漢検一級 書き取り 1~10
リピーター向け
①
1 草刈りをのこにやつれつつ、竹の【アジカ】を肩にかけ
2 不意に起って奸党を【エンゲキ】せば之を除くこと甚だ容易なり
3 改革思想を【フショク】する
4 篝火は、里余の間に散列して、点々【ケイカ】の如く
5 今や【セイナン】の大業は、二将軍の手中に有り
②
1 暁霧尚平野に横たわり、【ソウトウ】零露多し
2 零落せる城壁、都市の【ダンソ】
3 滑稽の中に諷刺を寓し、時弊を【キカン】することなくあらば
4 源中納言雅頼卿のもとに候いける【セイシ】が
5 酔いに【カ】してこの事を語り出されたるに
③
1 【カンモウ】相済う
2 服の【チュウ】ならざるは身の災いなり
3 【マツダイ】必ず折る
4 命【タンセキ】に迫る
5 【オウコウショウショウ】いずくんぞ種あらんや
④
1 【キョウケンテンショウ】、痔を舐り瘍を吮う
2 夜深けて、暗灯影薄く、只【ケイタク】の声遥かに、時刻を報ずるを聞くのみ
3 抜群の精神を振い、百事を【ソベン】する、常人の比に非ず
4 城中糧尽き、陥落【タンボ】に在るを知りしより
5 この人は【カグ】の性移るべからず
⑤
1 名は実の【ヒン】
2 髪を【カン】して櫛る
3 只一人鎧【イッシュク】して、歩立(かちだち)に成て
4 学海智水を涌かし、【エケン】を闘わしむる事なるに
5 石を集めては【エンショウ】の色を仮り、樹を栽えては風濤の声を移す
⑥
1 攻守同盟を結び、俄仏の【リクリョウ】を禦ぐが如き
2 山法師の心の程を思へば、【オオヨウ】ながらも理なり
3 【カイジョウエ】の三学を兼備して
4 俄かの事にて【カヨチョウ】も無かりければ
5 猿楽は是【カレイ】延年の方なればとて
⑦
1 橋、【ガンシ】の危きをなせり
2 【カンジュ】を取り、海上に擲げ給いしかば、潮水遠く退いて
3 良からんずる宿をも取り、財宝をも【カンリョウ】せんと志して
4 傍輩も是に【キャクシン】ある体に見えける間
5 月曇り雨暗き夜は、叫喚【クジキ】の声啾々として
⑧
1 海内の吉凶その【ゲンカン】に依らずと云う事なし
2 況んや聖明の君、【ケンサ】武備の才を求むる時
3 【ケンリン】定めて叡感を残され候わんか
4 【コウゾウ】の浪を踏んで大海を渡らん勢いの如く
5 三月には三日の御節句、【ゴトウ】、曲水の宴
⑨
1 時澆薄に及んで【ゴヨウ】叢林となる
2 外様の大名共、【サイバ】に轡を噛ませて
3 鬼門の方を守護し、【サイブク】の形を現じて
4 今日の軍には【ジジョウ】勝つべきいわれ候
5 代々の家督に伝えて【シッ】せらるる重宝にて候いけるを
⑩
1 位【シホン】の際 (あいだ) を越えず
2 心中の【シュウショ】を述べて
3 外道また虚空に向かって且く【シュ】したるに
4 仏法【ショウリュウ】の為にあらざる間
5 程無く静謐に【ショク】して、一天下又泰平に帰せしかば