アメリカのインターン生から聞いたアメリカの住宅事情
こんにちは。
アメリカのインテリアショップ”アシュレイ”でリモデル事業をしている深井です。
もう7月のことだけれどアメリカよりインターンとしてきてくれた高校生から学んだアメリカいまの住宅事情を、日本の住宅事情と比較してみて感じた違いをnoteに書き留めてみました。
ハンナのこと
先日アメリカシアトルより17歳の高校生ハンナがインターンとしてアシュレイのお店に来てくれた。
ハンナは17歳とは思えない気配り力とコミュニケーション力の高さを待ち合わせており(それでいて全米の陸上大会で36位だったりピアノがひけたりする)、その一方でちいかわが好きだったり、時々眠そうにしていたりとそんな一面にほっとするほど、彼女の普段の行動には刺激をもらうことが多かった。
きっかけは会社で加盟させていただいている輸入建材の協会を率いる菊池さんのご紹介。ハンナのお父様は日本人でアメリカでリモデル事業をされており、コロナ禍で業績を伸ばした企業として取材を受けたり、建築業ををより効率よくしていこうとパッケージ化されたリモデルをされたり、建築教育の主宰をされていたりと、シアトルでご活躍されている素晴らしい事業主なのだ。
アメリカの住宅事情
話は変わるがアメリカでの住宅売買は中古住宅市場が約7-8割となる。日本とは考え方が全く異なり、人生のライフステージに合わせて住まいを変えていく引越しが多い文化でもある。
しかし近年アメリカにおいては、資材の高騰や熟練職人の不足(日本も深刻)、それに加えてインフレに住宅ローン金利の高止まり、住宅価格はどんどんと高騰していて一部のハイエンドな方々を除いては住宅売買において決していい状況ではない。
ハンナも”今のアメリカで私たちの年代がこれから家を持つことはとても難しい”と17歳ながら話していた。
アメリカでの政策
前置きは長くなったが、これらを踏まえて近年都市部では住宅の規制が緩和がされたそうだ。手頃な価格で家を探すことが難しくなったため、それぞれに所有する土地を有効活用し“自宅内に離れ”を作ることができるようになった。その方は2種類ある。
ひとつはADU(Accessory Dwelling Unit)という日本でいうなら2世帯住宅のような作りにすること。同じ家の中にキッチン、トイレ、バスを設けて、高齢の両親や家族と住み分けをしたり、賃貸やゲストハウス、ホームオフィスとして貸し出し賃貸収入を得ることができる。
もうひとつは完全に独立した家を敷地内に建てるDADU(Detached Accessory Dwelling Unit)という方法。目的はADUと同様。
適正な価格で土地をみつけて家を建てたり売買することが難しい状況の中で、多くの都市例えばカリフォルニア、シアトル、ポートランド、オレゴンなどでこういった”離れ”の建設が推奨されているようだ。そして州の政策のため税制優雅もされる。
日本では
一方日本ではまだまだ新築住宅の割合が多く、割合はアメリカの逆で新築は8割以上、中古住宅は2割を切るという市場だ。それでも近年はホームインスペクションも浸透して安心して購入に至る流れや、補助金制度もあったりと徐々に変化してきていると思う。
ただ今回のアメリカの話を知ったことで、中古住宅を活性化したり今ある住宅を有効活用していくには政策として優遇される流れがあることが羨ましく思った。
アメリカ同様リノベーション市場が8割のイギリスでは古い建材を使うと税制優遇が受けられたり、またアメリカも古い建材が集まりそこから資材を調達できる仕組みがあるそう。(これはまだしっかりと調べきれてないのだけれど)
日本では新建材と言われるリーズナブルで施工性がいいものたくさん出ていて、それはそれでメリットとする見方もある。ただ長期的に見た時にそれらはあまりにもサスティナブルではなくて、今後より中古住宅市場が活性化していったときに使う建材や素材を踏まえた仕組みや税制対策があるとより住宅デザインがよくなりメンテナンス性も良くなるのではないのだろうかと感じている。
とはいえ現実で日本の政策が変わるわけではない。
現状で窓以外の輸入建材を使うことはデザイン的なメリットのみだが、好みのデザインや空間を実現することは快適に住まうための重要な機能性のひとつだと思い空間作りに携わっているし、そういった空間を価値として高めていけたらと本望だと思う。
最後に
今回インターンにきてくれたハンナがショールームのショップツアーを取ってくれたのがハッピーで最高だったのでよければご覧ください♡
もし最後までお読みいただいていたら感謝です。
ありがとうございました✨
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