レインズ・デイズ・アフター⑨驚愕〔性的表現かなり含みます〕

 ホテルに着いたのは11時半だった。
 こんな遅くから誰と会うんだとは思ったけど、人には人のスケジュール割。
 そう思うことにしたけど。
 いろいろ噂のある人と一緒なんだよな。
 場所もホテル。
 気後れしつつあることに気づかれたのか、マムンは俺の背後から、俺を押し出すような位置どりになった。
 逃げ道を塞がれてる。
 気づいた時にはもう室内だった。
 とても薄暗くて、どんな場所なのか全く判断がつかない。
 それでも歩みを進めてゆくと、淫靡な物音が俺の耳に届いてきた。

 もう暴れないのかね。
 おとなしくかしづくのかい?
 なら最初から従順にしてれば良かったろう。

 声。
 奥の壁は素通し。
 たぶんマジックミラーなのだ。
 その向こうで、三人の老人が少年を弄んでいた。
 挿れられ、喘がされ、弄ばれてるのは。
 頬張らされているのは…

 !!

 言葉を失った。
 裕太…ですよね。
 誰ですあの爺さんたち!
 あんた裕太を弄ぶだけじゃ足りなくて…!!

 マムンはにやにや笑っていた。
 酷薄に。
 そして言った。

 やめさせることも出来るよ?

と。

 ユーの献身しだいでね。

 それは。
 その意味は……



 

 自分の体をマムンの舌が這っている。
 ぞっとする。
 ああこんなこと。
 普通に耐えれることじゃない。
 裕太ごめん。
 俺いたわってるつもりだった。
 寄り添ってるつもりだった。
 こんな思いしてたんだ。
 毎回毎回。
 慣れれる。
 慣れてる。
 どういう考え方だそれ!!
 裕太……

 キスして。
 出来るよね。
 裕太守りたいんだもんね。

 嫌だ。
 俺、キスも知らない。
 商売女とはキスしてこなかったし、そいつらプロだ、心には踏み込まない。
 俺ファンともやらない。
 大事にしてきた。
 自分もファンも、やだ、舌が




 ああ。
 ああ。
 苦痛と快楽の狭間で貫かれてるのも後数時間だ。
 爺いどもが消えたら、シャワー浴びて、眠って。

 悠斗と

 シリアルを




 自分だけだと孤独だろ?
 でも相棒クンも頑張ってるよ。

 爺いどもの一人の囁き。

 相棒?

 相棒??


 上げたくない目を…上げる。

 壁一面の鏡だと思ってたそれは硬質ガラスで。

 その向こうで悠斗が。
 無垢なままのはずの悠斗が。


 マムンに


 キスされてた…

それでも地球は回っている