フラメンコ発表会を終えて
先日、フラメンコ発表会が終わった。
当日と翌日は元気だったのに、2日後に疲れがどっと出た。
発表会当日は、一番緊張したのが家を出るときだった。
発表会がコロナ対策で2部制になっていたから、私は2部に出演するので控室の鍵を受付から受け取る係を任されていた。
それがリハーサル開始の2時間半前だったので、遅れてはいけないと思って緊張していたみたいだ。
受付時間の1時間前に現地に到着し、時間が余ってしまってカフェでお茶をして待機した。
控室の鍵を受け取りテーブルと椅子を整えた時点で、その日の私の役割は終えた感じだった。
リハーサルは始まるまで時間があるので、ちょくちょく1部の発表会を観に行った。
衣装とメイクをしていると、普段フラメンコ教室で出会う顔と違うので誰が誰だか分からない。
みんなが一生懸命に踊っている姿に、感銘を受けた。
私はフラメンコが上手くなりたいという強い気持ちでレッスンしているけど、上手下手という括りではない、真摯にがんばる姿が素敵だなと感じた。
そうこうしている間に、自分のリハーサルの時間が迫ってきたので控室でメイクして準備した。
リハーサルから本番まではあっという間で、会場入りしてから6時間経過していたけれど、疲れてはいなかった。
本番は久しぶりに観てくれる人がいて、暗くて顔はみえないけれど、そこに人がいて自分が踊るのを観てくれるというだけで、全然意識がちがった。
コロナになってから、オンライン発表会ばかりで観客の前で踊る機会がなかった。だから、私の中で常に ”踊る” という行為は自分に向けてのものだった。
それが今回4年ぶりに自分の踊りを観てもらう環境になって、人に観てもらうって全然違う!エネルギーがぐるぐる廻るのを強く感じた。
踊っているときも、人が観ていてくれるというだけでパワフルな力が湧いてくる。”私” という個の存在じゃなくて、観てくれている人・演奏してくれる人・パルマ叩いてくれる人・照明やってくれる人・袖で見守ってくれる人、その会場にいるみんながひとつの意識になった感じだった。
みんなで瞑想するときの体感に似ていた。
”私” という境界線が薄れて、みんなの意識とつながる感覚。
そんな体感を味わったから、私は全然疲れを感じなかった。
むしろ元気になった。
長いこと舞台に立ち続けている俳優さんたちが年をとっても元気で若いのは、舞台に立つことで観ている人とのエネルギーの循環をしているからなんだろうなと思った。
そして第一線で活躍している人ほど、すごい努力しているけど謙虚さを失わない。
それは、自分という個体の能力以上の大きな存在を感じていて、舞台みたいな場に立つとその能力と繋がるのを知っているからじゃないかな、たぶん。
昔からある ”祭り” も、そういう場の役割を担ってきたんだよね、きっと。
私が学んでいるスピリチュアルも、フラメンコも、普段の生活も、根っこは同じなんだな。
自分がどう在るかで、周りとの関係も変化していく。
自分を整えて、満たして、癒やして、愛して、光いっぱいになった私で、出逢う人たちとエネルギーの循環をしていきたい。