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無味だ無味!
2024年10月20日
ふらりと寄った本屋でnon-noを見てみたら,9着で10日間分のコーデを紹介していた.すごいすごい,雰囲気も1コーデ1コーデ違う.
なのに,全てのコーデのトップスもボトムスもパズルのようにビタっとハマっている.いったい何が起きているんだ.感動だ.魔法だ.僕の知らないところにこんなすごいものがあったなんて.
たまにチェックするようにしようと思う.いい発見.
それにしても寒い.寒いとそれで頭がいっぱい.空気も秋が深まってきたと思われ,息を吸うと初冬の味がする.冬が来るたび思うけれど,冬の空気は特有の味がする.澄み切った水のようでそう思うと乾ききっているから不思議な味.呼吸をするたび,冬だな冬だなと冬の間に幾度も思う.
そういえば,小学生の頃,オールシーズン,タンクトップで歩いているムキムキのおじさんがいた.友達も「今日あの人いた」と,親も「またあの人いたよ」と言うものだから,町内の有名人.僕は単に格好いいムキムキだなと思っていた.小学二年の友達はナルシストと呼んでいたが,僕はナルシストの意味が分からず,けどきっと悪い意味なんだろうなということは分かった.その後しばらく,クラス内でナルシストが連発され,みんな何かあるたびに「このナルシスト!」とののしっていた.みんな自分に自信があるなんてなんて素敵なことだろうと今思う.
あと,まげを結って,着物と風呂敷,わらじ一丁のおじさんもいた.その人もまた有名人.母はお侍さんと呼んでいた.一度,父が家から離れた父の会社付近でその人を見かけたと言うものだから,どうやらかなりの距離を毎日歩いている模様.でも,数年前に帰省した時に母が,「あのお侍さんね,髪が薄くなってね,まげが小さくなっていたよ」と言っていた.ちょっとだけ切なくなった.
家で小説を読んでいたら,外からとんとん杖を叩く音が鳴っていて,それも30分ぐらい鳴って,やばいアパートの周りを誰かがうろ居ついているかもしれんと怖くて外を見たら,おばあさんが枝切りばさみで庭の手入れをしていただけだった.その音だった.早く見ればよかった.
しばらく考えたけれど,今日は何も思いつかない.だから,父の話をする.
前に,妹がスーパーで総菜に値引きシールを貼るバイトをやっていたのだが,そこに妹のストーカーのような客が来るようになった.妹がシールを貼った総菜を片っ端から手に持っては,何十分も持ったまま妹をじっと見るらしい.
それが怖くて妹が父に相談したら,「なんだそいつは」とぶちぎれてスーパーへ乗り込んだ.そんで,そのストーカーにさっきまでそいつが持っていた弁当を突き出し,「てめぇは人が何十分も触った弁当を食べてぇと思うかコラ」と激昂した.「食べたくないです」とストーカーは答えて,その後二時間ぐらい説教したのだった.
そのせいか後日,妹はバイトをクビになった.大変な時にさっと手を伸ばせるのはすごいことだけど,父の場合,その手の伸ばし方を,もう少し踏み止まって考えた方がいい気がする.
こういうことは僕の家族内じゃ別によくあるのだが,大学に入ってから,ちょっと他とは多少は違うのかもしれないと思い始めた.