伊勢のしめ縄飾り
以下に説明書を写しました。
一年中飾る、伊勢型「しめ縄」
伊勢神宮のお膝元である伊勢では、一年を通して店先や民家に玄関軒先にしめ縄をお飾りする風習があります。それぞれの意味を持つ植物で作られています。
藁(わら) 日本人の主食である米に感謝して豊作を願います。
木札(きふだ) 家の安泰繁栄や商売繁盛などを祈ってつけ る守り札です。「蘇民将来子孫家門」「笑門」「千客万来」など記します。
柊(ひいらぎ) 魔物が家に入らないように、鋭い針で退散させます。
垂・四手(しで) 神域を表します。
裏白(うらじろ) 裏まで白い清い心で新年を迎える意を表します。
譲葉(ゆずりは) 新葉が成長して旧葉が落ちることから円満な世代交代を祈ります。
馬酔木(あせび) 毒のある馬酔木で魔物を寄せ付けないようにします。
橙(だいだい) 譲葉と併せて「代々譲る」となります。子孫繁栄を願います。
「蘇民将来子孫門」のいわれ
その昔、旅の途中のスサノオの命が伊勢の地にさしかかった時、日がとっぷりと暮れてしまい、泊まる宿を探すのに困り果てていました。そんなスサノオの命に対して里の長者の巨旦将来は冷たい態度で突き放しました。しかし貧しくとも心豊かな蘇民将来は命をこころよく迎え入れ、出来る限り暖かくもてなしました。
その夜眠りについた命は、夢によって北の国から悪疫が襲ってくることを察知して、蘇民の家に茅の輪を編んではりめぐらせました。一夜明けると、村中どこの家も疫病に倒れたにもかかわらず蘇民の家だけが無事に難を逃れていたのです。蘇民は茅の輪によって救われたことを喜び、命の不思議な力に感謝しました。さらに命は旅立たれる際に「これからどんな疫病が流行っても“蘇民将来子孫家門”と書いて門口に示しておけばその災いから逃れるであろう」と言い残し去って行きました。
以来、蘇民の家は代々栄えて、いつ頃からか伊勢地方では新年のしめ縄に魔除けとして「蘇民将来」の札を下げるようになったといわれています。
『笑門』のいわれ
「蘇民将来子孫門」を縮めた「将門」が、平将門に通じるのを嫌って「笑門」になったといわれています。
※ 京都市祇園、宮崎県高千穂町、熊本県天草市にも、一年中しめ縄をお飾りする風習があるとのこと。
4年ぶりのお伊勢参り。前に行ったのが3月で、お正月飾りがどこのお宅にもそのまま下げてあって、なんでだろうと夫婦で話していた。今回の様に年末に行っていたらわからなかった。二見興玉神社の参道でしめ縄を見ていると地元の方に話かけられた。どちらからと聞かれ「埼玉です」と答えると偶然、その方の息子さんが埼玉川越で就職されていた。早速玄関飾りの事を聞くとこの辺りは家族に不幸がない限りずっと飾っておくとの事。今回の旅行でもその話をすると地元の方がそれが当たり前に育って飾りの橙が落ちてしまったりすると縁起が悪いと拾ってまた元通りに飾ると言っていた。
しめ縄の由来と蘇民の里も教えてもらい今回も訪ねた。神社と道の駅があり直売所も併設されていて地元の方に人気で午前10時過ぎに着いたところほとんど売り切れ状態。
神社には漁師さんが昆布をお供えしていた。
しめ縄の意味、今の日本に必要な事が詰まっている。
読んで頂きありがとうございます。