精霊シャマンティン
ガーナからのお客様って聞いて、どんな方だろうとドキドキしてたら、物静かなミセスだった
森の知識をくれるんだって
食べられる木の実、
食べられない木の実、
幻覚を起こす木の実は怖いけど、山の中で道に迷ったときなどには生半可な理性を消すと、無事に里へ下りられることもあるそうで、その時だけは薄毒のもの、笑い茸とかなどなら食してもいいらしい、とか・・・
自然は偉大です
でも、森の知性がせっかく、静かで豊かなお話をしてくださってるとこに、ちゃちな輩がドヤドヤ入ってきたのだ
やいやいやいやい!
誰に断ってここで店やってんだァ!
柄の悪いだみ声上げる、チンピラふうのやつばら
こないだ叩き潰して差し上げた、西洋妖怪系の下っ端だ
あれ取って
バーテン君に聖水入りの水差しを取ってもらおうとする私を、シャマンティンさまがそっと手で制した
あなた、こんなところで何を?
ああん?
と目を上げた、下っ端西洋妖怪の一人が蒼ざめた!
で
出るぞ
何で!
いいから出るぞ!
仲間を促してカランカラン、去ったではないか
シャマンティンさまをちらと見る
西アフリカ在住の精霊様は、私に一礼した
夫がガラ悪くて、ほんと申し訳ありません
夫おおおお??
あのチンピラみたいのが??
この上品な精霊さまの夫おおおおお?????
アササボンサム、ササボンサム、ボンサム、いろんな名前で呼ばれてますし、某ゲゲゲ関係では、東南アジアの出身扱いですが、間違いなく西アフリカ出身の、粗暴コワモテの独立吸血鬼です
そんなやつがあなたの夫・・・
戸惑って言葉も出ない私の前で、知的なる森の精霊は頬染めた
いろいろありまして・・・
お会計して去っていく美麗なお姿
(居合わせた全員分をお支払いになった。気になさらなくてよろしかったのに・・・)
この妻にしてあの夫
世の中ってほんと謎ばかりです
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