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"お力添え"に支えられた8年。〜広報PRパーソンとして大事にしてきた7つのこと〜
1人で完結するものはなく、誰かとの協働が前提となるのが広報PRのおもしろさの1つではないでしょうか?
私個人としては、しっくりくるデザインはできないし、ハッとする写真も撮れないし、地上波を使ってニュースを発信することもできないけど、企画を立てて、いろんな人に協力してもらいながら、1人ではなし得ないであろう未来に立ち合うことができる。
スタートアップで広報PRを担当してきて8年、社内外のたくさんの方々に力を貸していただきました。
協働してもらう力は「巻き込む力」ともいうのかもしれませんが、「巻き込んでやるぜ!」と意気込むより、描きたい未来のためにその方が持っているスキルや経験を心の底から貸してもらいたくて頼らせていただいた、という方が私はしっくりきます。
さて今回は、協働してもらうにあたり大事にしてきた7つのことを、具体例も交えながら振り返ります。基本的なことばかりかもしれないし、フェーズや規模によっても異なるか思いますが、こんなあり方もあるんだな、と思ってもらえたらうれしいです。
本記事は #PRLTアドベントカレンダー2023 22日目にエントリーしています。
①安心して「参加したい」と思える環境づくり
さて、もしみなさんが過去に"詰んだ"プロジェクトへの参加を打診されたら、どんな気持ちになりますか?
「変なことに巻き込まれたくないな」「とりあえず適当に流しておこう」と言った気持ちにもなるかもしれません。当然だと思います、大事な時間を使って成果が出ないことへの不安や徒労を想像するからです。
私は2年前、会社のリブランディングプロジェクトをまとめる立場にあったのですが、関わった当初はそんな空気がにじんでいました。その背景の一つに、例えば過去に行われていたロゴ刷新の企画は、多額の予算と半年に及ぶ時間を注ぎ込み、外部のプロにも協力いただいた結果、いろんな事情が重なり頓挫してしまったことがあったからでした。
「新しいミッションができ、キービジュアルが整った。これらは簡単には変わらない、数年先も使われ続けるもの。だからこそロゴにも願いを込めてしっくりくるものを作りたい」
そう思い、長年関わってくれている外部のデザイナーに、新しいミッションとキービジュアルへの自分の解釈と、新しいロゴになることへの希望、ロードマップを資料に落として相談しました。
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OKをもらえるかドキドキでしたが、「いいですよ、そしたら2週間後に案を持ってきますね」と言ってもらえた時は霧が晴れる思いでしたし、最後に関ってよかったと思ってもらえる環境を作ろうと決め、リスクとなる要素を洗い出し、誰に(誰が)いつ何を話すかまで細かく考えながら、完成までのスケジュールを組んでいきました。
社内メンバーにアンケートを募り微調整をしながら、一番しっくりくるロゴが現れた時のことは忘れられません。最終的には、相談から納品まで1ヶ月で、そして過去予算の1/10ほどで完成しました。
関わってくれたデザイナーから「このプロジェクトに参加できてよかったよ」のメッセージが本当に嬉しかったです。
と、ここまででもだいぶ長いので、残りの6つが心配。どうかお付き合いください。笑
②ふつうの企画をおもしろく
「XXやってください」「XXに協力してください」というお願いをする場面、特に広報PRパーソンはたくさんあると思います。
言う方も、言われる方も、状況によっては気まずかったりしませんか?
特に初めてのことや、時間がかかりそうなことへのお願いハードルはより高くなると思います。
先ほどのリブランディングプロジェクトに関連するのですが、メンバーに協力してもらいミッションに関連するブログを書いてもらう「ブログリレー」を行うことになり、全社員に協力を募る必要がありました。
代表からもらっていた当初の希望は「全員が極力シェア!毎日ブログ発信!を促そう」というもの。当時は2年弱に及ぶ構造改革が終わったタイミングであり、個人的には組織の効力感は高いとは言いがたいもので、そのオーダーを見た時、静かにPCを閉じたことを覚えています。
わたし自身は、このブログリレーが、みんなにとって負荷あるタスクではなく、一緒に働くメンバーや組織の魅力を改めて知り、誇りを感じながら、そこから滲み出るプラスの感情が社外にも伝わるきっかけになることを願っていました。
そうして考えたのが「投稿を盛り上げて豪華料理を食べよう」という、インセンティブ企画。得たいゴールや想定読者、スケジュールの共有だけでなく、PV数が高かった人、目標PV数を達成したチーム、シェアを頑張った人に豪華食事券を渡す設計をコーポレート部門と連携して行いました。
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結果的には、社内メンバー間で入社背景や大事な価値観を知るきっかけになったり、イベントの登壇依頼や取材依頼をもらうメンバーもいたり、採用においても雰囲気を知ってもらうための利点になりました。
目の前に置かれた素材をどうおもしろくできるのかを、これからも追求していきたいです。
忙しい中、ブログの内容を考え、作ってくれたみんなに感謝です。
③相手の利点を考え抜く
他部署と連携する時、お互いの利害のすり合わせは重要ですよね。
だからこそ「これに協力することで何のメリットがあるの?」に相手目線で応えられる必要があると思っています。
