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フジファブリック「同じ月」
2023年1月26日
「この星空の下で僕は君と同じ月を眺めているのだろうか」
フジファブリック「同じ月」には上記の歌詞がある.この曲中,主人公は,月を見ながらもう離れてしまった人へのどうにもならない想いを抱く.
この主人公とはちょっと違うが,悲しいことがあって,心が不安定になった時,僕は月を眺める.
心が不安定になる原因は,紐解いていくと単純なものが多い.夜空に月がないと真っ暗で絶望を感じるが,月を隠すのは小さな雲で十分だ.こんな感じで,一見全体的に不安定のように見えても,そうさせているのは単純なものだったりするのだと思う.
このことを思い出すために,月を眺める.そして,自分の感情を整理してみようとする.
「何万回と繰り返される めくるめくストーリー」
「振り返っても仕方ないと 分かってはいるけれど
にっちもさっちも どうにもこうにも変われずにいるよ」
しかし,簡単には整理できない.自分の感情を割り切ることはとても難しい.不安にさせているものが単純なものだと分かっていても,難しい.感情が言うことを聞かない.それでも整理することからは逃げないように月を眺める.
「壊れそうに滲んで見える月を眺めているのです」
主人公は,泣いている自分を客観視している.おそらく受動的に泣いている状態だと思う.主人公にとって,自分を不安定にさせているものは,遠く離れてしまった人へのどうにもならない想いだが,僕にとっては,人への想いもだが日常の出来事や季節の流れであったりする.なので,完全に重なるわけではないが,少なくとも,この曲の主人公の気持ちの揺れ動きや状態には,自分を重ねてしまう.
嬉しいことはすぐに忘れてしまうし,悲しいことはいつまでも忘れられない.だから,僕は「今,心が不安定だな」と思うことが多い.そういう時は,この曲を聴きながら,感情を整理しようと試みながらも,なかなか割り切れないなぁと自分を慰めて,月を眺めている.
ただ大寒波のせいか,昨日も今日も月が見つからず,現在,むずむずしている.