
食堂やらダンス室やら廊下やらで、聞こえよがしに話題にし、からかい、たち悪いのは本人に、写真集示してこう言った。
おまえこっから出てきたの?
美しい獣がいきなり動いた。
写真集蹴上げて本人を壁際に持ってゆき、左腕肘下外側を喉元に水平に押し付ける。
喉仏、潰…
とっさに割って入ったとき、エルダー~ティアーズ寮を仕切る先輩方~がぞろぞろ来た。
「裕太やめろ! 揉め事起こすな!」
あれ、と思った。
揉め事起こしたのあっちだろ?
なのにエルダーはそろいもそろって裕太を諫めるのだ。
これも所詮は僻み…
「どうしたね」
マムンの声。
一同が弾かれたように裕太から離れる。
ちょうどよかった。
裕太おいで。
“一人連れて”。
一同がざわっとなる。
裕太は見渡しもせず、いきなり俺を指差した。