今年3周年を迎えたサービスがありました。これまで企業様向けの発信をしてこなかったので、「周年記念」をコンテンツにしたプレスリリースを企画し、日頃の感謝やサービスの魅力を伝えるきっかけを作り、企業ユーザー様の増加や、ロイヤリティの向上に寄与できたらと考えました。
企業のお客様に届けるためには、マーケティングチームやCSチームとの連携は必要不可欠でした。
だからこそ、事前に代表やマーケティングチーム、CSチームなどと一緒に、目的と発信内容の擦り合わせをドキュメントで行い、各部門と各人のOKR(目標)を確認し、このコンテンツがお客様に届くことで想定されること、それがどうみなさんのメリットになるのかを伝え、逆にどんなメリットになると思うのか?を聞きました。
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「発信して終わり」というのが一番もったいないですし、数字を追っている部門の立場からは、仕事の成果として「ぬるい」と感じられてしまうこともあると思います。
だからこそ目標に、定量的には過去のプレスリリースの結果をベンチマークにPV数を試算し(ここは不確定要素もありますが、意志と肌感が大事だと思います)、定性的には読者のリアクション内容を置きました。
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最終的には、企業ユーザー様の増加だけではなく、「お客様とのつながり」を社内全体が再実感できたことがよかったなと思います。
このコンテンツに協力してくれた、これをきっかけに積極的にコミュニケーションを取ってくれた皆さんに感謝。
④カタチにしてくださったものへの感謝+コメントを伝える
記者さんや社内メンバーの記事、デザイナーが作ってくれたイラスト、ブレストした後にまとめてくれた資料、エンジニアがコーディングしてくれたWebページ etc…
頭の中にある言葉やイメージを出すことって、まずとっても尊いことだと思うのです。何かをアウトプットすることは、これまでの経験や価値観が晒すような感覚もある気がするので。だからこそカタチにしてくれたものに対して、まず感謝を伝えたいです。
クリエイティブなものは感性の違いは出ますが、事前にトンマナや画像などでイメージを擦り合わせれば、大きくズレることはほとんどないのではと思います。(一緒に取り組んでくださった方の力量がすごかったからこそとも思うのですが)
それからフィードバックや問いはギフトと思っているので、これからも感謝と共に渡していきたいです。
⑤逐一、進捗を伝える
「あれ、どうなっているんだろう?」という疑問は、頭と心の容量を微妙に減らしませんか?蓄積されていくと、結構なストレスになったりすると思うのです。
わたし自身は、意識しないとすぐlazyになってしまいますし(汗)、やることが分散してしまう傾向があるので、相手への進捗共有がエネルギーを発生し続ける仕組みになっています。
一緒に取り組む方が進捗をラフにでも共有してくれたり、アイディア段階でも「今こんな風に考えてます、悩んでます」を伝えてもらえると安心します。
シンプルに見えて意外に難しいですが、些細なコミュニケーションを大事にしていきたいです。
※この後の2つは、広報PRパーソンとしてというより、あらゆる物事に取り組むにあたって大事にしたいことだなと思います。
⑥自分の認知の仕方を知る
遭遇する1つひとつのできごとは違っても、自分の思考のクセが、なんとなく似たような結果につながることってあるなと思います。
同じ事象でも、他の人と認識の仕方が違うこと、それによって現れる未来が変わっていくことも興味深いです。
協働しながら、相手を通して、自分のことも知れると思うのですが、「自分ってこういうタイプだから」の枠にはめずに、その背景を知りたいという気持ちが大きいです。(笑)
相手との関わりで起こったできごと、自分の感情の動き、違和感、その奥にある価値観などを言語化し、他の方に話しフィードバックをもらうことで、自分がどのような認知をしているかを知るきっかけになりますし、いろいろなバックグラウンドの人と活動する上で活かされることが多いなと思います。
いつも客観的に言葉をくださる皆さん、本当にありがとうございます。
⑦一番の熱量を持っている気持ちで動く
熱さの表出の仕方は人それぞれだと思うのですが、熱量がある空間の質感は同じような気がします。私は、軽やかだけど研ぎ澄まされている空気だったり、1時間が3時間になる感覚を感じる時があります。
実現したいことが、現状どんなに難しそうに思えても、うまくいくことを心から信じて、一番と言えるくらいの熱量を持って行動することで、そして1人でなくチームや仲間と一緒に取り組むことで、力が何倍、何十倍になり、あり得そうもないことが起きたりするんじゃないかな?と思うのです。
「役割を外しても本気でやりたいことなの?」を問う必要がありますが、時に痛みが伴いますが、大事にしていきたいなと思います。
最後に
協働していくなかで、想定を上回るものがどんどん形づくられていくことに心が震え、コンテンツが伝播していくと応援・期待の声が大きくなり、時になかなか寝つけないほど嬉しく気持ちが高ぶり、目の下の黒いクマがずっと消えない日々を過ごしたこともありました。
クマはいらないけど、そんな瞬間にこれからも立ち会いたい。
1人では到底できないようなことが、社内外と協働しながら生まれることが広報PRの面白さだと思います。
これまでたくさん助けてくださった皆さん、本当にありがとうございます。私にもお力添えできることがあれば、ご協力させてください。
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