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【仕事から心理的距離を取ってみた】#3 自分の足元がぐらついてなんかやだ

#2では、他人が作った大きな組織の歯車として権力を持つことへの心理的な疑問により、仕事から距離を取ろうと思った、という話をつらつら書いた。

この記事を書いた後、同僚と会話していたら「上役になったら心を無くした方が楽」という話をされた。ほら!!!やっぱり!!!こわい!!!という気持ちと、心を無くすなよ…という気持ちと、そうね、無くした方が楽だもんな〜〜〜という気持ちがコンフリクトした。


また、#2の最後に「理由はもう一つありそれは書かない」的なことを書いたが、思い起こすとこの記事は誰に伝えるというわけでもなく自分の気持ちを残しておきたいという理由で書いている。(すぐ忘れるので)そのため、書かないのはなんか変だなと思い直し書くことにした。この#3が自分の中でまだ言語化できていないことも多く、一番まとまりのない文になりそうだけど気にしない。

距離を取りたいと思った理由 その2

列車をジャックされ日曜劇場のような当社首脳会談に参加したことで、自分が所属している組織が"世の中"という曖昧なものととても深く絡み合っているのだということを感じだ。『…関係はあるでしょ わたしたち全員の問題…………』(『違国日記』ヤマシタトモコ)ではあるが、それでも一個人よりも深い部分で絡み合っているのだと私は思った。「"世の中"は常に波打つように動いている」とはよくある表現だか、畏れ多くもその波立たせる要因にはなるだろう。

そうした時に、ふとこのままでいいのかと疑問に思った。話が飛躍するかもしれないが、私は今、資本主義社会の中で株式会社に勤めるという選択を取っている。資本主義社会で株式会社に勤めるということは、有体に言うと社の利益を追求するために働いているということだ。

私の携わっているサービスは、簡単に言うと利用者が増えれば増えるほど儲かる仕組みになっている。よくある当たり前のマネタイズモデルだ。けれど、逆に利用者が減れば儲けも減る。これも当たり前のことだ。
ただ、日本はすでに少子化であり、何か驚きの秘策でもない限りこのままいくと人口はどんどん減っていく。
その中で、利用者数×単価=売上の商売をしていると、利用者数は減る一方なので売上も減る。それを回避するために単価を上げる必要があるが、それはそれで利用者一人一人の負担が大きくなり、その負担に耐えられない利用者も出てきてさらに利用者が減る、という負のスパイラルに入るだろう。
そう考えると、この「よくある当たり前のマネタイズモデル」はそう長くは続けられないのでは?と疑問に感じた。何を当たり前のことを?と思う方もいるだろうが、その当たり前のことに解決策がない状態で一生懸命働くというのは、私にとっては何を拠り所にしていいのかわからない不安がつきまとう。

違和感

私が勉強した中での限られた情報ではあるが、資本主義は「労働人口が増えると社会が豊かになる」という思想を大前提として成り立っていると私は理解している。過去を振り返ると確かにそうだな〜と思う。馬が汽車になり、電車になり、新幹線が出来た。車も飛行機も出来た。どれもこれも人が自分達の生活をより便利にするために一生懸命働いた結果だ。お陰様で私は旅行を楽しめている、先人の方々ありがとう…
インターネットもそうだ。90年代に入ってからの世の中の変わりようは枚挙にいとまがないだろう。私はインターネットともに成長してきた世代なので特にそう感じるのかもしれない。今思うとガラケーのあのカクカク絵文字からこんなツルンとした絵文字になるなんてびっくりだ🙄ガラケーの文字盤もスマホになりいつの間にか画面の中に飲み込まれた。フリック入力にもいつの間にか慣れた。あんなにセンター問い合わせをしたメールも、今や既読未読がわかるように…遠いところまできた…

ただ、純粋に「これ以上便利になるの、難しくない?」とも思う。少なくとも私のような凡人が考える便利さはもうある程度実現済みな気がする。世の中を見ても大枠で「ここがこうだったら便利なのに…」という部分は大抵システム化されているように感じる。どうしても色んな理由でシステム化しにくい部分が残っていて、それを今はDXという名のもとにシステム化しようと一生懸命になるフェーズに入っているように感じる。ここで必要なのは最早人数ではない。ある一定のスキルとガッツを持った限られた人材で、人が100人いれば、1,000人いれば解決できるというものではない。

資本主義が「労働人口が増えると社会が豊かになる」という思想を前提としていると定義すると、もうこの前提が成り立たなくなっているのではないか、と個人的には感じている。私はアンチ資本主義者ではない(そもそもアンチになれるほど資本主義のことを理解しきれていない)が、世の中の実態と資本主義の相性がだんだん悪くなってきているんだろうな〜、と現代を生きる個人としては思う。

疑問

ここで「豊かさとは何か」みたいな話に飛躍すると話が発散するのでしない。ただ、世の中の体感としての実態と資本主義の相性が徐々に良い関係ではなくなっていると自分自身が感じている中で、従来のマネタイズモデルに乗っ取り社の利益を追求することをミッションとした仕事をすることは、果たして今後の自分、引いては今の自分にとって最適な選択なのか、ということを一度立ち止まって考えてみたくなった。これが、仕事から心理的距離を取ってみようと思った理由の2つ目だ。



…なんか書いてみたら「これからの世の中と今の自分の働き方のギャップが気になった」という話をしている気がする。こんな2行で書けることを私はまたつらつらと…

ただ、今回は(というか私が書く内容すべてそうだけど特に今回は)本当にただの個人の感想なので、そもそも前提が間違っている可能性もある。そして何かを否定したいわけでも推奨したいわけでもない。あくまでも「自分の足元がぐらいついてなんかやだ…」のお気持ち表明として受け取ってもらえると嬉しい。また、私は経済学も経営学もまったくの素人なので、記事を読んだ人の中に有識者がいたら色々教えてほしい。

次からやっと、実際距離を取ってみてどうだったかと言う話ができる。

続く。

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