見出し画像

ラグジュアリーブランドから学ぶサスティナブルへの取組み

こんにちは!アメリカインテリアショップでコーディネーターをしている深井です。

先日スイスのラグジュアリーファブリックブランド、クリスチャンフィッシュバッハさんでお打ち合わせをしてきました。
憧れのフィスバ。いつかはご提案をさせていただく機会があればいいなと思ってはいましたが、まさか本当にできるとは、、(まだ提案しかしてないので気が早いけれども)

思い起こせば2019年、観世能楽堂で200周年のレセプションパーティーに参加させていただいてからというもの、フィスバの提案するものづくりへのこだわりと打ち出される世界観、それを表現する技術とプロダクトへの思いに感動したのです。

とほぼ一方的な片思いのような状況でショールームを訪れてまいりました。

そこでフィスバさんを通して知ったサスティナブルなものづくりの“いま”をレポート。
インテリアから見える世界情勢をまとめてみました。

Nomadic Journeys

ノマディック ジャーニー

眺めているだけで楽しい色使い

「私たちは皆、かつて遊牧民だった」
自然と密接に繋がり、季節のニーズに応じて場所を絶えず変化させるライフスタイルであるノマド。
自然の色合いであるアースカラーを取り入れ、ヤクアール(ヤクは高山の牛)、麻などと天然繊維から作られたこの美しいカラーパレットが今年のフィスバさんを代表するコレクション。

写真左上のカラフルなファブリックはデザイナーさんが15分以内に作ると決めてデザインされたデザイン画をもとに生地に仕立てたもの。ヘリンボーン織りのエレガントな生地にカラフルなデジタルプリントが個性的。現代の文明と手仕事を融合したような今だから表現できる生地の素晴らしさを感じるファブリック。

ラグもウールの手織り 
自然のものから作っているのにトーンが均一なことに驚く


ブークレとベルベットのクッションがかわいいすぎる!


ヤクウールのブランケット
写真でも柔らかい質感が伝わってきませんか?

ここで使われていた“ヤク”についてスタッフの方に教えていただいた。もともと高山(調べたらチベットやインドのカシミールの標高4000-6000mの山岳地帯とのこと!)にいる牛の一種。

ヤク Wikipediaより

このヤクの生態がとてもサスティナブル。食料である植物を食べ尽くすことをしないのだそう。少し残しておいて次の繁殖を待ちまた食料にする。ひつじは草を食べ尽くし放牧先を転々とする必要があるという反面、この生態だからこそ定住ができると。なんでも使いすぎてしまう定住民族となった現代の私たちにもとても学ぶことがあるなあと。

ただこのヤク、温暖化の影響で下の方にいるヤクがどんどん上の地域に移動してきてしまい、このサスティナブルな環境が崩されつつあるという実態もあるそう。インテリアに携わっていていると、世界の抱える問題や課題がインテリアアイテムによって疑問の投げかけや、解決策が提示されてくる。

普段自分のとても狭い生活圏内でしかものごとを考えられないので、ふとこうして手に取った情報から世界の背景に視野を広げて考えさせられることが多い。忘れてはいけない現実をインテリアを通して学び触れる経験を大切にしたいと思っている。


リサイクルポリエステル

今でこそリサイクルペットボトルからできた素材が身近に感じられるけれども、フィスバさんは15年以上前からこの取組を行なっているそう。

ただフィスバのリサイクルポリエステルはとてもさりげないのだ。「あ。素敵な生地♡」と思いきや素材がリサイクルポリエステルだったりする。
サスティナブルを掲げたいばかりに声を大にして提示されたものもたくさん見るし、フィスバにいるからそう思わせてしまうマジックも“ゼロ”ではないかもしれないけれど、素材を生かしプロダクトに使命感を持って作られた生地はただただ美しい。

柔らかい色と質感の綺麗なレース生地 

ちなみに今回のご提案ではこのリサイクルポリエステルから作られたラグを提案。これもデザインイメージにとても似合う!とカラースキームとデザインイメージに沿って選びに選んだものなので、この付加価値が嬉しい。

サンプル見本がもう可愛い!
しかしこれだと色イメージが掴みにくいので
大きめのサンプルを見せていただいた


AIで仕分けして作るリサイクル生地

最後はアパレル業界の課題であるファブリックごみの問題。とにかくアパレル業界の廃棄量はインテリア業界の比ではないほどに膨大らしい。それの解決方法として注目を浴びているのか繊維まで分割できるAIの技術。今年の1月のメゾンエオブジェでもこのAI技術について話されていたが、この技術本当に凄くてとにかくはやく、そしてどこで作られた繊維かもわかるとのこと。

写真は撮り損ねてしまいましたが、このAIで仕分けされ作られたリサイクル生地は無地のプレーンなもの。色ブレがないのか尋ねると、そんな比ではないくらいに廃棄の量すごいらしくほぼ均一に仕上がるようだった。

最後に

ひとつひとつのファブリックに製造の過程やコンセプト、ストーリーがあり、ラグジュアリーはこうして作られるんだと改めて実感。見て触って聞いて、美しく質感の良い生地は本当にどれも素敵でした。

大胆な柄物もこうするとバランスよく調和できそう
レースとドレープと繋いだシェードスタイル
ラグも厚みがあるのに柔らかい
タッセルたち

もし、たくさんのカーテン生地を見てなかなか気に入ったものに出会えない方がいらっしゃれば、こうしたハイブランドの生地も見られることもおすすめします。おそらく同じ価格帯のものだけ見ていても柄や色の違いしかわからないので決め手にかけてしまうもの。

たくさんの価格帯の生地をみてどれを選ぶ、選ばないは別としてそれぞれの製品となるまでのデザイン方法や過程やもまるで異なるので、何をどう選ぶかのヒントは必ず得られると思います。

今回ご案内くださったスタッフさんへと感謝とこれからのプレゼンを頑張らないと!

最後までお読みいただきありがとうございました✨


海外のインテリアをヒントに内装の家具で空間が変わり、より良い暮らしへと変化するトータルコーディネートサービス“Remodel”を行っています。

インテリアでお悩みの方がいればお気軽にご連絡ください✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?