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Collar×Malice 岡崎契ルート感想

【ネタバレありです】
















共通ルートの時点で「ギャップがあるな、振り回されそうだな」と思ってはいたけど想像以上の厄介男で白目剥いた。

なんかもう古のオタクが自分の癖を盛り込んでつくった最高の男!!!みたいなキャラ造形してて若干引いたよね。
のほほんとしてるのに強キャラ、路地裏で寝る、味音痴、生活力なし、ですよ??属性もりもりすぎるんよ…

そんなヤバ男が自宅だろうが職場だろうがどこにでも現れ「キミは僕が探し求めていた理想の人。四六時中後をつけて守ってあげたい」などと言いぐいぐい迫ってくる。

思想行動だけみるとヤバい奴以外の何物でもないんですけど、あの顔あの声あの語り口で言われると逆らえないんですよねえ…
岡崎くんのストレートな物言いと優しい話し方、好きすぎる~~~!!!

「…だめ?(CV.梶裕貴)」の破壊力よ…
あざかわすぎて「いいよ!!!!!」てなるし「甘えられた方が嬉しいからね?遠慮されたら拗ねる」とか「他の人には頼らないで。キミはオレだけの特別な人だから」とか「ずっと傍にくっついてたいけどそうもいかないもんね」とか

これで付き合ってないってマジか???どういうつもりで言ってんだ岡崎さんよおおおおお!!!!!


と心の中で叫んだ。

LINEのやりとりとか花買ってきてくれるとことか、日常で見せるLOVEも良すぎたし、距離の縮め方も巧みだった。
「僕たち男女の関係です」的な匂わせで外堀から逃げ場をなくしてく岡崎のやり口、正直好き。強引なのに嫌なかんじしないのすごいね??

基本ぼんやりしてるけど戦闘シーンになると途端に頼もしくなるところもギャップだなあと思った。
緊張感に満ちた表情がかっこよすぎるし、新宿苑で傷を受けたシーンではダメージボイスがあまりにも良すぎて家で本気で吠えました。

傷だらけのボロッボロになりながら市香ちゃんを庇い「キミにケガがなくてよかった」と微笑む岡崎くんを見て「まっっっじで命まるごと市香ちゃんに捧げようとしてんじゃん…重…」と思うと同時に、もっともっと傷ついてほしいと思ってしまったよ。彼、色素薄いし血が似合うからしょうがないよね!

岡崎くんは自分の存在価値を証明するためにアドニスと警察、両方から重要視されている市香ちゃんを守り続けていたらしい。
執着心すごいな、向けられる感情が重いな、とは思っていたけど「オレは君を守って死にたいんだ」という言葉を聞いて私の心がさあっと引いた。

側にいたら意味のある死を迎えられそうだから市香ちゃんを守り続けていたということだよね?
市香ちゃんと過ごす和やかな時間もその向こうに死を見ていたということ…?

こわすぎこわすぎこわすぎこわすぎこわすぎ

今すぐ離れてほしい

温和な市香ちゃんも流石にブチ切れ「私のために岡崎さんが死ぬのはいやです。私はあなたに守られたくない」と言い放ち岡崎のもとを去る。

そんな市香ちゃんをしつこくつけまわす岡崎くんと断固拒否する市香ちゃん。頑固×頑固のCPであった。
しばらく追いかけっこしていたが本音の話し合いを経てどうにか和解する。

岡崎くんは「特別な誰かを守り抜き、ちゃんと役割を果たして最期を迎えたい」という願いを抱いてここまで生きてきたらしい。

歪んでんなあ…「守りたい」はともかく「死にたい」はとても重たい。
存在価値のない(と思い込んでいる)自分が職責を果たせず漫然と生き続けていることに耐えがたさを感じているようだった。

このあたり一連のシーンを見て私は「岡崎くんって真面目でまっすぐな人なんだな」と思った。

シビアな判断ができず迷ったことで人一人分の命が失われた。
この事実について岡崎くんは「罪悪感を感じているわけじゃない」と言っていたけどそれは正しくないと私は思う。

これは私の想像にすぎないけど、彼の深層心理の中に「庇われて生きながらえた命だから無駄にしたくない」って意識もあるんじゃないかな。残された遺言に報いて同僚の死に意味を与えたい、的な。
そうじゃなかったら死に方や存在証明にこだわったりしないと思う。岡崎くんって自分のことに無頓着な人だもん。

「存在価値のない自分と向き合いたくなくて逃げていただけだ」って言ってたけど、本当に自分本意ならいくらだって自暴自棄な生き方ができたと思うんだ。でもそうはなれない。
彼の賢さと真面目が生きづらさを生んでいるのかな、と私は感じた。

「共に生きる方法を模索しよう」という結論に達し落ち着く二人。
と思ったら岡崎くんが急接近してきて心臓止まった。

「意識してほしくて言ってるんだよ??」とか「これからもっとドキドキさせるから」とか「キミがおれのこといちばん特別に想ってくれるまで口説き続けるよ。覚悟してね」とかさあもう、、、

さっきまで超絶シリアスだったのに急にそういうことしてくる!!!
数時間前まで好きという自覚すらなかったのに突然男の顔見せてくるの本当になに!!???

