追悼登山に行くという義兄を、私は止めきることができなかったが、そんな私をあざ笑うかのように、その日も山は大いに吹雪き、義兄は二度と戻らなかった。
義父のときもそうだった。
ご友人の追悼登山にゆくのだと言ってきかず、結局吹雪にのまれてしまったのだ。
これでは全くの繰り返しではないか!
警察は繰り返し、登山者たちに言っている。
追悼は平地で!
尾根でなく平地で!
でも山男たちは繰り返し、追悼は登山を行ってしまう・・・・
あなたがたはいい!登りたくて登るのだから!
でもひとたびことが起きて、救援隊が組織されることになれば、登らされれば山岳レンジャーであり、地元の有志と警察なのだ。
迷惑になるような登山は絶対しないと言い切っていた夫が、来週山へ行くという。
もちろん義父たちの追悼だそうだ。




注記
山岳愛好家のみなさま。
これはもちろんフィクションです。

#30年前の四百字小説
#テーマは・命・でした


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NN/わがまま旦那と再同居開始(>_<。)ウットーシー
それでも地球は回っている