障害者としてのアーサー・フレック

JOKERの主人公であるアーサー・フレックは、笑いたくないのに笑ってしまうという障害を持っていた。

そのせいで職場では不気味だと言われ、乗ったバスではあからさまに嫌な顔をされて、電車では若い会社員たちに絡まれて暴行される。

彼は、ストレスを感じたときにこの症状が出やすいようだった。笑う場面じゃない時や、笑ってはいけないときほど笑ってしまう。

泣きたいはずなのに、ずっと笑い続けるアーサーは見ていてとても痛ましかった。

「この社会は、障害なんてない、黙っていい子にしてろと言う。他人の目が一番怖い」

「俺のような人間が死んでも、踏み付けにするだけで悲しんでくれない」

「誰も俺のことが見えていない。俺は、本当に存在しているのか?」

アーサーの台詞や、日記の言葉が刺さった。私もADHDなので、彼の気持ちは少しわかる。公共交通機関では特に人の目が気になる。誰かに迷惑かけてないか?おかしな振る舞いをしていないか?とても心配になるから。

障害者は健常者に迷惑かけるな、同じ速度で歩け、ルールに従えって、平等の名の下に強制されている気がする。例えば、みんなで行進しているときに一人歩くのが遅い子がいたとして、その子に合わせて歩かなくてはいけないことを損だと感じて排除するような......そんな風潮が、世の中にはあると思う。

普段はアーサーのこと無視しているのに、アーサーを虐めてやろうってときだけはアーサーに注目する人たち。

そんな環境で生きていれば、誰のことも大切に思えなくなって、ゴッサムシティなんか燃えろ燃えろ〜!って感情になるのも仕方がないことなんじゃないかな。

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