好きなヒーローの話「サノス(MCU版)編
今回は私の好きなヒーロー「サノス(MCU版)」について書いていこうと思います。
なるべくネタバレを避けて書いているので、インフィニティウォー、エンドゲームを未見の方でも安心して読めると思います。
■サノスとは?
ここで語るサノスは、MCU内で描かれる「サノス」となります。
原作コミックにおけるサノスについては、私はよく知らないので言及しません。
サノスが何者か簡単に説明すると「全宇宙の生命の半分を滅亡させた存在」です。
ただ、サノスは私利私欲のためにそんなことをしたのではなく「限りある資源を巡って起こる争いを根絶する」ためなのです。
MCU内で、サノスはアベンジャーズが倒すべき敵として描かれますが、彼の持つ信念は宇宙規模での正義であり、まさにヒーローだと思います。
■ヒーローとは?
サノスがヒーローかどうかの正当性を考えるには、まずヒーローとはどういう存在なのかを考える必要があります。
ヒーローとは何か?
非常に曖昧で定義の難しい言葉です。
一言で表現しようとしたら「正義を成す存在」かもしれませんが、今度は「そもそも正義とは何か?」という問題が発生します。
正義の反対は別の正義とよく言うように、正義とは多種多様でヒーロー以上に定義が難しい言葉です。
なので、ここでは私の考えるヒーローの視点でサノスを語ろうと思います。
私の考えるヒーローとは「自分以外のために戦うことができる存在」です。
そして、そこから更に一歩踏み込み、問題が起きてから解決する対処療法ではなく、人々を苦しめる問題を根本的に解決する、原因療法を行う存在こそが真のヒーローだと考えています。
その視点から考えると、全宇宙の生命を脅かす貧困や争いの原因を取り除こうと行動するサノスは、宇宙規模でのヒーローと言えるのです。
■正義は公平でなくてはならない
映画「ダークナイト」でジョーカーは言いました。「混沌の本質は公平」であると。
どんな境遇の人間にも混沌は無差別に降りかかる。
それと同様に、正義もあらゆる人間に対して公平に成されなければいけません。
正義に差別はあってなりません。
よってヒーローとは、その人の性質に関わらず、公平に正義を成さなければなりません。
その点、サノスは間違いなく公平です。
全宇宙の生命を半分にする際も、善人も悪人も関係なく、無作為に半分を消し去りました。
もしサノスの思想に利己的なものがあれば、自分の邪魔をするアベンジャーズ全員を消していたはずです。
ですが、サノスはそうしませんでした。徹底的に「公平」です。
そして、サノスの行いによって救われた人は間違いなく存在しました。
限られた資源をめぐって争いを行い、飢餓で苦しむ星で、その星に生きる生命が半分になれば資源をめぐって争うことはなくなるでしょう。
また、将来的にそうなることが見込まれる星でも、救われる存在はいるでしょう。
つまり、サノスは自分の信じる信念・正義に従って行動し、宇宙規模で大勢の生命を救ったヒーローと言えるです。
目に見える範囲だけでなく、宇宙規模で人々の未来を想うことができるサノスが好きです。
■サノスの問題点
上記の理由から私はサノスをヒーローだと考えていますが、彼の行動には当然問題もあります。
それは、宇宙全体の生命を消し去ることに対して合意が取れていないという点です。
全宇宙の正義のためと言われても、50%の確率で自分が消えるとなればその行いに同意する人は限りなく少ないでしょう。
にも拘わらず、サノスは全宇宙の生命に対して説明することなく、アクションを起こしてしまいました。
サノスは合意の得られていない正義を行ってしまったのです。
サノスをヒーローではないと考える人はこの点が大きなネックとなっているのだと思います。
■まとめ
サノスの行いには色々と問題はありましたが、彼の「争いや飢餓のない宇宙をめざす」という考えは間違いなくヒーローそのものです。
ただ、サノスは自分勝手すぎました。
でも、それくらい尖ってる方がヒーローらしくて良いと思います。
普通の人はヒーローになんてならないので。
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