トルコ至宝展 心覚え:チューリップ、三日月、神
友人と、国立新美術館で開催中のトルコ至宝展に行ってきました。
5月20日までやっているとのことなので、もし今回のnoteで興味を持った方がいれば、ぜひ行って欲しいです。そこまで混雑はしていなかったので、見やすいかと。
→国立新美術館トルコ至宝展 web page 〈 https://turkey2019.exhn.jp/〉
この展覧会の概要は、さくっとこんな感じです(主催者web pageより引用)。
初っ端から日本語的で、なんとも幼稚な印象を書き込むことを許して欲しいのですが、「トプカプ宮殿」という語感がプカプカしているような感じがして楽しそうだな、と。ごめんなさい、ボスポラス海峡に沈んできます……。
どうしてこの展覧会に行こうと思ったかというと、私の場合、広告・ポスターに魅せられたからでした。「トルコ展」と検索するとすぐに出てくると思いますが、凝った装飾の綺麗な「何か」がどんっとあるの。「何か」と表記したのは、私があえて伏せているだけなんだけれども、以下のチケットの半券の写真に見えるもののことです。
これだけでは、写真のものが何であるのか分からない人、トルコ至宝展に行きましょう🙋♀️
答えは国立新美術館にあります!(答え自体はポスターの裏にもあるかと思いますが、製作者が何を写したかったのか、までは分からないと思う。え、分かる?オスマン帝国通ですね、もっと通になりに行きません?笑)
会場のたくさんの宝飾品が目を引いたのはもちろんなんだけども、今まで私が回ってきた展覧会の中でも、格段にディスプレイ(演出)が素敵でした。
素人が何を言うか、という感じではあるけど「展示美術館」(コレクションを持たないけれども、その展示スペースを活用して、展覧会の場とする機能)という国立新美術館の性質が最大限に生かされているような感じでした。
少しばかりネタバレになってしまうけど、特にトプカプ宮殿の「フルーツの間」を模した空間が特に印象に残っています。この空間でフルーツの間の内装が転写されているのは、一部(一面)の壁面だけなんだけども、展示品を見ているときにふと視線を外すと、展示ケースのガラスにフルーツの間の内装が映るんです。まるでフルーツの間にいるかのような錯覚を起こしました。これに気付いたとき、少しばかりテンションが上がってしまった〜!
これより先は、見ながらぽつぽつと頭に浮かんだこと・記憶に残したいことを綴りたいと思うのだけれど、専門性のかけらもないのはご愛嬌、ということでお願いしたいです……。
まず、今回の展示ではめちゃくちゃチューリップが推されていたことについて。正確には展覧会ではなく、オスマン帝国がチューリップ推しな訳なのですが(笑)
ここでふと、王朝などの象徴に、「花」が用いられることって多いな、と思いました。
例えばフランス王家の白百合だとか。日本を見てみると、大名の家紋とかもそうですよね(適当)。
でも中国の歴代王朝を見ると、そうでもないのか、と思ったり。知識が不足し過ぎて分からないね!大学図書館に行けば関連する本があるかな!
ハイ次。
歴代スルタンに愛され、時代の形容詞にまでなったチューリップ。なぜチューリップだったのか、その理由がとても好きです。
トルコ語でチューリップは「ラーレ」となり、アラビア文字を入れ替えると、神を意味する「アッラー」となるそう(今のトルコ語はアルファベット表記だけども、昔はアラビア文字を用いていた)。
また、「ラーレ」を語末から読むと「ヒラール」となり、これはトルコ語で、オスマン帝国の象徴である「三日月」(本来の象徴は「新月」であるが、新月は形がないために三日月となったらしい)の意となるそうです。
……伝聞調になってしまうの、尺に触りますね、トルコ語勉強します。
一つの言葉が、一つだけで終わらずに繋がっていく模様が最高に人間という感じがしていいですね(上から目線)。
花についてもう一つ、バラに関して。バラは、イスラム教においては預言者の象徴であるらしい。特に白バラは、預言者ムハンマドが朝(=白のイメージ?)に生まれたことから、ムハンマドの象徴的となっているそう。また、ムハンマドからバラの香りがしたため、オスマン帝国では香水的な役割でバラ水が好まれたのだとか。
このバラ水を入れる瓶も、形から装飾から、これでもかというくらいに意匠が凝らされていて、一日中見ていられるほどでした。
余談ですが、チューリップ、バラ、ヒヤシンス、カーネーションは、オスマン帝国で「花の四天王」とまで呼ばれたそうです。ヒヤシンスとカーネーションがここに入ってくる理由までは私は分かってないのですが、やはりイスラム教関係なのかな……?
「ラーレ・ダーン」と呼ばれるチューリップ用の花瓶も印象に残っています。さすがはチューリップの国。チューリップと言えば、今はオランダのイメージが強いですが、元はと言えばトルコなんですよね。チューリップの重い花弁の負担をなくして、より長く鑑賞できるように工夫された花瓶なので、一般の花瓶よりも口が細長いんです。
最後に、音声ガイドで木村文乃さんが紹介してくれた、メフメト2世が詠んだという詩を綴って終わりにします。
「酒注ぎのものよ 早く酒を注げ
チューリップが〜〜(聞き取れなかった)
春が過ぎて秋が来てしまうだろう」
聞き取れなさ過ぎたので、ツイッターで拾ったものを……
めっちゃ好きやねん。
音声ガイドで聞いたものと、拾ってきたもの。翻訳の違いはあれど、どちらにも共通しているのはメフメト2世の「チューリップ(あるいは花)が咲いている景色を一瞬でも長く、眺めていたい」というようなチューリップ愛ですね。
一部の抜粋だと思うから、全体を知りたくもあるのだけれど、あいにくとトルコ語は習得していなくて(一応英語で探してみたけどそれらしいのは見つけられなかった)……今度はトルコ勉強しようかしらん。
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