生き方拗らせてる上に欲望に忠実なの厄介すぎませんか?!!??好きですけど!!!
岡崎くんとの恋路、精神に悪くて最高に楽しい~~~!!!

「アドニスのアジトに来い、さもないと岡崎を殺す」と脅され、単身で乗り込もうとする市香ちゃん。冥途の土産に岡崎とセックスする(言い方)

あの状況で「(もう最後だから)イチャつきたいです」って言う市香ちゃんも酷いけど、市花ちゃんが敵地に乗り込もうとしていることを感知しながら情事に持ち込む岡崎くんもなかなかすごい。

「キミのことは誰より優しくしてあげたいけど同じくらい困らせたいとも思っちゃう」
「こんな悪いやつに引っかかったのは君のせいだから、諦めてね?」とか
ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい

こんなん…ずるい…
最低だけど最高だ、岡崎契…

清く正しい市香ちゃんが最後の最後に求めるのが自分とかさ、独占欲強い男からしたら夢みたいな光景でしょ、たぶん

期待とともにかすかな悲壮感を滲ませる市香ちゃんと、逸る気持ちを抑えつつ市香ちゃんを大切に抱く岡崎くん。いと趣深し。
シチュエーション最高か……と呻いた。

こそこそアドニスへ向かう市香ちゃんだが当然の如く岡崎くんに見つかる。
不安で押し潰されそうな市香ちゃんを抱き寄せ「どんな怖いものからもオレが守るから」って強く強く言い聞かせてくれる岡崎契!!頼りになる~!!

一方で執着心を露わにする一面も。

「オレはSPだし尾行なんて大得意だしキミの小さな変化だって見逃すはずない」
怖いんよ

「逃げられると思った?拒んだら殺してでもついていくから」
怖いんよ……
 
「どんなものからもオレが守るから。お願い離れないで、逃げないで」
という言葉を聞いて、ほんとうに市香ちゃんがすべてなんだなこの人は…と思った。

SPやれるくらい精神も肉体的にも強靭なはずなのに「市香ちゃんがいないと生きていけない…」ってすがってくるのめちゃくちゃよくないですか!!!

ずーーーっと飄々としてて何考えてるかわかんなかった彼が、なりふりかまわず必死に引き留めてくるとこにぐっときた。
心強さと危うさが良バランスすぎる…


■BAD

岡崎くんの目の前で市香ちゃんが撃ち殺される。
これは発狂不可避だな、ここで苦しみ嘆きながら死ぬんだな、岡崎…と思っていたら「”生きてほしい"と言ってくれた彼女の意思を汚したくない」と自死をためらっていたので驚いた。

このシーンで改めて思うのは岡崎くんの本質は至極真面目でまっすぐなんだな、ということ。
安易に命を投げ捨てること=市香ちゃんと過ごした日々を否定することになる、そんな考えが働いたのかな。

耐え難い喪失を前に思考を働かせることができるのはSPとしての性だと思うし、後悔と絶望に苛まされながらも感情に身を任せられないところが難儀だなあと思う。
彼、歪んでるし危ういところも多いけど狂人ではないよね。
理性を手放し死を選ぶほど馬鹿にも幼くもなれない。

市香ちゃんのために生を選ぼうとする岡崎くんに対し黒幕さんが追い打ちをかけにくる。
「私に殺されれば免罪符になりますからね。戦い抜いたうえでの殉職。名誉の死。…それがあなたの望みです」
と言い放っていて、それ以上の死体蹴りはやめて差し上げろ…と思った。

岡崎くんの生死はぼかしてあったけど、「キミと生きていたかった」という最後の文章と仄暗いエンドタイトルを見るに彼は死を選んだんだろうなあと思う。市香ちゃんも約束も守れず空虚な栄誉だけが残ったのかな、と思うとやりきれないね…

■中途エンド

中途BADの数と理不尽さに思わず笑いがでた。
岡崎くんの意に沿った言動をとらないと速攻切られて破滅に向かうのだということがよくわかったよ…
アドニスより岡崎くんの方が怖い説、あると思います。

凶弾に倒れた岡崎くんが市香ちゃんに介抱されながら「こんなのオレが望んだ死に方じゃなかった、オレが守るべきなのはキミじゃなかった」と言いながら死んでいくエンドが辛すぎた。
岡崎くんのことよく知らないままだったら「なに言ってんだこいつ」で終わったんだろうけど、岡崎くんの思惑を知ったうえで踏んだので無事致命傷を負いました。


