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ウルトラマンレオは人生のバイブル

 2023年6月10日

 僕の人生の中で,一番忙しい週だった.精神的にも物理的にも,かなり大変だった.体調を崩して,2日間ほど休み,UNDER25という25歳以下の賞レースで,出場するユニットのうさぎマンボの練習があり,UNDER5という芸歴5年目以下の賞レースの3回戦及び準決勝があり,そして,大学のゼミにて,読んだ論文レビューの発表と,卒業研究の計画の発表があった.明日は,UNDER25の1回戦がある.まだ,体力は完全な回復とまでは至っていないので,早く戻したい.

 忙しいというより,絶対に失敗できない場面が多かった.お笑いにおいても,大学においても,こんなにも被るかってぐらい被った.

 また,自分の良くないところを知った.僕は人に嫌な思いをさせていた.


 これ本当に現実なのだろうか,ということばかりだった.でも,泣いても叫んでも,状況が変わるわけではない.泣いて,発表が上手くいくのか.叫んで,めちゃくちゃ笑ってもらえるのか.もしかしたら,後者に関しては,そうなのかもしれないけれど,自分のふがいなさ,弱さ,自分勝手さ,それらと向き合って,変えていくしかなさそうだった.

 でも,そんなすぐに変えることはできない.太い鉄の棒を曲げるためには,全力で力を入れ続けなければならない.それが,仮に10年かかるとしても,曲げたいのならば,一秒たりとも,力を緩められない.

 しかしながら,自分はダメな人間であると思い続けて生きていくことほど,しんどいものはない.少しずつ,変わっていくとは言えども,四捨五入したら,ダメ人間には分類されるから,しばらくはずっとダメ人間のままだ.

 だから,逃げてしまいたいと思う.自分は実際のところは,ダメではないんじゃないかなと,一人,思ってしまいたくなる.

 最近,ずっと考えていた.ようやく,言葉にしたら当たり前の事なのだが,気づいたことがあった.

 それは,力を入れ続けている自分を,良くしようと試みている自分を,まず,認めることだった.やろうとして,結果,出来なかったから,それまでの自分を全否定する,今までの僕はそうだった.でも,違う.

 もちろん,結果を無視していい訳ではない.それはそれで,反省し,どうすれば良くなるのか,考えなくてはいけない.けれど,やろうとした自分は無かったことになるわけではない.悪者だったわけではない.

 ある意味,やろうとしたけど,できなかった自分を認めることは,一番しんどいことだと思う.自分が全部悪い,全部よくなかった,そう思うのは実は簡単なことだった.普通に考えてみたら,自分の悪さを認める行為は,良い行為であるし,良くない結果でも悪いと認めているのだから,誰かに責められる事もない.

 僕は,ああ,なんて自分はダメな人間なんだと思っているようで,実は,逃げていた.問答無用に自分を悪者にすることで,その場をやり過ごしていた.そうじゃない.

 サボっていたとかなら,それは悪さを認めないといけないけれど,そうじゃなくて,必死に頑張って,しがみついて,それでできなかったのなら,自分が嫌いになりたくなるけど,成長するために,出来なかったことが出来るようになるためには,自分を認めたうえで,しっかり,何が間違っていたのかを吟味する必要がある.

 だから,僕は,頑張って,結果,できなくても,へこたれないように決めた.お前,ちょっとはへこめよと言われるぐらい,前を向こうと思う.僕は,出来なかったことがあるたび,泣いていた.でも,それで,何が変わるのか.泣くことで出来なかったことが,できるようになるのか.違う.だから,どれだけ,結果が悪くて,自分を否定したくなっても,そういう時ほど,自分を認めて,絶対に泣かない.

 僕だけじゃなく,街ゆく人々,ありがたいことにこの文章を見てくださった人々,みんなに苦しい現実にぶつかるタイミングはあるはず.でも,そこで,みんな向き合って生きている.だから,僕も必死に,考えて,生きて,向き合ってみることにする.

 僕は,今,人間として生きるために,お笑いをしている.お笑いを通して,僕は人間の生き方を模索している.みんな,それぞれ,何かと関わることで,生き方を模索しているのだろう.どうしようもなく,悲しくて,悔しくて,できないと思ってしまいたくなるけれど,そんな自分を認めてあげる.抱かれるのが嫌な犬ほど,抱きしめてあげる.


 僕の好きなウルトラマンレオは,他のウルトラマンと比べて,敵に負けている回数がかなり多い.負けた後,その敵に合わせた特訓をして,再戦し,勝利している.レオは,故郷の星を滅ぼされて,地球にやってきたところ,地球で敵と戦っていたウルトラセブンがぼろぼろになってしまい,セブンの代わりに,敵と戦い,地球を守り始めるというところから始まる.

 第4話で,レオはツルク星人という宇宙人と戦い,敗北した.この宇宙人を倒すために,レオであるおおとりゲンは滝を切るという特訓を行った.だが,どうしてもできない.糸口もなく,できる未来が見えない.

 「できない!おれにはできない!ちくしょう!おれにはできない!できない!」と滝の前で,泣き叫ぶゲン.僕はすごくこの気持ちが分かる.そんなゲンの前に,師匠であるモロボシダンが現れる.モロボシダンはウルトラセブンなのだが,変身が出来ない.

 ダンはレオを殴り,「その顔は何だ!その目は何だ!その涙は何だ!」「お前がやらずに誰がやる!お前の涙で奴(ツルク星人)が倒せるか,この地球が救えるか!みんな必死に生きているのに,くじける自分を恥ずかしいと思わんか!」と言う.

 ウルトラマンレオは,負けることが許されない戦いをし続けていた.負けるということは,地球を守れないということだからだ.それでも,幾度となく負けてしまった.それでも,特訓し,最後は必ず勝っていた.


 ダンのセリフが,すごく胸に突き刺さる.出来なかったね,ハイ終わり,じゃない.生きていく中で,必ず失敗できない場面はあるからだ.何が何でも出来るようにならなくてはならない.ゲンは,ふがいない自分を認めて,必死に特訓し続けた.僕も,そうやって生きていきたい.

 僕の父さんは,ウルトラマンレオから人生のすべてを学んだと言っていて,変だなぁと思っていたけれど,知らず知らずのうちに,僕もウルトラマンレオから,生き方を学んでいた.今日は,かなりまともな話を書いてしまったが,またふざけた文章を書いていこうと思う.


 受験生の頃も,勉強中に,ウルトラマンレオの主題歌をループ再生して聴いていた.10時間以上,聴き続けていた.


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