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【午前十時の映画祭11】映画『隠し砦の三悪人 4Kデジタルリマスター版』を観てきた【27分の15】

ごきげんよう。雨宮はなです。
前回に引き続き、モノクロ・黒澤明監督作品です。前回の『赤ひげ』は思いのほか楽しめたので「もう何も怖くない!」という気持ちで映画館へ足を運びました。

※ここから先はネタバレを含みますので、ご了承いただける方のみ読み進めてください。

面白がりにくいコメディ

物語の主役…?というか、進行役?というか、引っ掻き回し役は下衆な農民男性2人。浅知恵で業突く張りで意気地なし。二人が何かをやらかしたり、それでバタバタ動き回る様は全く笑えず、常にイライラさせられました。作品的にはコメディ要員・コメディパートなのだと思うのですが、彼らが失敗したり逃げ出そうとしてほかの人に危険が及ぶ…というのはハラハラではなくイライラしか覚えませんでした。

全部をかっさらっていく姫様の迷演技

しばらくは「くちがきけない」設定の下、表情と動きだけの演技だったので「綺麗な子だな」程度の認識だったので問題ありませんでした。手塚治虫のキャラクターがそのまま立体になったようなパーツやスタイルで、まるでアニメーションのようにも感じました。

ところが台詞が入ってからは一変。棒読みを超えた何かひどいものを披露され、マスクの下で開いた口が塞がりませんでした。舞台演技ともまた違う。ああ、ビジュアル重視のキャスティングだったんだなと納得するほかありませんでした。黒澤明監督って演技力はそんなに求めない人だったんだな…という感想でした。

これを参考に『スター・ウォーズ』が…?

あまりにも腑に落ちないことが多かったので、鑑賞後はカフェでパンフレットとWikipediaをチェック。そうしたら、次の2つのことがわかりました。

下衆農民2人をモデルに『スター・ウォーズ』のC-3POとR2-D2がつくられ、レイア姫の男勝りな性格や行動は雪姫がモデルになっている。(ほかにも撮影方法等、かなり参考にされていたことが書いてありました)
雪姫を演じた女優さんは演技経験のない素人であり、あまり喋らせないようにするために口が利けない設定になっていた。

なるほど、と思いました。
私が楽しむには『スター・ウォーズ』との比較が必要だったなぁと反省。ジョージ・ルーカスがモデルにした作品であることを知ったうえで、エピソード4のあとに観たら「あ、このシーンは!」「このキャラクターは!」と楽しめたことでしょう。

さいごに

昔の作品、有名な監督の作品は後世に大きく、また広く影響を与えているなぁと感じるきっかけになる作品でした。私がなんとなく観たり楽しんだ作品も、今作や同じ監督の別作品をモデルにした部分があるのかもしれないと思うと、もっとたくさんの作品を観てつながりに気づきたいなと楽しみに感じるのでした。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。

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