OKOJO,サイチェン
2024年12月9日
地球という球体の上を車輪という無数の円が転がっている。
OKOJOの活動休止前ラストワンマンライブ「どのツラさげとんねん」に行ってきた。トンツカタンの櫻田さんに誘ってもらったのだ。元々、一人で行こうと思っていたのだが、気が付くのが遅くてチケットが完売してしまい、絶望していた所だったので、本当にありがたかった。
下北沢駅で合流して、いざライブハウス 下北沢MOSAiCへ。僕はワクワクとチクチクをちょっとずつ抱えながら、歩いていた。
櫻田さんとちょこちょこ音楽の話をした。周囲に音楽について話せる人がいなくて、とても良い時間だった。僕は狭く深く聴くタイプなので、主で聴いているアーティストは20ぐらい。でも、去年の曲の総再生時間は57000分を超えていた。
会場に入る前に櫻田さんとトイレへ寄ろうとしたら、OKOJOのヤマトさんとえぬさんが近くの扉から出ていらっしゃって仰天した。しかも、ヤマトさんは僕の事を覚えてくださっていて、「あめんぼさんや~ありがとう」と声をかけてくださった。もう泣きそうだった。嬉しかった。えぬさんには初めてお会いしたので、ご挨拶をさせていただいた。言葉が全然出て来なくて、頑張ってくださいを十回ぐらい言ったと思う。
ずっと画面越し聴いていた人たちが目の前にいて、お話しすることが出来て、それはものすごい高尚なことなのではないかと思う。これが尊いという気持ちなのか。神への祈りのような、古来の人々の純然たる敬いを辿っている気分。尊いと口に出すことに、絶対慣れないようにする。大切に言う。
ワンドリンク制だったのだが、ライブ中に邪魔になるかもしれないので、櫻田さんと一緒に貰ってすぐ飲み干した。そして、会場へ入った。
たくさん人がいて、櫻田さんについていった。後ろの方で立って二人で待った。もうちょい前で見なと櫻田さんが優しく背中を押してくれた。
密閉空間。逃げない音。だから、こえもおとも全て反響する。こちらの身体の中へやってくる。身体の中で反響している。気を抜くと泣きそうになる。一秒が連続している。
すごい。本当にすごい。まつしたさんの綺麗な声に感情が見えて、ヤマトさんとえぬさんの演奏する姿がめちゃくちゃにエネルギーの塊みたいに格好よくて。今日の為にセトリもとても考えたと言っていた。東京は好きじゃないと言っていた。前向きの活動休止だと言っていた。また会いましょうと言っていた。考えることを放棄したわけじゃないのだが、もうとにかくよくわかんないけれど、なんもかんも僕に刺さってしまって、手に持ちきれないほどの元気を貰えた。奮い立たせてもらった。
そして、最後の曲が「サイチェン・マイフォーチュン」だった。またみんなに会えるようにという意味を込めてのこの曲だった。僕が高校三年の頃、初めてOKOJOと出逢った時の曲だった。だから、本当に嬉しくて、やっぱりすてきな曲だなぁと思って、もう我慢しなくていいかと思い、泣いた。
手拍子も手を振るタイミングも下手くそで、全然合わなかったけれど、全身全霊で楽しむことが出来た。ライブが押していて、アンコールの手拍子が始まってから、めっちゃ早く戻ってきたりと、そんな日常と地続きだからこそ、演奏が身近なもののように感じる。それでいて神々しいものでもあるから、こんなに素敵なものを貰っていいのかと思う。大切に僕の中で取っておこうと思った。
ライブが終わって、櫻田さんにどうだった?と訊かれて、めっっちゃくちゃよかったですと言ったら、そうかそうかと笑っていた。その後、写真撮ってあげるよと言ってくださり、撮ってもらった。もうこんなに幸せなことがあっていいのだろうか。
そして、グッズのスウェットやタオルをたくさん買った。櫻田さんが「ライブ帰りの荷物の量じゃないだろ」とめっちゃ笑っていた。これは、これから頑張ってくださいという応援の意味ももちろんあるが、それ以前に好きなアーティストのライブではめっちゃ買いたいのである。過去も毎回ではないけれど、買える時にはたくさん買ってきた。
最後にOKOJOの三人と写真を撮ってもらった。伝えたいことが山ほどあって、でもなんもかんも伝えても、頭にはてなが浮かびそうだしなと思い、言葉が詰まって、めちゃくちゃ良かったですを十回ぐらい伝えた。そして、僕のエネルギーの球のようなものを渡してきた。スピリチュアルみたいだけれど、実際には念じただけである。とにもかくにも、OKOJOのおかげで、また僕は頑張ろうと思える。
感謝。再見。