グウィンドリンの道程(ダークソウルシリーズ)
始めに
書こうとは思っていたものの、書く気力が湧かなかったグウィンドリンについての考察です。こうだったんだろうなー程度の物です。いつも通りですね。
始まり
グウィンドリンは紛れもなくグウィンの息子ですが、他のグウィンの子供達とは違って太陽の力を全く受け継がなかったという、ある意味「異端」として生まれた不遇な存在です。
そのせいなのか、暗月の騎士団団長かつグウィン王の名目上の墓守という閑職に就くことになります。そんな立場のせいで、唯一アノールロンドに残る神となったようです。
グウィンドリン本人も自分の立ち位置については自覚的ではあったようで、不死人を導く役割も姉であるグウィネヴィアの幻影に任せています。
ただし、グウィンドリンは父であるグウィンの事は大切に思っていたようで、不遇な立場ではあるもののグウィンからの愛情は受けていたようです。相当な人たらしですからねグウィンは。
因みに、暗月の騎士団は実際のところあんまり存在する意味の無い組織です。暗月の仕事はあらゆる意味で罪人を罰する組織であり、特にカアスに唆され闇の王になるかもしれないダークレイスを標的としています。
しかし、火の時代というシステムは闇の王という存在をそもそも許さないように組み上げられています。
火が陰ると世界が分裂するという現象が起きます。たまたま世界が重なることもありますがそれぞれの世界に干渉するには基本的に霊体になる他ありません。
これによって何が起こるかというとAの世界ではAが闇の王になったが、Bの世界ではBが火継ぎをするという、タイムパラドックスになりそうな事態が発生するわけです。
ただし、火継ぎが上手く行った場合は時空が安定しそれぞれの世界は統一されます。その結果として闇の王は存在することができないという事です。
メタフィクション的には、火継ぎエンドを選ぶプレイヤーが1人でもいたならば火の時代はそのまま続くということですね。
ダークソウル2では
ダークソウル2の時代になると、ロードランの神々の存在はほぼ完全に忘れられました。あの偉大だったグウィン王ですら名前を失ってしまっています。時間がかなり経ったのもあるでしょうが、巨人との戦争があった為に文献などが散逸してしまったというのも可能性としてありそうです。
それに伴って、暗月の騎士団も事実上存在しなくなり、代わりに登場したのが「青教」と「青の守護者」です。
青教も青の守護者もシンボルは葉っぱのような形をしており、恐らくこれはテキストに登場する大樹をモチーフにしたものと見て間違いないでしょう。
聖大樹の盾
神秘の力を秘めるとされる青い神樹の盾
夢の神ネラの寓話に登場するもの
パリィによってスペルを弾き返すこともできる
夢の世界にある喋る大樹は
自らを盾に変え、臆病な少年に力を与えた
ダークソウル2攻略wikiより引用
ただし、青教の発祥由来そのものは不明となっており、この葉っぱのシンボルも恐らく後付けで掲げられたものでしょう。夢の神ネラの伝承は残っているので。
発祥地とされているハイデにはオーンスタインをコピーしたゴーレムやアノールロンドの巨人兵士をモチーフにしたであろうゴーレムもいるので、確かにアノールロンドとの繋がりは過去にあったとは思われます。
後述しますが、3の青教のシンボルを見るに、2の時代以前にはもうグウィンドリンは青教の主神として振る舞っていたのかもしれません。
ダークソウル3では
3ではなんと青教の主神となっています。しかし、暗月の騎士団はやはりかなり廃れてしまっているらしく、その役割は殆ど青の守護者が引き継いだのでしょう。
この時代でもやはり「火の時代」の存続に腐心していたようで、その為にロスリック王家と同盟を組んでいたようです。シースの残した膨大な知識を提供していますから。
また、デーモンの残党を抑える為にカーサスとも組んでいたようですね。これは、燻りの湖の様子から分かります。
ただ、グウィン王の時代と比較してしまうと矮小なはずの人間の力を借りてデーモンに対抗しているというのはかなりの衰退を感じてしまいますね。本来ならデーモンを倒す仕事は黒騎士達がやるべきことですから。
そんなグウィンドリンですが、日に日に弱体化していったのが悟られてしまったのかとうとうエルドリッチに食われてしまいます。
理由としては、エルドリッチが見たという深海の時代(この概念自体は現状妄想でしかありません。)の為の準備の為でもあり、サリヴァーンによる下克上の為というのもあります。
サリヴァーンは元々被差別層である烏人であり、それでいて聖職者であり魔術師であるという、シリーズを通しても唯一無二の人材です。
本来なら、差別対象である烏人が貴族の街であるイルシールで成り上がれるわけもありませんから、恐らくは特別にグウィンドリンに目をかけてもらったのだと思われます。
これはかつてグウィン王が被差別層の巨人であるゴーを四騎士として重用したのと重なりますね。健気なことにグウィンドリンも同じことをしようとしたのでしょう。
ただ、ゴーは実直な戦士でしたが、サリヴァーンは恐らく神の欺瞞に気づいてしまった野心家でした。
ダークソウルの世界では、シースの力を祖とする魔術と神々の御技を再現する奇跡が存在します。
魔術は言ってみれば一種の技術であり、ローガンが作り出した「ソウルの槍」や暗殺用の「音無し」など人間の都合で様々な魔術を作り出すことが出来ます。
