SPC的9の音粋 昭和ポップスをJ-PopにしてみたVol.3
こんにちは!いかがお過ごしでしょうか?
「昭和ポップス倶楽部的9の音粋(SPC俱楽部的9の音粋)~アフター~」ということで第3弾です!
昭和ポップス俱楽部については以下より
前回に引き続き「昭和ポップスをJ-POPにしてみた」ということで、お送りしてみました。以下は前回の編集後記。
今回は前回予告していたとあるユニットの話でした!
1回分(100分くらい)で終わるかなぁと思っていましたが、どうやら問屋が卸さないようで。。。
今回は前編後編の二本立てで行いました。
とはいえ、「○○の特集をやるよ!」と言って中途半端に前編後編に分けるのも面白くないですし、間が空いてしまうので前編ではだれの特集をやるのか伏せた状態でその周辺についてお届けしました。
編集後記なので先にネタバレしておくと、今回はPSY・S(1985-1996)の特集でした!
前編のスライドはこんな感じです!
そして後編はこんな感じ。
さて、どんな伏線を前半で張って後半につなげたのか書いていきます!
そもそも、雨玉はプレゼンを作る際に、中心となる人物・ユニットを決めたうえで徹底的にリサーチをするという形で作っています。仕事しながらなので2か月くらいだらだらとリサーチしてますね。
アーティストの場合は、シングル・アルバムは全部リサーチしたうえで、プレゼンに落とし込むときは、デビュー曲から歴史を追っていくということをやっています。他とつなげるための作業としては、作詞家・作曲家・タイアップ・メインのアーティストの楽曲提供曲あたりからストーリーやメインのアーティスト以外の楽曲を紹介を構成していきます。
今回のPSY・Sも例によって、デビュー曲から触れていったのですが、デビュー曲のPVとデビューシングルと同時リリースのアルバム「Different View」の作詞家を紐解いたところで、「これは1回では無理だ(爆風スランプ(笑))」と思いました。(以下はプレゼンの流れと伏線の回収を丸数字でご紹介)
①前編の最初にかけたのはGLAY「誘惑」、ドリカムの「何度でも」
この二つに共通するのが、映像作家の中野裕之さんが監督をしていたということでした。中野さんがPSY・Sのデビュー曲「TeenAge」のPVも作っていたところからの選曲でした。
この中野さんはDeeeLiteのデビュー曲のPVの監督として、MTVアワードに日本人初でノミネートされています。
②DeeeLiteの初期メンバーにいたのがテイトウワさん。テイトウワさんといえば、NHKFMで放送されていた坂本龍一さんのサウンドストリートにデモテープを投稿していたことでも有名です。そして、PSY・Sの松浦さんは坂本龍一さんの後にサウンドストリートの火曜日パーソナリティを務めていました。
そこからNHKの番組の紹介をしています。
③まず挙げたのが、坂本龍一さんの流れからOP・EDを坂本龍一さんが手掛けたNHKの「YOU」
ここについては後半のプレゼンでは、松浦さんがゲーム「パラッパラッパー」を手掛けていたこととPSY・Sのデビュー時のプロデューサーが岡田徹(ムーンライダーズ)であったことから、糸井重里×鈴木慶一(ムーンライダーズ)の「MOTHER」を紹介しましたが、④もう一つNHKのYOUから触れていない伏線がありました。
NHK「YOU」はソリトンやトップランナーへと続く若者向けトーク・教養番組でした。YOUの後に始まったのが「土曜倶楽部」という番組だったのですが、実は土曜倶楽部のOPはPSY・Sが手掛けていました。
⑤⑥⑦本編では、YOUからステージ101というNHKの音楽番組を紹介しています。ステージ101はレッツゴーヤング、平成でいえばポップジャムにつながる音楽番組でした。
ここは、PSY・Sデビューアルバム「Different View」の作詞家を紐解いた時のに入れようと思った流れでした。「Different View」にかかわる作詞家はCHAKAさん以外に、サエキけんぞうさんと高橋修さんというお二人でした。
