突然思い出したこと〔心理的なやつ。さちピコード上は半々かな〕

だんだんせり出してくる腹。
7ヶ月くらいだったろうか。
旦那でいいのかとちょっと迷い、神奈川県のシェルターに入った時のこと。
そこに三十前の女の子がいた。
テレクラのサクラをやっていて、客の一人を愛したと言っていた。
過去の病気で子宮を取ったそうで、私と私のおなかの中のこどもをものすごく気にかけてくれていたのだが、私はある時から彼女を遠ざけた。
彼女はいつからか、私のおなかの中の子を、

私たちの子

と言い始めたのだ。
jokeのレベルではなかった。
自分が産めなくなったことからくる感情を、私の胎児に投影してしまっていたのだ。
このこどもが誰の子で、どう育つのかを説明しても、彼女は、

私たちの子

という言い方を変えず、怖くなった私は担当の職員に相談した。
彼女は別のシェルターに移されることになったのだった。

こどもが産める。
ただそれだけのことが、こんな恐怖をも生むと、私は知らなかったし、知ってしまった。
突然思い出して、めっちゃ取り乱している。

その胎児ももう成人した。

なのにふと、思い出しただけで怖い。

怖いのだ。


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それでも地球は回っている