(エッセイ)5歳児マニュアル車を運転する
数々の名作を誇るクレヨンしんちゃんの映画の中でも最も名作として語られるのが、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」である。
例に漏れず、僕もオトナ帝国の逆襲がクレヨンしんちゃんの映画の中で最も好きな作品であり、当時映画館でこの映画を観れなかったことは非常に悔やまれる。(観れたとしてもこの映画が公開された当時僕は3歳のため、記憶には残らないだろうが...)
オトナ帝国には、今なお語り継がれる数々の名シーンが存在する。冒頭の太陽の塔が登場するシーンやひろしの子ども時代からの回想シーン、しんのすけが東京タワーを駆け上がるシーンなどなど
そんな中でも、今回取り上げたいシーンは、しんちゃんたちが幼稚園バスを運転して二十世紀博を目指すシーンである。
最近になって気が付いたのだが、このシーンしんちゃんたちが運転しているバスはなんと、マニュアル車である。
その証拠にボーちゃんがまさおくんにクラッチの指示を与えている。
ボーちゃん「クラッチ!」
まさおくん「はい!」
5歳にしてマニュアル車を運転できるとはとんでもない幼稚園児だ。
僕は19歳の時、マニュアル車で自動車免許を取得したため、マニュアル車の運転の難しさはこの身を持って体感している。
初回の教習では、50分間ずっとエンストを繰り返し、車のくせに1cmも進まないまま終了した思い出がある。あの時の教官の「こいつセンスねえな」という冷ややかな目線を未だに忘れられないくらいには、マニュアル車を嫌いになった。
そもそも、僕はオートマ車で運転免許を取得したかった。しかし、僕の願いは父親の「男はマニュアル車に乗れないとダメだ」という発言により、はかなく散ってしまった。
父親曰く、マニュアル車に乗れないと仕事で困るそうだ。
そりゃ、アナタの仕事は車屋の販売員だから層かもしれないが、僕はマニュアル免許を必要とする仕事に着く気はさらさらなかった。
現に、僕は今システムエンジニアとして働いている。オートマ車の免許をサクッと取得して、空いた時間でプログラミングの勉強でもしていた方がよっぽど良かったと思う。オートマ車の運転なら、あれほど教官に怒られずに済んだし。。。
僕がこんなにも苦労して若干のトラウマを抱えて取得したマニュアル免許をしんのすけたちは、たった一回で身に付けてしまった。
ぜひ、しんちゃんたちには大きくなったら、トラックの運転手やバスの運転手などマニュアル車を運転する職業についてもらいたい。
しんちゃんたちが大人なる頃に、マニュアル車が必要な仕事が残っているか分からないけど。