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十和田バラ焼き
東北のうまいものvol.4【食事処・桂月】
奥入瀬渓流の美しい自然に心が洗われた後、罪深き佐藤は、どうしてもジャンクなものが食べたくなりました。
これだから、いい年をして、独身なんだよなぁ。
青森県十和田市。奥入瀬渓流の入口(出口)にある「食事処・桂月」で、『十和田バラ焼き』を食べました。
バラ焼きは十和田市の名物ということになっていますが、その発祥はお隣の三沢市。
戦後に三沢市の食堂が、米軍基地払い下げの牛バラ肉と残り物の玉ねぎを焼いて、安く提供したのが、その始まりと言われているそうです。
アメリカが持ち込んだのは、チョコレートと民主主義だけじゃないんですね。
いかにも昭和の食堂といった風情が渋いですね。そして、「ドライブイン」という黄金の響き。たまりません。
ご飯のワンパクな「盛り」がいいですね。
お店によっては、生肉が運ばれてきて、客がセルフで焼くパターンもありますが、こちらのお店では、調理済みのものが運ばれてきました。
ちょうど「焼き肉」と「すき焼き」の中間ぐらいの感じ。甘辛な醤油ベースの味付けは、日本人なら、そして男子なら、誰しもが好きなはず。
卵が付いてくるのは、この店のオリジナル。
少し塩気の強いタレなので、よい塩梅に中和されます。(少しボヤけていて、すみません)
「斬新か?」と言われれば、そうでもない。
「絶品か?」と聞かれても、そこまででもない。
初めて食べたのに、懐かしいような、馴染み深い、想像通りのお味です。
でも、この不誠実な世の中で、自分が望んだものが1ミリの狂いもなく、提供されるのは、やはり何と言っても素晴らしいことなのです。
(「バラ焼き定食」1,080円)