ピオフィオーレの晩鐘1926 アンリルート感想
【ネタバレありです】
ニコラ→オルロック→ギルバート→オルタナ(大団円以外)→アンリ
の順で進めています
「自分と一緒にいることはリリィの幸せにならない。早いうちに手放さなければならない」と思っているアンリと「ずっと一緒にいたい、アンリの心を支えたい」と願うリリィ…
相手を尊重しているがゆえに踏み込めない二人がとにかく切ねぇ~~~~!!!
この設定だけでご飯3杯食べれそう!
と思ってたんですけど平和な日常が続くはずもなく…
フランスの家での惨劇はオルタナを彷彿とさせる展開で心が死んだ。
背景CG、気合い入りすぎじゃないです…?血糊が怖くてずーっと薄目でプレイしてました。
そしてちょっと察してしまった。
私、 知ってるんだ…アンリのバッドがどえらい鬱展開だって噂を。
ピオフィはグロさ起因のCERO:Dだって聞いた時から怯えてたけど、皆殺しエンドもありえるぞ!このルート!夜にプレイしたら後悔するやつだこれ!!と震えました(そしてその予感は当たった)。
紆余曲折あってブルローネに戻る二人。
「突き放さなければ」と思いながらもリリィを拒みきれないアンリの葛藤に悶え転がった。
アンリはさあ~「あなたに恋愛感情抱いてませんよ」みたいな顔しながらリリィのことを女の子として大事に扱うの、ずるいと思う。
声が優しくて雰囲気が柔らかくて落ち着いてて賢くて…とにかく大人の男の魅力だだ漏れで、私は不覚にもアンリにメロメロになってしまった。
人心掌握に長けたアンリが女の子の扱い下手なわけないよな。でも「触れてはいけない」って思いながら思わせぶりな態度をとるなんてどういうつもりなの!?あまり私のこと惑わせないでよ!!
自分の気持ちを覆い隠そうとしているアンリとは対照的にリリィは一貫して素直で、アンリに対して大胆に踏み込んでいたのがよかった。
周囲の人間が万全の体制で守ろうとしても、理屈なんて全部飛び越えて好きな男のもとに走る女なんですよリリィは!好き!
「アンリを支えたいから」といった理由ではなく「置いていかれて寂しかった、一緒にいたい」と我儘をとおしたからアンリの傍にいられたんだと思うし、誘いをかけるシーンは「あの奥手のリリィがアンリを元気づけるために一線を飛び越えようとしている!!がんばれ!!!」って超応援した。
あのリリィが頑張るシーン、スチルが美しくて超好き。
ストーリーの臨場感と相まって最高にドラマチックだったんだけど、アンリに「男を慰めるためにその身を差し出す必要はない」と冷静に諭され呆然とした。
アンリの気持ちはわかるけどさあ~、女の子として大事に扱ってきたのに、いざそういう雰囲気になると「離れて欲しい」はひどいと思う。
子供扱いするような言葉選びも卑怯。
この態度がリリィを守るためだってことも含めてずるい。悪い大人ですこの人!!
そんな事情も知らずに「やぁ!ひどい顔だね!昨日は遅くまでお楽しみだった??」って聞いてくるニコラにめちゃくちゃ笑った。
夕暮れのデートから寝室に至るまでの一連の流れも本当に好き。神シーンだった。
お互いを大事に思うがゆえに一緒にいることを諦めようとしていた二人が、想いを伝えあい結ばれる…エピソードとして美しすぎる。
ピオフィの全場面の中で一番好きかも。
「あなたの迷惑になりたくないからあなたのことは諦める…でも本当に好きなの、こんなに好きなのはアンリだけ」って涙ながらに告げるリリィを見てアンリがついに折れる。
アンリって本当にリリィの涙に弱いよなぁ…自分のことで泣いているリリィに対して、申し訳なさだけじゃなく愛しさも感じてそう。泣いているシーンで毎回リリィに触れてる。
「自分ではリリィを幸せにすることができない」と言いながらも傍にいて欲しいと願ってしまうアンリ。
あんなに苦しげで切なくて想いのつまった「きみが好きだよ」
ある?
