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完璧な顔して都会を歩く
完璧な顔で都会の雑踏を、みんな仲間だよねみたいなフリして歩いてみる。でもなぜかその一員に見做されてない気がする。だからなおさらそういう顔をしなきゃあいけないんだけど、大衆の面前でつまみあげられ「キミは江東区南砂3とかがお似合いだね」と、コインパーキングの名前ぐらいまで番地を指定されてふさわしい街を言われそうでソワソワする。それを隠せない奴からそういう目に遭わされるし、それを隠して歩けてるのがカッコいいとされている。
完璧な顔で都会人のフリをしていたいのはいいのだが、人はそれになりたいなりたいと熱望して雑踏にまじるまでは夢中で平和なのに、いざなったらなったでそれには耐えきれないように見てとれる。いろいろあるがまず家賃に耐えられない。
だからまた別の何かを熱望するけれど、同時にその先でも耐えられなさに直面するんじゃないかとの不安と、それでも都会はカッコいいがあるから、だいたいみんな1個目の人間の形をしたまま熱望と不安を隠してまた雑踏を歩いている。