【保健師とは】

初めまして、
東京都出身のAmiiiGoです♡

現在看護師をやめ、産業保健師をしております。
(転職の話はまた次のブログで)

仕事何やってるの?
って聞かれた時に、
「保健師」
と言うと、大体返ってくる回答は、、、

「保健室の先生ってこと?」

(私の肌感では9割が保健室の先生。
保健師がどんな仕事か知っている方は、医療関係者か友達家族に保健師されてる方がいる方)

名前は似ておりますが、
保健室の先生=保健師ではありません。
保健室の先生は「養護教諭」と呼ばれ、養護教諭の資格が必要です。
誤解のないように詳細を言ってしまうと、
保健師の資格を取れば、「養護教諭二種免許」の申請資格がついてくるので、
学生時代に特定の授業を受けていたことを証明すれば、
資格的には保健師の先生をすることもできます。
ですが、現場的に養護教諭一種免許保持者を採用することが多いため、
保健室の先生になりたい場合は養護教諭一種免許をとる方が多いようです。

意外と保健師という存在を知られていないなと感じますし、
先輩保健師を見ていると、
保健師は色々な知識や柔軟な考えを持って仕事をしている
素晴らしい職業だと感じますので、少しでも知っていただきたいなと思います。
まずは、これを読めばなんとなく保健師がどういう場所で働いてどんなことをしているのかわかっていただけるよう、書いていきますね!

(現役保健師の先輩・保健師学生の皆様、万が一間違いがある場合や、
ここも追記して!と言ったことがありましたら、ぜひご指摘・ご意見いただけると大変嬉しいです♡ただし悲しくなるので批判でなく優しくご指摘願います♡笑)

◆保健師とは
保健師は「看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)」という枠組みに入り、上記の保健師助産師看護師法が根拠法です。
「保健師助産師看護師法」の中には
”「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とする者をいう。”
とありますが、はて?と言う感じですよね。

◆資格
看護師の資格を持った上で取ることができる国家資格
(同年度に両方受験することも可能ですが、看護師の国家試験を合格しなければ保健師としては働けません)

◆働く場所
保健所、保健センター等の行政機関、企業、学校、地域包括支援センター、病院や診療所・訪問看護ステーション、健診センターなどなど

ちなみに名称について・・・
働く場所によって〇〇保健師の〇〇が変わります。
行政保健師=保健所や保健センター等の地域・行政機関
産業保健師=企業
学校保健師=学校

私は企業に勤める保健師なので、産業保健師、となります。

◆業務内容
医療的知識・予防的視点を持ちながら、「保健師」と名乗った上で、
人々が健康的なライフスタイルを送れるよう一緒に考えサポートする、
といった感じでしょうか。よく使われる言葉は、「健康支援をする人」です。

看護職の中でも、保健師に特徴的なのは、対象者個人の健康も見るけど、対象者が属するコミュニティ(住んでる地域、会社、組織など)の健康レベルや傾向も見て、必要であればコミュニティ全体にもアプローチをしていくこと。
なぜなら、そのコミュニティの価値観と個人個人の価値観は連動しているからです。(かなりわかりやすく言うと、日本人の食生活と欧米人の食生活みたいなもの)

よく保健師の業界では、鳥の目・虫の目を持ちましょう、と言われますが、
鳥の目=視点をあげて、全体像を見ること(コミュニティ全体の健康状態)
虫の目=個人を捉える(1人ひとりの健康状態)
ということです。

「予防的な視点を持つこと」「コミュニティ全体を見ること」が看護師とはまた違う視点なのかなという気がします。(もちろん看護師も予防的な視点を持ちますが)

◆働く場所によって変わる業務内容
保健師は、対象者がどこのコミュニティに属するかで行う具体的なことも変わってくるので(抽象度上げると先ほど書いたように対象者の健康支援だけどわかりづらい)、具体的な業務の一部の例を書きます。

行政=国民保健加入者の健康診断実施の運営、産前・産後の親への知識普及やメンタルケア、支援が必要そうな方のご自宅訪問、精神疾患や障害を持つ方・またその家族へのサポート、自助グループの運営支援、ご高齢者へ認知症予防や筋力低下予防のための教室運営などなど

産業=企業での健康診断実施の運営、メンタルサポート、過重労働やハラスメント対策、安全衛生委員会の実施、職場環境の整備、社員の方で健康に関してちょっと相談したいなって言う時の健康相談対応などなど

学校=児童・教員への健康診断実施の運営、児童へ保健教育、児童のメンタルヘルスケアなどなど
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よく使われるのが、法律にもあるように「保健指導を行う人=保健師」なのですが、個人的には指導という言葉は合わないなというか、
対象者の健康について一緒に考える、サポーター的存在だと思っております。

また、よく耳にする「特定保健指導」というのは、
このままの生活だと、生活習慣由来の病気(生活習慣病)になっちゃうかも、という方への指導で、保健師が行うことができます。
(医師・管理栄養士も実施可能。令和5年までは条件を満たす看護師もOK)

ちなみに、産業保健師としては、働く方の健康レベルは生産性に関わる大きなところであり、生産性は経営にも関わることなので、時に経営層へアプローチすることがあります。ここに関してはいつか詳しく。

◆保健師の数は?

保健師の数は約5万3000人です。ちなみに・・・
看護師は約120万人、准看護師は30万、助産師は3万6000人です。
(2018年時点、厚労省)

◆産業保健師の数は?

約3300人程です。(2018年時点、厚労省)
保健師全体の6.3%が企業で働いていることになります。

ちょっと情報量が多いかな?
まとめると、保健師は、保健師国家資格を持ち、医療知識・予防的な視点を用いながら、対象者の健康レベルを上げるためにあらゆる形でサポートをする人です♩

少しでも保健師に興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら嬉しいです。

そして、皆様の身近にも案外保健師はいるかもしれません。もし会社や地域の施設にいましたら、ぜひお話してみてください。

保健師をより身近に感じていただけたらと思います^^


参考文献
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/kekka1.pdf
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80078000&dataType=0&pageNo=1