素直な心で愛を伝えあう二人のエモさ加減に感情が爆発してめちゃくちゃ泣いてしまった。
寝室のシーンは結ばれるまでの心の動きがこれでもかってくらい丁寧に描写されていて、また号泣。
相手のために自分の気持ちを押し殺してしたきた二人が!やっと素直になった!よかったねぇ~😭ってなった。
それにしても、アンリって今まで相当我慢してたんだね。
理性を手離したアンリの爆発力がすごくてびっくりしちゃった。
「私は君が他の男に抱かれるのは嫌だ」とか「もっと狂わせて君を暴きたい」とかまじでパワーワードが多くてさあ…
普段は抑圧している感情がぶわっと出てきて完全にブレーキ効かなくなっちゃってるところに雄みがあり大変よきでした。好きです!アンリ!
その後はアンリがセバスを手にかけエンディング。
姉の遺骨を粉砕されてなお、笑顔で淡々とセバスを追い詰めるアンリがめちゃくちゃ怖かった。
セバスを苦しめるためとはいえ自分の激情を隠してニコニコと拳銃を向けるアンリは歪んでると思うし、改めて底知れない闇を感じた。
アンリは「リリィの存在が生きる理由だ」みたいなこと言ってるし依存心がかなり強め。リリィに入れ込むだけじゃなくて他の楽しみも見つけて欲しいし、生来の賢さを自分のために使ってくれ…と思った。
■ニコラについて
このルートのニコラはなんであんなにいきいきしているんだ…
1926はニコラ不在のルート多いからなぁ~出番多くてうれしいなぁ~と思ってたんですけど、アンリのスチルにまで出てきてさすがに笑った。
幼少期のスチルかわいかった。
しかし、この天使二人がゆくゆくはたくさんの人を殺す人生を歩むことになることを思うと辛すぎるな…
アンリにとって安心できる場所が教会だったってのも心にくる。昔は神様のこと信じてたんだね。
アンリとニコラが幼少期にがっつり絡みがあったの意外だった。
孤独なニコラが心を許していた唯一の相手がアンリだったとは…
アンリとニコラって話し方似てるよね。
二人とも二人称「君」だし語尾が柔らかい。
互いに言語を教えあった仲だから話し言葉が似てるんだとしたらすっっごいエモくないですか?めちゃくちゃ心通わせてるじゃん…
もしかして。
ニコラがダンテに対して「お兄ちゃんって呼んでもいいよ」って言ったのはアンリに「ぼくが君のお兄ちゃんになってあげる」って言われたのが嬉しかったからなの…?
ニコラがダンテのことを弟のように思う気持ちがアンリに起因してるなんて!
なんなんだよこの因果関係は!!!!!
ファルツォーネの屋敷でクロエからも放置されがちだったアンリはニコラのことを大事に思ってたし、共に過ごす時間を楽しんでたんだと思う。
それを踏まえた上で、無印ニコラのバッドとギルバートルートでニコラを陥れたときのアンリの心を考えるともう…
アンリ、弟のように思ってたニコラのこと陥れてるじゃないか…
立場が変わってしまったとはいえ、姉思いのアンリがニコラに手をかけることをなんとも思わなかったわけがないんだよな。アンリって罪を罪と認識できる人だもん。つら…もうやめよ、この話…
■バッド
バッドのことは正直思い出したくない…
少しずつ日常が欠けていって、じわじわと真綿で首を絞められるような恐怖演出におののいたし、理性がぶっ壊れたアンリが怖くてキモくてとにかく最悪だった。
極めつけにブルローネマフィア全員をいたぶるように殺す演出よ…
あの殺し、アンリが全部プロデュースしてるんでしょ?
ご丁寧に一番嫌がるような殺し方を選んでるよね。
ダンテをいたぶり殺してニコラは釈放するとことか最高に悪趣味だと思った。
あれをアンリにやらせるピオフィの製作陣には人の心がない!!!
そうそう、バッドのスチルのCGコメントもみたんですけど
「君の身体中に痕を残したい」
「嫌がる君を閉じ込めて二人で溺れていたい」
などといった発言があり、
アンリはナチュラルにヤベエ趣向をもった奴なのでは…と震えあがりました。
「リリィは自分のものだ」って目で見えるかたちで実感したい願望があるのかな…?
アンリのこと、大人で落ち着いてて知的で紳士的な男だと思ってたのに、こんな激重感情を隠しもってたなんて!!!
怖い!!怖いです私!!!!
先にトゥルー踏んでよかった…泣
バットを先に見ちゃってたらトゥルーみても素直に「よかったねぇ~」って思えなかったかも。
アンリはよく「私はろくでもない男だ」って言ってるけど割とガチめにろくでもなかった…!!
とまあバッドのアンリはアレで色々と荒ぶってしまったんですが。
トゥルーのアンリは相当好きだったので、もう1回トゥルーをやってバッドの記憶を上書きしたいと思います。
おわり。