コロナ下の弱虫ペダル
自転車は肉弾戦、コロナ下は憚られたでしょうね・・・
大宮クリテリウムも昨年やっと再開で。
うちの(マイワールドの)インハイもこうなって↓、そんなこんなでものした一作です
例によって公式にはご内聞に・・・
昨今〔二次創作弱虫ペダル。今泉目線〕
卒業年。
新型ウイルス蔓延で、インターハイはなかった。
翌年もインハイはできなかったけど、京伏の岸神や、うちの鏑木らが言い張って、有志インハイなんつーのをやらかしてくれた。
俺らの世代もなんかやれば良かったけど、蔓延一年目は、どういうウイルスかもよくわからなくて…
手繋ぎゴールどころじゃなくなっちまったんだよな。
あれから何年だ。
俺はオヤジの会社を継ぐか、自転車競技者になるか迷いながら大学に通ってる。
大学には金城さんがいて、荒北さんもいて、あの、東村とかいうやつの先輩もいる。
名前何だっけ?
と高橋が声を上げた。
坊ちゃん。
目を上げると、左右の窓、鳴子と小野田が手を振ってるではないか。
もちろん左にいるのはアホの鳴子だ。
高橋がウィンドウをおろしてくれる。
今泉君ひさしぶり!
相変わらず坊ちゃん暮らしが板についとるな。
余計なお世話だ。
何だお前ら荷物・・・
見てわかった。
大きな。
四角い。
ユーイーツか。
稼げるのか?
めっちゃ楽々や。
鍛錬にもなるしな。
あ、信号変わる。
今泉君またね!
左右から、すっとロードが飛び出してゆく。
(だから鳴子、車線間はだめだろって!)
早い。
もう見えない。
俺も…
バイトされたくなりましたか?
いや…
否定する俺の気持ちなど、高橋はちゃんとわかってくれてる。
けがすんなよ二人とも。
心配ばっかさせやがって。
そう思って見送ってる、俺の視野をもう一台、ユーイーツのロードがよぎって行くが、そいつは抜け際、俺に中指を立てて行きやがった。
御堂筋いいいいいい!
関東に来てたとは!!
こいつは俺もあれやんないといけない流れか!?
バックミラーの中で、高橋がちょっと笑ってる。
仲間と敵。
厄介な人間関係ができて。
俺は今の俺になった…