人助けは気持ちが良いと思い切れなかった
正午ごろ、仕事をし終わりコインパーキングに止めた車で片付けをしていたところをおじさんに話しかけられました。
「ここら辺に焼肉屋があるんだけど知らない?友達がやってるんだよ」
とのことでした。
その名前でグーグルマップで検索してみると出てきません。
「おかしいなぁもう潰れちゃったのかなぁえぇー困ったなぁ」
おじさんは去ろうとしません。
して聞いてみれば、おじさんは今日大阪から東京に遊びに来たところで、その道中の電車のなかに荷物をすべて忘れてしまったようです。そこで友達が住んでるところを探していたのです。
それも空振りに終わったことが今確定したのです。
そしておじさんは
「家に電話したいからお金借りていいかい?」
と聞いてきました。携帯も無いようです。今思えば携帯貸してあげればよかったです。
僕は1000円を渡しました。
電話代の小銭だけ渡すってのもアレだし、いろいろ大変だろうなと思って。
すると
「にいちゃん、もうちょっと余裕ないか?」
と言われました。
もう2000円ぐらい渡しました。
「あぁ、もう少しあればバスで家に帰れるんだけどな」
小出し小出しで結局6000円渡しました。
おおきにと言っておじさんは駅のほうへ歩いてゆきました。
それをボーっと見送りながら、おおきに以外関西弁を喋っていなかったな、と思い返しました。