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秩父札所三十四観音霊場巡り【2】

今回の秩父札所巡礼は、11番、12番、13番、14番、15番、16番にお参りに行きました。

11番札所 常楽寺

南石山 常楽寺。元々は天台宗のお寺だったのですが、今は曹洞宗のお寺とのことで、天台宗の名残りを残しながら秩父の街並みを見下ろす形で鎮座しています。

常楽寺参道

本堂を飾るようにたくさんの五色旗が目にとまります。

南石山 常楽寺本堂

常楽寺には元三(がんざん)大師が祀られています。元三大師はおみくじを発案された天台宗の高僧であり、厄除けで有名なお方だそうです。

境内脇にはお地蔵様が整列していました。

地蔵菩薩
常楽寺由緒
常楽寺御朱印

12番札所 野坂寺

続いて野坂寺へ。野坂寺は臨済宗南禅派のお寺で、重厚な山門が迎えてくださいます。また、山門内には閻魔大王、風神雷神など多くの仏像が鎮座しています。

佛道山 野坂寺本堂

別棟内には十三尊仏があり、他にも弁財天やおそうじ小僧など仏像あふれるお寺でした。

野坂寺由緒
野坂寺御朱印

13番札所 慈眼寺

西武線西武秩父駅、秩父鉄道御花畑駅の近くにある目の曹洞宗のお寺です。薬医門様式の黒塗り山門をくぐると見事な彫刻が施されたお堂が出迎えます。

慈眼寺本堂

慈眼寺の始まりは鎌倉時代まで遡るそうで歴史あるお寺だそうです。
ちなみに、ヤマトタケルによる東国遠征の際、この地に立ち寄り御旗をたてたことから、このあたりを「旗の下」と言うようになったそうです。

境内脇にはお稲荷さんが祀られていました
慈眼寺御朱印

14番札所 今宮坊

今宮坊は、臨済宗南禅寺派のお寺で、かつては修験道の本山である聖護院の直末寺として修験道の需要なポイントでした。

今宮坊本堂

また、明治維新前までは、こちらの今宮坊が別当として今宮神社(八大権現社)の管理をしていたそうですが、明治維新の際の神仏分離令に伴う修験道の廃止によって今宮神社は切り離されました。

今宮坊由緒

本堂の脇には勢至堂があり、勢至菩薩(せいしぼさつ)が祀られています。勢至菩薩は知恵を司る仏さまで、阿弥陀如来、観音菩薩とともに阿弥陀三尊と呼ばれています。

勢至堂

また、境内には延命地蔵尊があり、子どもたちの無病息災を願って信者が奉納されたようです。
お地蔵さんは禅宗系や浄土系のお寺によくみられるように思います。

地蔵菩薩
今宮坊御朱印

15番札所 少林寺

番場商店街を通り、秩父鉄道の踏切を渡ると少林寺があります。牡丹寺とも呼ばれており、春先には牡丹の花でいっぱいになるそうです。

母巣山 少林寺本堂

15番札所は、もともと秩父神社内にあった蔵福寺だったのですが、明治維新の折、神仏分離令による廃仏毀釈の煽りを受けて、蔵福寺が廃寺になったため、こちらの少林寺が札所を受け継がれました。

少林寺由緒

ご本尊は十一面観音ですが、本堂は閉められていたので観音さまは拝見することができませんでした。

少林寺御朱印

16番札所 西光寺

西光寺は真言宗豊山派のお寺で1710年に建立されました。禅宗系が多い秩父札所のなかでは、レアな真言密教のお寺です。

無量山 西光寺山門と本堂

本堂右手には四国八十八ヶ所霊場の本尊模刻が並ぶ回廊堂があります。こちらの回廊内には四国八十八ヶ所霊場のお砂が敷き詰められており、回廊を巡ると、四国八十八ヶ所巡礼と同じ功徳が得られるそうです。
また、出口側には金毘羅さんが鎮座しているので、まさに四国巡礼といった赴きがあります。

回廊堂入り口

回廊堂の前には弘法大師の像と札堂があります。

弘法大師と札堂

札堂はかつての巡礼者が納札(おさめふだ)をおこなったお堂です。納札とは参拝の証として名前や願い事などを書いて奉納することをいい、現代では紙の納札ですが、昔は木製の納札で、お堂の柱に打ち付けることが慣わしだったそうです。このことから巡礼のことを「打つ」とも言うそうです。なお、秩父札所で札堂が現存しているのは、西光寺のみです。

札堂

木札の打ち付けしていた頃から時代を経て、紙札を貼り付けしてきたであろう経緯もしっかりと残っています。

釘や釘跡が無数に残っています

ちょうど札堂の対面には、酒樽大黒天が祀られています。こちらの大黒天は霊験あらたか、仕事運に大変ご利益があるそうで、各地からご利益を求めて名刺を置きにくるそうです。私もしっかりとお参りさせていただきました。

酒樽大黒天
西光寺御朱印

立ち寄り箇所

先達にお導きいただきながら、修験者として重要なポイントにもいくつか参りました。

隠れキリシタンの名残?

秩父駅近くにある小さな祠です。木陰に隠れるように聖母マリアの像が祀られていました。隠れキリシタンでしょうか。隠さなければいけない理由があったのだと推察されます。

木陰に隠れる聖母マリア像

秩父神社

社殿の彫刻は、日光東照宮の彫刻師でもある左 甚五郎(ひだりじんごろう)が彫刻したそうで、日光東照宮のサンプルだったそうです。

秩父神社社殿 東照宮に似ています

彫刻の写真を撮り忘れたのですが、社殿北側にはフクロウの彫刻が施されています。北辰のフクロウは秩父神社のご祭神である妙見さん(北極星)を見ているそうです。

北辰のフクロウ
妙見菩薩

驚いたのがこちらの祠。なんと妙見菩薩の祠です。秩父神社の北側裏手の林の中にひっそりと祀られています。菩薩と名がつけられている以上、廃仏毀釈の煽りを受け、こうせざるを得なかったのかもしれません。今でも地元の方がお参りに来られ、また、地元のご年配の方は、秩父神社のことを妙見さんと呼ばれているのだとか。ちなみにこの場所のご神気は半端なかったです。

秩父今宮神社

八大龍王を祀っている秩父今宮神社です。修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が祀られている修験道と関わりの深い由緒ある神社です。御神木は境内いっぱいに広がり、マザーツリーのごとく温かさと優しさを感じることができます。

龍神木
奥に社殿
アヒルちゃんがいっぱいいる手水舎

おまけ

帰りは三鷹で晩御飯、ごちそうさまでした。

この界隈の定食には小鉢がたくさんついてくるから好き

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