■TRUE

市香ちゃんに庇われ動揺するシーンも自己嫌悪に苦しむシーンもとてもよかった。
好きな人が自分を守って死ぬ、それがどれだけ辛いことか身をもって知った岡崎くんは二度と「キミを守って死にたい」だなんて言わないだろうな。

頑固かつ厄介な拗らせ方をしてる岡崎くんを光に導ける市香ちゃん、女神だなあすごいなあって思うんだけど、考えてみたら市香ちゃんは何も変わっていないんだよね。
最後まで一貫して、一生懸命でまっすぐで誰かのために必死になれる子だった。

岡崎くんの
「どっかにずっと閉じ込めてたい」
「24時間監視したい」
発言には笑いましたww
言いそうで言わないなと思ってたけどやっぱり言った!!!!!
冗談ってわかってるけど冗談だと思えない雰囲気があるからあんまり言わない方がいいと思うよ!w


■ボイスレコーダー

岡崎くん26歳だったんだ…思ったより上だった…!!

好きな女性のタイプ「抱き心地がいい」ってあんまりじゃない???笑
市香ちゃんに出会うまで、女というものをどう見ていたのかよくわかりました。

関係が進展した途端に手を出そうとしたあたりから薄々感じてたけど、これを見て確信した。こいつはあれですよ、下半身でわからせてくるタイプ。
他の男に目がいかないよう教え込んでがっちりホールドしてくる人ですね、察しました。

市香との距離の縮め方、どこまで計算なんだよお前~~!!!って思ってたけど、たぶんほとんど計算でやってたんじゃないかな。
嘘つくのに抵抗ない人だし天然張れるほど馬鹿じゃないし経験豊富そうだもん、岡崎くん

同僚が亡くなった事件をきっかけに歪んだ思考に囚われてしまったようだけど、それ以前から闇抱えてそうだなって思った。
趣味は読書、DVD観賞、睡眠と一人で簡潔できるものが多いし、心のATフィールドめっっちゃ厚そう。
そのへんがFDで語られるのかどうか…いや、岡崎くんのバックグラウンド知りたくないな。たぶん虚無しかない。


以上です。

私の好きなタイプは自立してて自分の幸せのために頑張れる人なので、岡崎くんは刺さらないと踏んでたんだけどそんなことはなかった。

岡崎くんとの恋愛、ずっとふわふわドキドキしてて心が落ち着かないし、こいつはヤバい安全地帯のはずなのに危険だ…と思いつつも気づいたらズブズブと沼に引き込まれてました。

岡崎くん(と制作陣)の手中でまんまと踊らされるの楽しすぎる~~!!
無邪気で優しいのに強引で執着心が強くて肉体派とか何事??
バランスが神すぎる…あまりオタクを狂わせないでください!!!!

こんな無茶苦茶男がストーリーに違和感なく説得力をもって組み込まれているところがすげえよ、カラマリ…


【悲恋エンド後日談を読んだので追記】

まさかあの死にたがりの岡崎くんが「生きる」選択をするとは…

「キミと生きていたかった」という最後の文章と「冷たい指と悪魔のささやき」エンドタイトルを見るに彼は死を選んだんだろうなあと思っていたので意外だった…!

事切れた冴木くんを執拗に撃ち続ける岡崎くんが怖すぎた。
カラマリで一番怖い人、岡崎くんだよ…
中途エンドではあっさりと市香ちゃんを見限るし、どこまでもついてきてとんでもない執着見せてくるし、キレたときの感情の振り切れ方が恐ろしいし…

優先順位をはっきりつける人だからこそ、一番大事なものに寄せる想いが強いのかもしれない。
たぶん、願いを叶えるためにあらゆるものと真摯に向き合ってるんだと思う。
だから大切なものを傷つけたり奪おうとするものに対して容赦がないんだろうな。

岡崎くんが「生きる」という選択をしたのは、市香ちゃんを失ってはじめて「死んでほしくない」と言ってくれていたその想いに同調できたから。

大切に想い想われていたことを骨身に染みて理解して、大好きな市香ちゃんが自分の生を望んでくれたから、岡崎くんは生きることにしたんだよね。本当は死ぬほどつらいのに。

岡崎くんはこれまでずっと自分の願いを叶えるために生きてきた。
SPになったのは「守る」という職務に意義を覚えたから。任務に忠実なのは「警察」という組織が岡崎くんに居場所を与えてくれたから。市香ちゃんを守りたいのは「大事なものを守って死にたい」という気持ちがあったから。

一貫して自分のために生きてきた岡崎くんが「市香ちゃんのために生きる」という道を選んだの、めちゃくちゃよくない??

岡崎くんは「市香ちゃん好きだよ…この想いはずっと変わらない。」って言ってるし、市香ちゃんに必要とされて市香ちゃんのために生きる、というスタンスはこれからも変わらないんじゃないかな。

失って初めて気づいたというのがあまりにも切ないけれど、市香ちゃんの想いが届き、愛し愛されていたことを自覚できたという点においては、少しだけ光が見えるエンドだなって私は思った。

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