境界知能の義理の父親についてずっと口を開けないでいたこと。

……私の両親は私が小学生の頃に離婚をした。
その後すぐに再婚をし、私は母親と義理の父親と共に10年前まで暮らしていた……。

この前、母親から聞かされた。
義理の父親が「境界知能」だったということ。
最近行った知能検査で発覚したらしい。

IQが80くらいしかない。
一番低かったのが理解力。

私はかれこれ25年以上、義理の父親とは口を聞いていない。

関係が上手く行かなかった理由は、義理の父親が物事を理解する力が乏しかったから……という事が発覚して、力が抜けた。

私が高校生の頃、母親がベランダから飛び降りようとしてるのを私が止めていたのだが、その横で、義理の父親は、テレビを見ていた。

母親は精神がおかしくなっており、泣き喚いているのに、全く反応を示さない。

私はその時、義理の父親に
「母親が死のうとしてるのに何テレビ見てんの！」と怒鳴ったのだが、無言でこっちを見て、またテレビに目を戻した。

何も言葉が返ってこなかった。

そんな義理の父親と口を聞けなくなったきっかけは、ほんの些細なことだった。

ある日、深夜に母親がどこかへ消えてしまった。
義理の父親に
「どこへ行った？」と聞かれたので、「分からない」と答えたら
「この嘘つきが！」と言われた時に、
ぷつんと何かが切れたようになって
私は口を一切聞けなくなってしまった。

その高校生の頃、
実の父親に1度だけ、聞かれたことが有る
「義理の父親さんとはうまくいってるの？」って。私は
「うん」としか答えられなかった。
その父親は今は亡くなってもういない。
もしもまだ生きていて……うまくいってない事を正直に言えたなら……どうなっていたんだろう、と
ふと思ったりした。