一方で奇跡は「神の御技を再現する」という都合上、神についての物語を読み解く必要があります。よって、基本的には新たな奇跡を作るということは不可能で、せいぜい「放つフォース」のように解釈を変えることくらいしか出来ません。
しかし、これを覆したのが3に登場した「闇の奇跡」です。
魔術や呪術については既に無印でそれぞれ「闇の魔術」や「闇の呪術」が登場済みでした。
上述したような条件が本当にあるのであれば、「闇の奇跡」なんて存在すること自体がおかしいはずです。
つまり、結局のところ神々の輝かしい奇跡は他の術と同じ「ソウルの業」でしかないということにサリヴァーンは気づいてしまったのです。
であれば、世界中の人々を支配するにはなんであろうと純粋な力さえあれば良いし、過去の神々にあったような強大な力はもはやグウィンドリンの元には無いということで、下克上を敢行し、ロスリックに戦争を仕掛けるという動きに出たわけです。
余談ですが、この「魔術も奇跡も根っこは一緒」というのはデモンズソウルのセルフオマージュでしょうね。
まあ結局サリヴァーンの野望もエルドリッチの神喰らいも、図らずも主人公によって阻止されてしまうわけですけどね。
さて、あとグウィンドリン個人に残っている謎はグウィンドリン(あるいはエルドリッチ)が持っているニトの物に酷似した剣ですよね。
これについては可能性が2通りあります。
①グウィンドリンがニトのソウルを取り込んだ。②エルドリッチがニトのソウルを受け継いだ。これら2通りですね。
①についてはグウィンドリンを信仰する暗月の司祭が地下墓地に葬られていたことから関係が悪くないことが伺えますし、青教の主神となってしまったことで一神教の神のように死後の世界を管理する立場にもなる必要が出てきてしまったから、ニトの未だに世界を彷徨うソウルを見つけ出し、取り込んだのかもしれません。
②についてはダークソウル2において腐肉の集合体である「腐れ」がニトのソウルを受け継いだことに由来します。強大なソウルはなかなか消えることが無く、宿主を変えて存在し続けることがダークソウル2の時点で明らかになっています。
ダークソウル3の場合、シースのソウルを受け継いだのが「妖王オスロエス」で、混沌の苗床(あるいはイザリスの魔女)のソウルを受け継いだのが「デーモンの老王」で、グウィン王のソウルを受け継いだのが「王たちの化身」であることが分かっています。
エルドリッチも人を食べすぎた結果、「腐れ」と同様に腐肉の集合体となっています。ですからエルドリッチがニトのソウルを受け継いだのかもしれません。
どちらかだとは思いますが、決定打には欠けます。グウィンドリンの石像などがゲーム内にあれば良かったんですけどね。
ついでにヨルシカについて
ヨルシカは本人が言う通りであればグウィンドリンの妹であり、グウィン王の娘ということになりますが、恐らくはこれは真実では無いでしょう。
まず見た目で判断してしまうと確実にシースの血を引いています。加えて、古い神々にしては弱すぎますし世間知らずすぎます。
このことから、比較的新しい時代に産まれた神であり、恐らくプリシラの娘だと思われます。個人的には、グウィンドリンとプリシラとの間に産まれた子なんじゃないかなと思っています。
虜囚にされているのは、奴隷の反乱を防ぐためとヨルシカの誘拐などを防ぐ為でしょうか。
ヨルシカの槍
イルシールの奴隷たちが、隠し祈る対象
ヨルシカ教会に寄贈された宝物のひとつ
眠りの魔法が宿っている
槍と槌を組み合わせたような武器であり
槍による刺突、槌による打撃の両方が可能
戦技は「誘眠」
祈りと共にこの槍を捧げ
一時的に、敵のFPを削る効果を得る
ダークソウル3攻略wikiより引用
ダークソウル3本編以前からグウィンドリン陣営はデーモンと戦い続けたようで、その為に巨人を始めとする労働力を酷使してきたようです。燻りの湖にあるバリスタなんて最たる物ですね。
劇中に出てくるイルシールの奴隷達も、あんな寒い環境であるにも関わらず殆ど裸同然で武器や魔術を使わされています。
それ故、いつ不満が爆発してもおかしくはないんですが、それをヨルシカの存在が食い止めているという構造でしょうね。
ヨルシカが具体的に奴隷達に何をしたのかはわかりませんけれど。もしかしたらあの透明になっているのがそうかもしれません。プリシラも透明になれましたからね。
グウィンドリンはヨルシカを何かと特別視していたようで、やはり強い愛情を感じるんですよね。そもそもグウィンドリン自体、踊り子の祖先と交わったみたいですし、プリシラと子作りしようというのも自然な流れだと思われます。
ヨルシカの聖鈴
先の騎士団総長たる彼女の兄が
ヨルシカの名と共に贈った聖鈴
鈴の音は、きっと孤独を慰めただろう
戦技は「恵みの祈り」
左右どちらに装備していても有効な戦技
一定時間、HPをごくゆっくりと回復する
ダークソウル3wikiから引用
まあヨルシカについてはこんな感じですね。
終わりに
まあグウィンドリンでは正直色々荷が勝ちすぎたのだろうなと思います。
火の時代自体がもうギリギリだったので、良くやった方だとも思いますが。
結構長々と書いてしまいましたが、良かったらスキを押してくれると嬉しいです。
では、また何か書いた時は宜しくお願い致します。
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