ある晴れた午後の誤算

原稿が出来上がったのは、何たることか、この9月。
まさに一年七か月ぶりのことだった。
でも前回だって一年二か月待ってくれたんだし、担当は飯塚氏、気の長さでは定評がある。
私は彼が待っていて、もとい、待ち焦がれていてくれることを信じていたのだが、生芸ビル、生芸企画なる弱小出版社、その編集部を四階に置く、この古ぼけたちっぽけなビルには意外なことが起きていた。
生芸企画が潰れていた?
ならまだ我慢もできたが。


生芸ビルそのものがなくなっていたのだ。
影も形もない。
あるのは更地。
雑草がガンガンに生い茂った・・・更地。
だけだった・・・・・・・・



七百枚を優に超える原稿を抱えたまま、私はただただ茫然と、その場に立ち尽くしているのだった。




#30年前の四百字小説
#テーマは・甘える・でした



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NN/旦那戻りは1122(>_<。)ツイニトウジツ…
それでも地球は回っている