モ はモデルのモ〔街の心理士・りらの中のひとさんに捧げる一作です〕



バナナはかなりおいしかったけど、手許には皮が残った。
バロネスはまだ気取って歩いてる。
淑女はしなやかに歩かねばなりません。
確かに。
年齢も、年輪も、感じさせない見事な歩み。
ランウェイの花だったのは五十年も前だったのに!

やっちゃえ

と、キミカの目が言う。

やっちゃえ

フレデリカの目も言っている。
でも投げたのがあたしだとわかったら、たちどころにあたし、このスクール追われる。
ここで学んでないモデルは、モデルじゃない。
せいぜいモだ。
あ、でも。

とろいまゆかもおやつはバナナじゃん。
うーんとスナップ効かせたら・・・

誘惑に
負けて

あたし投げた・・・

手裏剣とかブーメランみたく回って、バナナの皮がバロネスを直撃!



すると思ったのに。


とろいまゆかが逆回転かけて投げた同じものが、バロネス直前で、あたしの皮にアタック。
二つはからみあうように、少し離れた床に落ちたのだった。

休憩終わり!

バロネスがきびきびと両手を打ち鳴らす。

ウォークに戻りましょう。
まゆかとえりは自分のゴミを片付けるか、自分をゴミとして片付けるか。
さあどっち?

あたしたちは瞬時にダッシュして、自分の投げたバナナの皮を片付けた。
煽ってた数人ももうすまし返ってる。
あたしたちも瞬時にもとの顔になる。
モデルのモでは終わらない。
せっかくここに入れたのだから。
デもルも勝ち取って、ちゃんとしたモデルとして、世界に羽ばたく日のために、そう、
あたしたちは学んでる。



テーマは

美しいたくらみ

ですが
醜い争いになってもうたwww

街の心理士・りらの中のひとさん、ご参加ありがとうございました(^^)

それでも地球は回っている