自慢。
先日スーパーの階段で見知らぬおばあさんに声をかけられた。
「そこのお兄さん。荷物を持って上がるの手伝ってくれんか?」
快く引き受け、荷物を持つ。
エレベーターが階段と反対側にあるので、歩くのも遠いのだろうと思いながらおばあさんに合わせて登っていると、
「お兄さん、良い男ね。私が若い時代でも十分モテモテよー」
なるほど。
よく、吉永小百合さんの若い頃の映像を見て、
「平成とか令和でも十分通用する美人だなあ」
とか思うことはあるけどそれと逆パターンか。
俺は令和の石原裕次郎か。
あんなごつくないからどちらかと言えば、ひ弱い頃の三島由紀夫か。
長い時を生きてきた女性に良い男と言われるのは、深みのある出汁を飲んでいるようで味わいは上々だ。
「ありがとうねー。」
まあ、手伝ってあげたお礼のお世辞かもしれないが、姿勢に少し気をつけるようになった出来事だった。