シアターノーチラス「水槽」

4年半ぶりのシアターノーチラスの舞台。
心待ちにしてました。

数年前に下北沢で「孤独の観察」を見た時に、なんて濃密な会話劇をつくるんだろうと感激し、それから何作品か観劇させていただいていました。

今回の作品も、とても濃密な会話劇でした。
なんなんだろうこの感覚。人間性が浮き彫りにされている会話劇。板の上のキャラクターたちが自然すぎる。本当に、この世界のどこかで暮らしているんじゃないかと錯覚するような。

毎年、夏になると海に出かける家族のお話。

冒頭、なんとなく会話の雰囲気に違和感を覚えていると、なるほど。父親が死んでいることが発覚。しかも、去年海に出かけた時に起こった事故だったと。

でも、それって本当に事故?誰かが意図的に、父親を殺したんじゃないのか?この家族の中に犯人がいるんじゃないのか?

相手を疑うと、自分も他人も、その本性が見えてくる。そこが面白い。

このキャラクターは一体どんな人物なのか?事故の真相は?犯人がこの中にいるのか……?
ミステリー好きにはたまらない、ハラハラ感です。

犯人の独白聞きながら、脳内では「うわぁー、そういうトリックだったかぁ」「え、お前が犯人なのかぁーー!!」「伏線張ってたなぁーー!!気づかなかったーー!!」みたいな感じになってました。

役者さん、マジで全員演技上手い。すごい。この会話劇をこんなに自然に作り上げるのってめちゃくちゃ難しいのでは……。すごいなぁ……。

タイトルの「水槽」ね。一体どこで出てくるんだろう、どんな意味があるんだろうとか思ってたら、うわ、そこか、そこに出すのか、みたいなね。

最後の演出、多分舞台美術を使わなくても良かったんじゃないかな。この役者さんたちだったら、あのまま照明FOでも十分成り立ったんじゃないかな。どうだろ、難しいところですね。

この家族、これから海に行くのかな。
来年は、この先は、一体どうやって過ごしていくんだろう。

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