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【試写レポ】『苦い涙』試写会【14_2023】

ごきげんよう。雨宮はなです。

装苑さんのキャンペーンに当選し、試写会で鑑賞させていただきました。
ありがとうございます!

作品について

恋だの愛だの、男らしいだの女々しいだの、すべての概念を疑うきっかけになる作品でした。
美しい外見だったら中身も美しい……なんてことはなかったり。

映画『苦い涙』公式サイト

鏡よ、鑑?

肉体的には薄いのに存在感の薄さがまったくない付き人も気になるポイントですが、「かがみ」を使った演出にいちばん興味を持ちました。
「鏡」を使った美しく面白い構図のシーンがいくつもあり、“他者は自分の写し鏡なのだ”とも、“鏡合わせ(反対)だと言いたいのだ”とも捉えられ、とても興味深く観ることができました。

「お手本のようだ」という意味の「鑑」にも当てはまる気がして、でも、これはあくまで日本語での概念だったり考えなわけで。
となると、やっぱり「鏡」のほうで受けた印象が正しいのかもしれません。

もう上映が終わる映画館が多いですが、滑り込む人や、今後配信で観る人はぜひ「鏡」に注目してみてほしいです。

試写会について

トイレが超綺麗

フランス語学校の中にあるホールで試写会が行われました。
学校内は美術館みたいに綺麗で、感動したのはトイレがアーティスティックだったこと。
魚のうろこのような、きれいな硝子タイル(?)の貼られた壁や、きれいに拭かれた荷物置きなど、そこかしこに日本とは違うものを感じました。
トイレに行くだけで海外旅行をした気分。

来場者のマナー度は高め

上映会中は非常に静かで、映画に対する興味・関心の強い、マナーのある人たちの集まりだと感じました。
装苑さんが集めるということもあってか、カッコ悪いことはしない人が多かったのかもしれません。

トークイベントについて

上映後には、映画ライターのSYOさんと、デザイナーの大島依提亜さんによるトークショーがありました。
聞き役というよりは自分の考えもバンバン発信しながら相手とお話をするスタイルの方だったので、映画好き2人による雑談タイムを眺める感じでした。
大島さんが過去に担当したパンフレットを持ってきてくださっていて、そのデザイン性や仕掛けの自由度の高さにうっとりしました。
今はデザイナーさんが頑張ってくれても、不景気のせいなのか、公式サイトに書いてある内容とTwitter掲載程度で勘弁してほしい有名人のコメントが載っているだけのパンフレットが多い印象です。
以前のように、もっと映画に沿ったり深堀した中身を伴う、その映画ならではのデザインのパンフレットに出会いたいなあと思いながら眺めていました。

さいごに

同じ題材で1972年の作品である、ペトラ・フォン・カントによる『苦い涙』との観比べもぜひやりたい!

自分の常識がとたんに古く感じ、しょっぱいものを舐めた気分になる『苦い涙』は6月2日(金)より上映中。


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