「僕達はまだ本気出してないだけ」というライブに出ました
2023年3月18日
今日は,オフローズさん主催の「僕達はまだ本気出してないだけ」というライブに出させていただいた.オフローズさんとは,何度かライブでご一緒させていただく機会があり,それプラス,新井さんがオフローズの明賀さんとたまに麻雀をしているそうなので,それらの縁で出演させていただくことが決まった.
このライブの趣旨は,普段ネタを書いていない側が,ネタを書くというものだった.いろはラムネのネタは新井さんが書いているので,僕と柿田さんで書くこととなった.当初,僕は新井さんをびっくりさせようと息巻いていた.柿田さんとの打ち合わせは,二月末ぐらいからやり始めたと思う.
お互いにネタ案をいくつか持っていくが,どうもしっくりこない.その中でも,少しずつ絞っていった.そして,僕が二つ,柿田さんが一つ,台本を書いてくるところまでは絞った.この時点で,ライブまで一週間程度だった.
僕は,「ひったくりがひったくられる」と「学校の七不思議の,音楽室から真夜中に聴こえるピアノの音がポップ」,柿田さんは「ターゲットが可愛すぎて撃てないスナイパー」を考えた.
書き始めてみる.入りは面白くても,展開が難しい.展開を考えてもオチが上手くまとまらない.とっちらっかっちまう.こねくり回す.ネタを書くのって難しいんだなァと思う.
お互いの台本を持ち寄って,話し合った結果,「ひったくりがひったくられる」に決まった.この時は,持ち主とひったくり×2がバックを奪い合って,ラグビーみたいになっていくという展開だった.けれども,これでは上手く形にならなかったため,どんどん別の誰かにバックを奪われていくという展開に変更した.個人的には,自分のバック一つでとんでもない事態へ迎えていくバラフライエフェクト的な展開になればいいなと思った.
数日経っても,具体的な展開の流れを作れなかった.もうライブ当日が迫ってきている.こうなったら,物語を捨てて,思い切って,大喜利で挑んでみようと思った.コント中に大喜利を持ち込むことはあまりないので,いい経験になるだろうと思った.
柿田さんとどんなひったくりがいいか,そしてそれをどの順番にするかを考えていく.各々の感覚で,並べていく.柿田さんも僕と好きなお笑いの傾向は近いけれど,結構ぶつかる.やっぱり難しい.物語の方がいいかなと途中でよぎった.それでも,難しいからこそやらないとなと思って,大喜利で進めた.
前日である昨日の夕方,完全にボケが決まった.そこから,帰宅途中に東急ハンズやドン・キホーテで小道具の材料を買った.総額2万近くいった.もう,大喜利の出来よりも小道具で笑わせようと思った.
夜通し,小道具を作った.花粉症がひどくて,ティッシュを一箱使い尽くした.それでも,小道具作りはすごく楽しい.小学生の時も図工は好きだった.キングオブコント2008とキングオブコント2012のDVDを流しながら,黙々と作業.気づくと朝五時頃だった.寝ようと思ったけど,自律神経が興奮して,二時間ぐらいで目が覚めた.なので,作業を再び開始した.ずっと楽しかった.UFOや大きなハート,将棋の着ぐるみ,いくつかのデモ看板などを作った.大量の模造紙やペン,絵具,テープが残った.現地でも小道具が作れるように,これらを全て持って出発した.
形式は新井さんから僕がバックをひったくり,その後新井さんの目の前で僕と柿田さんが交互に違う人を演じながら,ひったくり合う.そのたびに新井さんが「ひったくった○○からひったくった△△から,××がひったくりだー」と叫ぶ.本当は「ひったくったひったくりからひったくったひったくりから…○○がひったくったー」とずっと繋げていきたかったが,それで行くと後半の新井さんの台詞がとんでもない文字数になってしまうため,泣く泣く断念した.
なんとか本番をやり終えた.使わなかった小道具もいくつかあったが,僕の今の全力は尽くせたと思う.面白いかどうかと聞かれたら,自信は無いけれど,面白いと思って作ったから,面白いと言うことにする.また,楽屋で吉本興業所属の先輩であるプールのお二人がすごく優しく話してくださった.高橋さんは「よかったよ」と言ってくれた.本当に優しい.身に沁みる.僕らと同じく,ゲスト出演されていたさんだるさんとは,たまにライブでご一緒になるため,仲良くお話しさせていただいた.
また,一年目のぺーぺーを,ライブに誘ってくださったオフローズさんに感謝でいっぱいだった.一生懸命,頑張ってきてよかった.ライブ前もライブ中もライブ後もずっと優しくて,感動した.初めて会ってからずっと話すときに緊張してしまっているけれど,話せているとき嬉しい.話せていることが信じられない気すらしている.本当に楽しいライブだった.初めての神保町よしもと漫才劇場.いい思い出.
ライブ後,オフローズの宮崎さんにご飯を誘っていただき,オフローズの明賀さんと宮崎さん,軟水のつるまるさん,兄弟の紅葉さんと僕らで,夜ご飯を食べた.相も変わらず,どのように相槌をすればいいか,どうやったら普通に話せるのか,どんな表情をしていれば自然なのか,考えすぎて混乱した.終始,きょろきょろしてしまった.それでも,すごく楽しい時間だった.柿田さんは,板橋ハウスさんが好きなので,興奮していた.帰りの電車で,総武線に乗り,新宿まで兄弟の紅葉さんとお話しした.たびたび,兄弟さんと同じライブにはなるけれど,きちんとお話できたことがなかったので,すごく嬉しかった.紅葉さんもまた優しい人で,僕の色んな質問に答えてくだった.
正直,他事務所の人は怖い人ばかりだと思っていた.なんてこった.優しい人ばかりだ.嬉しい誤算.考えを改めようと思う.
三鷹駅から重い大量の小道具を片手に,仕事が無くなった傘をもう片手に,一人,歩いていく.自分のポーズが,カーネル・サンダース人形みたいになっていた.面白いと思ったけれど,僕が好きだったジャンプのギャグ漫画の「いぬまるだしっ」に似たようなボケがあったことを思い出す.僕のお笑いのルーツは案外,ギャグ漫画だったりするのかなと思った.
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