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【午前十時の映画祭11】映画『赤ひげ』を観てきた【27分の14】

ごきげんよう。雨宮はなです。
前回から「もともとあまり興味が持てないジャンルだけど大丈夫かな」作品が続いています。前回のは聞いたことのある作品名で(ビートたけしさんのではなかったけど)興味が持てたけど、今回のは作品名だけでは何もわからないし…「赤ひげ」って言ってるけど、モノクロだし…。

※ここから先はネタバレを含みますので、ご了承いただける方のみ読み進めてください。

有名俳優の若かりし頃

三船敏郎、加山雄三、山崎努…名だたる俳優さんが一堂に会する、なんとも贅沢な映画でした。三船敏郎さん、加山雄三さんはすぐにわかりました。加山雄三さんは声も特徴的ですし。

ただ、山崎努さんは映画を観ている間に気づけなくて帰宅後に「どこで出演していたんだろう?」と調べてしまいました。『おくりびと』や『駆込み女と駆出し男』で観たときの印象が強く、演じている人物の性格の違いも気づけなかった理由のひとつに挙げられると思います。

昔ながらと革新的

昔ながらの師匠と革新的な弟子という設定は、どの時代でも生きるものですね。そして、いつになっても「師匠は口をあまり開かずものを言わず、勉強する暇がないため自分のもとにきた情報がすべからく開示されるべく仕組みをこしらえる」し、「弟子は革新的で無駄がなく、自分で努力して得たものが簡単に他人の手に渡るなんて」という考え方なのが面白いです。

状況を理解したとしても、私は弟子側の考えと気持ちです。お金と時間と体力と努力がすべて持っていかれてしまうのに、気持ちの区切りをつけづらいんですよね。わかるー、めっちゃわかるよー。最期まであがきたいよねーと思いながら観ていました。

これだけ納得いかない

時代も時代でしかたないのでしょうが、思わず劇場で「ええー?!」と声を出しそうになってしまったのは、ストーカー女と結婚したことでした。

映画に描かれていない部分で何かあったのかもしれませんが、「主人公と付き合っていた姉が主人公を裏切って別の男と結婚したのを詫びるために仕事場に尋ねてくる」というのがもはやすでに「げーっ」でした。仕事に関係ない女が職場を訪ねていくって現代でも神経を疑います。いくら姉がやらかしたからとはいえ、妹である彼女は全く関係のない他人ですし、むしろ見たくもないはず。それで「謝らせてください」「代わりにお世話を」というのはただの自己満足にほかならないわけで…。

それにほだされたんだかなんだか知らないけど「ずっとよくしてくれてるのを無碍にできないから、じゃあ結婚する」という決断にも「げーっ」でした。ただ、栄転する夫を狙ってたなら残念でしたっていうオチでしたが。

さいごに

男ばかり出てくるし、華やかな舞台どころか病院だというのになんとなく埃っぽさすら感じる場所やみなりなのに、あたたかさを感じるのは出てくる人たちの人柄とモノクロであるからこその結果だと感じました。

これはカラーになったらなったで悪くはないのでしょうが、モノクロだからこそのあたたかみと良さで良作となった作品でしょう。人の記憶を覗き見るような感じが面白いです。それに、色が全部省かれたところに何が残るか。間や声という演技でどれだけ人物を状態を場所を表せられるのか。色が無いからこそ見えるものが多い作品のように感じました。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。

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