乗り上げる前になんとかしてほしかった。
こんなことなら出会わないでほしかった。
ティエは相手に何を見たのだろう。
勤勉だったようでもなく、関わったサークルは浜茶屋研究会。
浜茶屋のルーツと未来を研究する傍ら、美人コンテストと美男コンテストを交互年に行うという超絶ナンパサークル…
そこと、ティエの参加していた赤十字献血サークルとの合コンで知り合い、互いに一目惚れしたという…
私とノリュスの出会いも、そう大差ない。
ただちょっと違うとすれば、私は大物を射止めるための最大の努力と細心の注意を払ったけれど、娘と男はそうしなかったということだ。
愚かな男。
愚かな娘。
愚かな私の人生…
にしても。
ウォルゼフォン・キャゼッツはあまりにも愚かしい、見苦しすぎる存在だ。
ひょっとして。
ひょっとしたら……………
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