漢検一級 書き取り 11~20


1 金銀を展べたる【ジョボク】の雑色
2 数万貫の銭貨、【シント】の唐物等、美を尽くして
3 【スハイ】の若党を討たせ、日夜旦暮相挑む
4 素引きの【セイビョウ】、畠水練の言におづる人非じ
5 只王質が【セン】より出でて七世の孫に会い


1 味方と敵と【タイヨウ】すべきほどの勢にてだに候わば
2 執事の職に【コ】して天下を掌に握りしかば
3 容色の妙なるに会いても、迷いの前の【チャクソウ】を哀れむ
4 東風猶いまだ静ならず、【チュウカ】常に危を踏む
5 これ当家【チョウガイ】の面目なり


1 相共に鎌倉を責むべき由を国司の方へ【チョウ】ぜらる
2 斉、楚、秦、趙も悉く【チョウ】せずと云ふ事あるべからず
3 共に【チンレイ】の陰にも寄り、遠く花山の跡をも追はばや
4 十万の諸仏も明らかに此の【ツイヒ】を随喜し給い
5 一粒をも刈り採り、民屋の一をも【ツイブ】したらんずる者をば


1 【テンソウ】に怺え兼ねて百騎二百騎引いて帰る処を
2 元来【トウフク】の三男治部大輔義将寵愛して
3 如何なる【ニクソウ】の者かしたりけん
4 金磁頭二つ【ノタ】めに取り添えて
5 湖より流れ湖に注ぎ、源頭ありて【ビリョ】なしと云う


1 【ビンボウシ】したる雲客うちほほゑみて
2 かたちをやつし【ブ】になり
3 若党どもをも【フチ】し置き
4 武蔵の守に【ブニン】して執事職を司る
5 麓に車を駐めて、手を採って【ヘキラ】を攀じのぼるに


1 只【ホウジン】の肉味を調するに異ならず
2 国郡を【ボクジョウ】あって、抜穂の使いを丹波の国へ下さる
3 気比宮の白鷺、稲荷山の【ミョウブ】
4 【メンバク】の有様、前代未聞の恥辱なり
5 権門勢家の庄領を【モットウ】し


1 心身ともに疲れ終 (は) てて【ヤケイ】の露に徘徊す
2 帆柱を吹き折られて、【ヤホ】にて馳する舟もあり
3 これより漢土の仏法は弘まりて【ユイキョウ】今に流布せり
4 山門は【リソ】も疲れて、款状いたづらに積もり
5 供具の【リョウソク】一万疋副えて


1 【イッカイソウジョウ】なんどをも申すべきか
2 時の【オウサイ】をば、権化の人ものがれ給わざるやらん
3 この女房【カイシャク】して、やや久しう浴 (あ) み、髪洗ひなどしてあがり給ひぬ
4 かくて空しく命終はりなば、【カケツトウ】の苦果
5 もし、神明、仏陀の【カビ】にあらずは、争でか反逆の凶乱をしづめんのみ


1 【カンジュ】以下怪しみをなし
2 【キクジン】の袍
3 討ち手の【キョウミョウ】記 (しる) いて、福原へ参らせらる
4 白河院は北首に【ギョシン】なりけり
5 勧賞には【ケッコク】を給うべき由


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