勝手にサイエンス vol.2/タウリンがマウスの老化を遅らせる。人に効くのか?/腸内細菌が性格に関係する/植物は触れられた・離された時を区別できることが研究で判明
タウリンがマウスの老化を遅らせる。人に効くのか?
エネルギードリンクや乳児用調製乳に共通する成分であるタウリンは、マウスの健康を改善し寿命を延ばすことが示されました。ワーム(線虫)の寿命も延び、中年のサルの健康も向上しました。タウリンは人間の体内で生成され、肉などの食品から摂取されます。タウリンが人間の老化を遅らせるかは明確ではありませんが、最新の研究では、糖尿病や肥満などの疾患を持つ人は血中のタウリンレベルが低いことが分かっています。これらの発見は、老化に関する未解明な要素の一部を解明するものであり、追加の研究が必要です。https://www.science.org/doi/10.1126/science.abn9257
腸内細菌が性格に関係する
この研究では、腸内細菌叢と行動特性の関連性を調査しました。研究によると腸内細菌叢の構成と多様性が人格の違い、特に社交性や神経症と関連していることがわかりました。社会的ネットワークが大きい人ほど、腸内細菌叢が多様である傾向があり、逆にストレスや不安が強い人は、腸内細菌叢の多様性が低いことがわかりました。
幼少期の栄養摂取、国際的な旅行経験、食事の種類も腸内細菌叢の多様性に影響を与えることがわかりました。特に、乳製品を摂らない人ほど多様性が低く、天然のプロバイオティクス(発酵チーズ、サワークラウト、キムチなど)やプレバイオティクス(バナナ、レンズ豆、全粒穀物、アスパラガス、タマネギ、ネギなど)を含む食事を摂る人ほど腸内細菌叢の多様性が高くなりましたが、サプリメントで摂る場合は同様の結果は得られませんでした。
植物は触れられた・離された時を区別できることが研究で判明
動物のような神経がなくても、植物は何かが触れたり離れた時を感知できることが明らかにしました。植物細胞は、非常に細いガラス棒の接触に反応して、他の植物細胞にカルシウム信号の遅い波を送り、その圧力が解放されると、はるかに速い波を送ることができました。ある細胞では触れてから30秒以内にカルシウムイオンのゆっくりとした波が、その細胞から隣接する植物細胞に伝わり、約3~5分持続することが確認されました。一方、触った部分を取り除くと、ほぼ瞬時に、より速い波が発生し、1分以内に消滅しました。植物が触覚に反応することはこれまでも知られていましたが、今回の研究により、植物細胞は触覚の開始時と終了時に異なるシグナルを送ることがわかりました。