レインズ・デイズ・アフター②目にしてしまったもの〔一部性的表現あります〕


 俺ははえぬきじゃない。
 ストリートで踊ってて、仲間と大会行った。
 勝てばニューヨークで決戦大会ってとこで負けた。
 Aベックスの人には声かけられず、なぜかティアーズにスカウトされた。
 ダンサー仲間にからかわれた。
 マムンとかに喰われるぞ。
 かもしれんけど全員じゃないだろう?
 そう思って入ったけど、いま目の前に起きていることをみて、ここはやばいと思った。

 目の前に起きてること。
 それはマムンと俺の目の前で、半裸の裕太がヤラレてる現実だった。
 相手はスーツ姿。
 どこかの企業の偉い人らしかった。
 オフィスデスクに上体預けた状態で、後ろを蹂躙されてる裕太は、苦痛を面に刻んでるってのに、自分の前も持ち上がりそうなほど色っぽかった。
「ぬあっ」
 イミフな嘆息とともにおっさんが放つ。
 抜き出される男根。
 裕太の内腿は、精液とも愛液ともつかないぬめりでてらてらと光っている。
「ほんとに凄い。終わるのが惜しくて惜しくて」
「壊さないでくださいよー。このコらはこれからのコたちなんだから」
「こっちがメンバーになるコなのかな」 
 男が俺に手を伸ばす。
 思わず払いのけそうになったけど、寸前に裕太が止めてくれた。
「会見なんで。俺にしたマークで十分でしょう?」
 はだけられた首筋に、赤黒い小さな痣があった。
「それなんですかって記者に聞かれたら、言いますよ俺」
 目を光らせて笑う。
 男はちょっと困った感じに笑いながら、では後ほど、と言って去った。
 後ほど?
 男がそそくさと出て行くと、マムンは裕太を指で招いた。
 顔を寄せさせてキス一つ。
「お浄めネ」
 それがお浄めなのかよと、裏手で突っ込みそうになる。
 でもそんな場合ではない。
「あの。メンバーって」
「レイン。君ら二人」
 デュオおおおおっ!?

それでも地球は回っている