高橋修さんはFOXという名義で作詞もしています。後編で話しましたが、高橋修さんは千葉のアーティスト集団「パノラマアワー」の一員で、同じく活動していたのが、戸川純さん・上野耕路さんとともに「ゲルニカ」を結成する太田螢一さんでした。そしてサエキけんぞうさんは上野耕路さんらとともに「ハルメンズ」として活動していました。(書いていて人のつながりが巡りすぎて怖い)
ステージ101を紹介したのは野宮真貴さんがステージ101を見て歌手になりたいと思ったからです。いきなりピチカートかと思う方もいるかもしれませんが、野宮真貴さんはムーンライダーズの鈴木慶一さんプロデュースでソロデビューそしてすぐに「ポータブルロック」としてデビューします。ポータブルロックに詞を提供していたのも高橋修さん、そしてポータブルロックのギター鈴木智文さんはポータブルロックの前に「8 1/2(ハッカニブンノイチ)」というバンドに所属していました。この8 1/2の一部メンバーはサエキけんぞうさんがいた「少年ホームランズ」のメンバーと合体して「ハルメンズ」を結成します。そして野宮真貴さんも戸川純さんもハルメンズのゲストボーカルだったという話。マジすごい。そしてさらに戸川純さんはゲルニカ活動休止中にヤプーズとして活動。ヤプーズのオリジナルメンバーとして戸川純さんとともに現在も残っているのはベースの中原信雄さん。で、中原信雄さんはポータブルロックのベースでもあったという恐ろしい事実!!!
前編ではこの辺りをメインとして話しましたが、PSY・Sとの伏線としては、サエキけんぞうさん・高橋修さん・ムーンライダーズの3つとなります。
このゾーンからの脱出口はムーンライダーズでした。鈴木慶一さんが若手のオムニバスアルバムとして「陽気な若き水族館員たち」をリリースしています。その中にポータブルロックもいました。そのほか収録のアーティストに⑧「MioFou(ミオフー)」というユニットがいました。鈴木慶一さんの弟でありムーンライダーズのメンバーだった鈴木博文さんと美尾洋乃さんのユニットでした。この美尾さんはPSY・Sのサポートメンバーである「Live PSY・S」のメンバーでした。そこから前半ではMiofouからLivePSY・Sのメンバーがかかわる楽曲をかけていました。
⑨⑩さらにそのあとにハウンドドッグの「ff」やTMNの「Come On Let's Dance」などをかけました。ハウンドドッグの「ff」は松尾由紀夫さん作詞、「Come On Let's Dance」は神沢礼江さん作詞ということで両者ともPSY・Sの楽曲に作詞しています。
松尾由紀夫さんがPSY・SにかかわったのはCHAKAさんが下記のように書いています。
中川勝っちゃんとは中川勝彦さんのことで、中川翔子さんのお父さんになります。
⑪それから、ステージ101の流れを組むNHKの音楽番組に、3年ほど続いたJust Pop Upというのがあります。そのJust Pop UpはPSY・Sがテーマ曲を作っていました。
その他、隠れた小ネタですが、後編の休憩時間にはCM2本とPSY・SのWake upをかけました。
CM2本は下記です。
チキンラーメンにフリスキーと耳馴染みのあるフレーズかと思います。
このメロディを作ったのは、ムーンライダーズの鈴木慶一さんの奥様であった鈴木さえ子さんでした。前編でかけたポータブルロックの「春して、恋して、見つめて、キスして」は作詞鈴木さえ子、鈴木慶一、作曲は鈴木さえ子という組み合わせでもありました。
とまあ、これだけ伏線を張って回収することもないかなと思ってはいますが、まあ調べていて人間関係のグルグルがすごかったですよ笑
ある意味ここまでが、本編ですが今回のプレゼンで伝えたかったのは、PSY・Sとは、松浦さんのサウンド(90年以降の打ち込みから脱したサウンド含め)とCHAKAさんのボーカルの奇蹟的な組み合わせのユニットであったことでした。
サエキけんぞうさんが、サイズの解散に寄せたコメントで、
と語っているところが本質だと思っています。
CHAKAさんが仕切りにTwitterで、もうPSY・Sはやらないと語っていたところの危機感から、一刻も早くPSY・Sを世に伝えたいと思ったのが、今回のプレゼンの動機になりました。
PSY・S是非聴いてみてください。