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しろの雫

東北のうまいものvol.3【民宿坂井荘】

菅江真澄という江戸時代の著名なイラストレーターが、秋田県のとある農村を訪れた時のこと。

その酒宴の席で、村人たちの飲みっぷりに、いたく感激。

「飲むほどに、酔うほどに、冴えて候ふ」

と誉め称え、村人たちに「賢人」という名を与えたという伝説が残っています。

僕は秋田県の生まれですが、それほど酒も強くなく、また(残念ながら)賢くもないです。

ただし、良い酒の定義については知っています。

それは

「飲めば、飲むほど、飲みたくなる」

ということです。

まさに「能書きはいらないぜ」って感じですね。

そして今回、岩手県雫石町の道の駅「あねっこ」で出会ったのが、民宿坂井荘自家製のどぶろく『しろの雫』です。

このどぶろくを販売しているのは、その民宿と道の駅の2ヶ所のみ。

岩手山麓の湧水から丁寧に作られたお酒の味は、濃厚にして清澄。

米の旨味と爽やかな酸味が印象的です。

飲み終わった後のグラスの縁の白濁を眺めながら、「もう一杯いただこうかな?」と自分を甘やかしてしまいます。

そうそう、これこれ。
難しいことは何もありません。
心を開いて、耳を澄ませばよいのです。

しろの雫(300ml)…648円(税込)

【附記】
ちなみに冒頭のエピソード。実際に秋田県の蔵元では、「賢人」と名付けられたお酒も売っています。清酒ですが、こちらも美味しいですよ。

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